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後宮の華  作者: 山口悟
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緑 春花


「このたび、この後宮を閉めることとなった。皆、早々に荷物をまとめ数日中に退去するように」

 広場の中心で書状を手にした役人が声をはり上げてそう告げた。

 

 その言葉にこの場に集められていた妃や女官たちからざわめきが起こったが、そのざわめきを遮るように再び役人が、

「急いで仕度するように、いつまでも退去しないで残っている者は強制的に退去させていいとの許可も出ている」

 低い声でそのように口にすれば、皆、文句を言いながらも自分の暮らす宮へと戻って行く。

 

 先日、この後宮の持つ主である王が、自ら王の座を降り、亡き兄の息子に王位を譲渡した。

 その話が後宮へ流れてきた時からこうなることが皆、わかっていたのだ。

 かくいう私もこうなることを予測して、すでに宮を去る仕度を初めていた。

 

 あとは日常的なものを少しまとめて荷物に入れれば、すぐにでも故郷へと帰ることができる。

 さあ、さっさっと仕度してしまうかと自分の宮に向かって歩き出したその時、視界の隅にその人を見つけた。

 目を見張るような美しい容貌を持つ彼女は遠くを見つめ、所在なさそうに佇んでいた。

 

 高貴な生まれであった彼女はその美貌と多才で王の寵愛を一身に受けていたが、残念ながら子を授かることはなかった。

 そして、彼女の生家は、今回の王位の譲渡の件で激しく王と対立し、やがて思い通りにならないとなると王に刃を向け、一族もろとも処罰された。

 ただ彼女は、生家の件にはまったく関わっていないことが明らかになり、処罰からは見逃され、後宮の離れに幽閉される形になっていたため、姿を目にすることができたのも久しぶりのことだった。

 

 帰る場所もなくなり彼女はこの後、どうするのだろう。

 彼女はものすごく特別で、私などが、直接話しかけにいけるような存在ではない。

 しかし、後宮の廃止が告げられ皆が慌ただしく動き回るこのいつもとは異なる異常な空間に、私の気持ちも高揚していた。


 だから普段なら決してできないことができたのだ。

 私は佇む彼女に近寄るとこう声をかけた。

「あの、もし行くところがないならうちに来ませんか?」



        




 時は、約三年ほど遡る。

「さぁ、リンリン、お水だよ~」

 私がそう言って可愛い大根苗のりんりんに水をやっていると、

「ちょっといいか」

そう父に声をかけられて、母屋に連れてこられた。

 なんだろう、なんだか面倒事の予感がする。

 

 私、緑 春花(りょく しゅんか)は国の外れの土地で豪農と言われる家に生まれ育った。

 我が緑家は膨大な田畑を所有し、国で消費する農産物を多量に担っており、財もその辺の高貴な血筋な方々よりよほど多く有していた。

 ここまで述べると大層な家という感じもするが、そもそも我が家がこんな風になったのは祖父の代からの話だ。

 

 元々、少しの土地を所有しているだけの一農民だった祖父は、生まれながらに農業が大好きだった。

這うことができるようになるとすぐ田畑に出ていたという逸話もあるほどに、田畑に入りびたっており、作業を重ねた。

 日が暮れて田畑に出られなくなると、どうしたら田畑をより素晴らしいものにできるのか研究を重ねた。

 

 そんな異様なまでの農業への愛の結果、寒さや暑さに強い野菜を生み出し、土地を豊かにするための肥料を作り出した。

 そうしてその報酬で手にした資金でさらに田畑を手に入れ大きくしてというのを幾度となく繰り返し、気づけば見渡す限りの田畑を管理する豪農になっていたという強者だ。


 ちなみに祖父はただの農業馬鹿だったので、お金の管理などは商売上手な祖母が担ったらしい。

 祖母の方も這うことができようになるとすぐに計算機を玩具にして、じっと帳簿を眺めはじめたという逸話のある強者だ。我が家に田畑だけでなく、財もたくさんあるのはこの人のお陰だと言われている。


 そのような強者二人の長男として生まれた我が父だが、祖父ほどの農業馬鹿ではないがやはり農業好きに育った。そして祖母の親戚筋で、商売上手な母と縁を結び、家業は順調だ。


 そんな我が家だからこそ、こんな話もやってこようというものだ。

「このたび即位された王のために後宮を開くこととなった。よって緑の一族からも妃を一名、後宮へ入台させよ」

 私は難しい顔をした父が目の前に差し出した上質な紙に書かれた達筆な文字を口に出して読んだ。

 それを聞いた父が口の端をあげた皮肉気な笑みを浮かべて言った。

「数日前にこれが届いたんだ。そういう訳で我が一族から一名行かなければならなくなったんで、希望者を募ったんだが……」

 

 祖父と祖母は商売の相性だけでなく、他の相性もよかったようで父の兄弟は多い、父と母もそれは同じで私自身の兄弟も多い。

 そのため一族の年頃の娘もそれなりにいる。普通の一族の娘なら『王の妃』という単語に憧れて手を上げるものが現われてもよさそうだが、


「誰も行きたがらなかったんだね」

 私が父の言葉を引き継いでそう言うと、父は大きなため息を吐いて言った。

「ああ、その通りだ。『王の妃の一人』になって煌びやかなところで暮らして贅沢できるぞって勧めても、誰も頷いちゃくれねぇよ」

父のその発言に私はそりゃあそうだろうという気持ちになった。

 

 確かにうちの一族は祖父母たちがすごい地位を築きあげた。

 だがここは国の外れのど田舎、国からは『すごい』と言われる父もここでは雇いの農民に交じって田畑を耕しているような場所だ。

 国の王宮はおろか王都へ行ったことがある者だってほとんどいない。

 よくわからない場所に一人、よく知らん男の元へ嫁げと言われても頷くものなどいやしないだろう。


 そして、これが普通の一族の娘ならば、都会への憧れなどもあるかもしれないが、我が一族に関しては皆、田畑を愛し、またそこから営む商売を愛する者ばかりだ。まず土地を離れたがらない。


「結局、年頃の娘には軒並み断られてしまってな。もうこの話を聞いていないのはお前くらいになったという訳だ。とりあえず他の親族に声をかけてみて、頷いてくれた娘に一旦、緑家の養子になってもらって、その後に嫁いでもらおうと考えているところだ。なんでお前もこれで話は聞いたということにしておいてくれ」

 父がやや疲れた顔でそう言った。


「そう、わかったわ。それで誰も行かないなら私が行くよ」

「ああ、わかっ……ん、お前、今、なんて言った?」

 怪訝な顔を向ける父に私はもう一度、はっきりと言った。

「うん、だから私が王の妃の一人となるわ」

「な、なんだって⁉」

 父はそう絶叫して、私の肩をそのたくましい腕で掴んだ。


「お前が王の妃になるだって! いや、王の妃になるってことはここから出て後宮に入るってことなんだぞ。わかってるのか?」

「わかってるよ」

「いや、だってそうなればじいさんと土地や野菜の研究が出来なくなるんだぞ。お前はじいさんの後を継いで土地と野菜の研究をして農業を発展させる。絶対に嫁などには行かんって十年近く言いきって見合いも軒並み拒絶してきたじゃないか、それがどうして……」

 

 父の言うとおり、私は祖父と共に長年、田畑や野菜の研究を続けてきた。

 そして絶対に嫁には行かん、祖父の建てた研究所に噛り付いてでもここに居続けると言い続けてきた。

 それこそ物心ついたころからそう断言してきたのでもう十年以上そう言っていることになる。

 

 そのように言ってきたというのに、年頃を迎えると父はいくつか見合い話を持ってきていた。だが私がはっきりきっぱりと断り続けているとそのうち諦めたようでそれもなくなった。


 よって父はもう私は嫁がず、研究所で土まみれになって生きていくと思っていたようだ。

 そのため、今回の話も私に持ってくることなんてまったく考えていなかったのだろう。

 こうして最後の最後に一応、話だけしておこうと、本日、呼び出されたのだろう。


「まさかお前に限って家のためになんてことはないだろう。一体、何が目的でそんなことを言い出した?」

 娘の性格をよくわかっている父のこの発言に私は答えた。

「あのね。父さん、私、実は研究に行き詰まってるの」

「そうなのか? しかしこの間もまた病気にめっぽう強い瓜の一種を生み出したんじゃなかったか?」

 その言葉に私は少し顔を引きつる。


「それは、じいさんが作ったものだよ」

「あれ、だがじいさんはお前が最初に作ったって言ってたけど」

「そうね。確かに最初の部分だけは私が考えたの。でも、その後はまたじいさんがどんどんと構想を膨らませていって、結局また今回もじいさんが作ってしまったわ」

 声が自然と棘を持ってしまったため、父にも私の気持ちが伝わったようだ。


「あ~、まぁ、なんだいくらお前がじいさんの再来と呼ばれる農業馬鹿の天才でも、そこは年の功ってやつがあるからな」

 と父は慰めを口にした。


 そう私は、家族、親族などに祖父の再来と呼ばれるほどの農業馬鹿で、よちよち歩きが出来た頃にはもう祖父の研究所に出入りし、土をいじっていたという逸話を持っている。

 ただやはり這うことができるようになってすぐに田畑にいた祖父にはおよばないのか、これまでの経験値の差が大きいのか、祖父のようには上手くいかない。



 しかも祖父は恐ろしいことに全然、衰え知らずで、新しいものもどんどんと取り入れて私が考え出したものもさらっとさらに発展させてしまい、私は段々と自信を無くしてきていた。


 そして、私の中では大発見で必ず成功させると思った瓜の改良をさらっと祖父が成功させたこの間の件でなんだか張っていた糸が切れてしまったような気持ちになった。

 大好きなはずの田畑、いつもキラキラして見えていたのに、今はなんだか灰色に見える気がした。


「だから気分を変えるために留学にでも出ようかと思ってたんだけど、後宮入りはちょうどいいかなと思って」

 これまでの経緯をざっと話すと父は両手で頭を抱えた。


「あ~、うん、経緯はわかった。じいさんは農業のこととなると色々と見境がなくなるから少しお灸は据えておく」

「ううん、そこは私の実力不足が原因なんで必要ないよ」

「そうか、お前は潔いな。それはいいことだ。ただな、後宮入り、それも『王の妃』として嫁ぐのは留学とはまったく違うぞ。留学をしたいならすればいいから。後宮はそんな理由でほいほい行くようなところじゃないだろう。入ったらもう出てこられないかもしれないところなんだぞ」

「いや、この文の続きを読むと王のお手がつかず三年たった妃は、故郷に返されると書かれてあるよ」

「ん、ああ、そうだな。それでそれがどうした」

「私は絶対に王様のお手付きにならず三年を迎える自信があるわ」

 私がそう言って胸をはると父がなんともいえない顔になった。


「なんでそんなに自信があるんだ?」

「親族の姉さんが教えてくれたのよ。王都の方では色が白くて細身で淑やかな女性が美しいとされて人気があるのだと。ならば日に焼けて黒く、このように二の腕も足も太くたくましい私は絶対に王にも気に入られることはないわ」

 そう自身満々に告げると、父は片手で額をおさえしばし考えた後、

「あ~、まぁ、それは俺も思うところではないが、何事にも絶対ということはないぞ。もしかしたら新しい王様は色黒の逞しい女が好みという人物かもしれないぞ」

 と告げてきた。なので、

「いや、新しい王様にはとても懇意にしている幼馴染の女性がいてその方の後宮入りは王様の強い希望もあり一番に決まったらしいわ。その方は儚げで色白な美女だそうよ」

 そう教えてあげた。つまり王様の好みは間違いなく儚げ色白な方だ。


 それを聞いて父は眉を下げた。

「そうなのか……しかし、お前、なぜそんな情報に詳しいんだ?」

「気分転換と留学の行先決めに、色々と噂を聞いて歩いたりしてた」

「そうか……しかし、三年で帰って来られるとは言え、三年は塀に囲まれた屋敷で過ごすのだぞ。お前にそんなことが耐えられるのか?」

 どうやら私が王のお手付きにならず三年で帰ってくるのは認めたらしい父が、今度はそんな風に尋ねてきた。


「父さん、今の後宮は数十年前の王様が千人近い美女を囲うために作ったそれは巨大なもので、中にはたくさんの宮と、薬草の畑などもあるそうよ。そこに国中の女たちが集められる。絶対に興味深く楽しめるわ!」

 私が拳を握りそう告げると、父は諦めたような顔をして、

「わかった。お前の好きにすればいい」

 と口にした。

 


 こうして、私、緑春花の後宮入りが決まった。

 その後、数週間の準備期間を得て、私は後宮へと向かった。荷物に研究で得たそれなりの財、そして故郷の土に、育てているりんりんなどの苗を持って。

 




そのような経緯を得て入った後宮だったが、想像以上に居心地がよかった。

 入る前に読ませてもらった書物では後宮とは女たちの争いの場であり非常にドロドロしたものだと書かれていたのだが、実際は書物ほどではなかったのだ。

 

 もちろん高位な妃たちに関して言えば足の引っ張り合いもなどもあるようで、そのあたりは非常にギスギスしていたが、それ以外はそうでもなかった。

 なんとなく呼ばれてきていたけど、別に無理に王の手つきになくてもいいか、三年たったら後宮での日々を土産話にさっさと故郷に戻って見合いでもしよう。そんな者が多数派だった。

 

 私はともかく、他の者も妃として頑張る気が無い者が多いのを不思議に思ったが、よくよく話を聞けばなんのことない。

 私が故郷で聞いた『王とその幼馴染の話』がより詳しく流れていたからだった。

 まぁ、あんなド田舎まで聞こえてくるのだから相当知られていることなのだろうと思っていたのだが、もう二人の仲は両家公認だったという。

 


 新たに即位した王である政 繋生(せい けいしょう)は、前々王が年を重ねてから生まれた子で、生まれた時にはすでに立派な兄たちがおり、王位からは遠いところにいる存在だったのだそうだ。

 そのため産んだ母が早くに亡くなると、繫生は王宮ではなく母の生家である黒家こくけで育てられ、その家の娘とそれは仲睦ましく過ごしていたそうだ。


 それがこのたび、繫生の腹違いの兄である前王が突然の病でこの世を去った。

 その闘病中に前王が、交流厚く特に信頼していた異母弟、繫生に王位を譲ると残したために突如、王位に着くことになったのだそうだ。


 そのような経緯で王位についた繫生は、意気揚々と自らの娘を妃にすべく後宮を立ち上げた高官たちに『妃は幼馴染の娘だけでよい』と言ったそうだ。

 しかし、王位を継いだばかりの若き王の言葉に高官たちが簡単に是を唱える訳もなく、こうして王の意思など聞かなかったかのように後宮は作られ、ついでに税を集める目的もあり、色んなところから娘たちが集められたという訳だ。


 この王と幼馴染の話は後宮の妃を集める段階ではもう広まっており、集められた娘も親も『身分も高く美しい娘にそんなに思いを寄せているならもう他の妃など見向きもしないだろう』という感じらしく、ギスギスもなくのんびりしているということだ。


 そういった後宮の事情もあり、意外と快適でのんびりした場所だった。

 各地から集まった娘たちの話は面白いし、持ち寄ったものも様々で実に興味深い。

 なにより広い後宮の中には自給自足できる畑もあり、薬草なんかも植えてあり、実に素晴らしいものだった。

 これは三年くらいあっという間だなと胸を弾ませた。

「緑春花様、早くしないと始まってしまいますよ」

「あっ、はい。わかりました」

 ここまでの経緯を思い出したりしていたら、親しくなった妃の仲間にそう声をかけられたので慌てて返事をし、その後に続いた。

 

 本日は、後宮で王を招いた花見が行われるのだ。

 この花見、ただ花を見て食事をするだけの会ではない。王に様々な芸を披露するという場でもあるのだ。主催したのは娘を後宮に入れた高官たちだ。


 『幼馴染の娘以外に興味がない』と彼女の宮以外を訪れることのない王に、どうしても自分の娘を見てもらいたいと企画したらしい。必死なものだ。

 

 この会にはもれなくすべての妃が招待された。

 私たちはそれぞれ個々に後宮入りしたため、全体の顔合わせもかねているのではないかと思われる。

 

 私は家の財こそ多いけど、身分は高くないために真ん中くらい地位をもらったので、同じくらいの妃たちと行動している。

 本日も、似たようなくらいの妃が座っているあたりにちょこんと座り、花見のはじまりを待った。


「高位の妃の方々が、舞や楽器の演奏を披露されるらしいわよ」

 近くに座っていた妃たちがそんな風に話していたのが耳に届いた。

 

 舞や演奏か、正直、あまり興味を惹かれないな。

 都会の田畑の視察に行った際などに有名な舞手の舞や演奏家や演奏を何度か聞いたが、私の心が動くことはなかった。

 

 私の心を動かすのは新緑や黄金色の田畑とそこに実るものたちだけだ。

 これからもきっとそれは変わらないと思っていた――その舞を見るまでは。


 舞台に彼女が出てきた時、周りの空気が変わったように感じた。

 浮ついていた空気がきりりと清廉なものになった。

 

 そして彼女がその手をあげて舞い始めると、彼女の周りがキラキラと光って見えた。

 彼女が舞の名手だという噂は聞いてはいたが、どうせ高位の妃を称えるために大げさに流された噂だと思っていた。


 それなのに、ああ、なんて美しい舞なのだろうか。


 王都で一流だと言われる舞を目にしても動くことのなかった私の心が、今、彼女の舞を目にして大きく動いたのだ。

 一面に広がる田畑の美しい実りを目にした時のように、いやもしかしたらそれ以上に私の心は揺さぶられた。

 瞬きすら忘れて見入り、その舞が終わるとじっと彼女を見つめたまま大きな拍手を送っていた。

 

 その拍手がひどく大きかったからか、彼女の視線が私と交わった気がした。そして彼女は私に向かいにっこりとほほ笑んだ。


 そこで私は完全に彼女、王の寵妃である黒 華月(こく かげつ)様の虜になってしまった。


 よくよく考えれば私を見てほほ笑んだとも限らない、周りにはたくさん人がいたからただ単にこちらを見て愛嬌をふりまいたのだけかもしれない。

 それでもその一瞬で私の心は黒華月様に落ちてしまったのだ。




 はじめて田畑以外のものに心奪われた私は、それからしばらくぼーっとした後、この思いを書き記しておこうと紙にしたためた。ものすごい大作となった。

 

 それを偶然、目にした仲良くなった妃が『そんな気持ち悪いくらいに思いをつづっているなら本人にも出してみれば』と助言をくれた。

 

 最初は本人に文を出すなんて恐れ多いと思ったが、次第に少しだけでも応援していると伝えたいという気持ちが出てきて、ある日、ついに思いきって舞が素晴らしく感動した旨を書いた文を黒華月様の宮に送ってみた。

 

 するとしらばくしてなんと返事が届いたのだ。

 そこにはそれは美しい字で舞への賛辞への礼が書かれていた。


 返事がきたことで、私の黒華月様への熱はさらに上がり、調子に乗って『またあなたの舞が見たいです』なんて文を出してしまった。

 

 そしたらなんと黒華月様が良い返事をくれたのだ。

 私は歓喜した。もう天にも昇る気持ちだった。

 

 浮かれて浮かれまくり、常に舞い上がっている私に気付いた他の妃から理由を聞かれて答えると、他にもかなりたくさんの妃が黒華月様の舞を自分も見たいと言い出してきた。

 あの花見の舞で黒華月様に心を射抜かれたのは私だけではなかったのだ。

 

 こうして私を多くの同士を得て、彼女たちと共に黒華月様の愛好会を立ち上げた。

 

 黒華月様の舞も私だけでなく愛好会の皆が見られるように有り余る財を使って、舞台を用意した。

 『その舞台で踊って欲しい』というおこがましいお願いにも黒華月様は良い返事をくれた。

 舞の行われる当日は愛好会以外の妃や女官も多く集まり、賑わった。

 

 そこで黒華月様は花見会の時よりも多くのそれは見事な舞を見せてくださり、私たち愛好会はもとより、軽い気持ちで見に来た妃や女官たちも虜にした。

 そして翌日には愛好会の人数が倍以上に膨れ上がった。


 『黒華月様愛好会』の会長となった私はその後も会員たちをまとめ、黒華月様と文のやり取りをして舞台の開催を企画したりなど、勢力的に活動した。

 

 実に楽しく充実した日々だった。すると、ある日、同じくらいの地位の妃から、

「あの私、実は花見の席で西宮の妃の演奏に感銘を受けて、あなたと同じようにかのお方の愛好会を作りたいと思ってしまったのだけど、どう思いますか?」

 との相談を受けた。

 

 私と愛好会の仲間たちがあまりに楽しそうなので彼女も同じように自分の憧れの妃を応援したくなったとのことだった。

「いいと思います! 憧れの妃の応援をするのはとても楽しいことですよ。ただ勝手をすると憧れの妃にご迷惑がかかってしまうかもしれないので」

 かくいう私も愛好会を作る際には黒華月様にきちんと文でお伺いを立てていた。

 黒華月様は『私の愛好会なんて恐れ多い』と言いながらもよい返事をくれた。

 本当に黒華月様は見た目だけでなく、その心まで美しい。

 

 私の助言を聞いたその妃は、大きく頷くとすぐに行動を起こし、数日後には西宮の妃の愛好会も結成された。

 それをかわきり、他の高位の妃たちの愛好会もどんどんと生まれていった。

 なんとなく後宮にやってきてダラダラしていた妃たちにとって、芸事に豊かで美しい高位の妃たちはまさに憧れの的で、その人たちを応援するという私が作り出した文化が非常にうけたようだ。

 次々に生まれる愛好会の代表は、なぜか私のお伺いにきて、私の助言の元に楽しく運営していっているようだ。


 憧れの妃の絵、名前などを書いた小物を作って愛好会でそろえてみたり、称える歌を作ったり、後宮はいつのまにやら偶像アイドルである高位妃とその愛好会ファンの憩いの場となった。


 ああ、本当に楽しい三年と言わず五年くらいここにいたいななんて思い始めた三年目の中頃にそれは起こった。





 後宮の主である政繫生が、成人を迎えた前王の息子に王位を譲渡すると宣言した。

 反対する者は多かったと聞く、特に後見である黒家は強く反対し、最終的に王に刃を向け、一族もろとも処罰を受けたらしい。

 ただ後宮にいた黒華月様だけは、生家の件にはまったく関わっていないことが明らかになり、

処罰からは見逃され、後宮の離れに幽閉される形になった。


 愛好会ファンたちは私も含め、むせび泣いたが、王の決定に意を唱えることなどできず、

 また自身の身の振り方も考えなければならず落ち着かない日々を過ごした。

 私も黒華月様に思いをはせながら少し早くなってしまったが、故郷に帰るべく帰り支度を始めていた。


 そしてついに役人により『後宮は閉められる。数日中に出ていくように』と告げられること

となったのだ。


 そのような場で、久しぶりに黒華月様の姿を目にすることができた。

 愛好会の会長として何度も文を送りあい、舞台で演舞を見せていただいた際には『ありがとうございます』とお礼を述べたこともあった。


 しかし愛好者ファン偶像アイドルに舞台以外で直接声をかけるなんて言語道断。

 それ以外に口を聞いたことなどなった。

 

 だがこの場を支配していた独特な雰囲気にのまれ、私はつい黒華月様に近づきそして口にしてしまったのだ。

「あの、もし行くところがないならうちに来ませんか?」

 などというとんでもないことを。

 

 私の言葉を聞いた黒華月のきょとんとした顔で私ははっと我に返って、

「あの、その変なことを言ってしまい……」

 と否定しようとしたのだが、なぜか黒華月様はにこりとほほ笑んで、

「いいのですか? ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします」

 そう言ってぺこりと頭を下げてきた。


 私もそれにつられて気づけばこう言って頭を下げていた。

「はい、こちらこそよろしくお願いいたします」

 

 こうして、私は『後宮の華』と言われていた王の寵妃を連れて、三年ぶりに故郷のど田舎に帰ることとなった。






 荷物をまとめあげて田舎に帰る日。


「ありがとうございます。緑春花様、あなた様のお陰で後宮での生活がとても楽しいものになりました」

 下級妃や女官たちからそう言って花束やお菓子などをいただき、


「緑春花、あなたのおかしな活動で、意外と愉快な日々を過ごせたわ」

 高位な妃たちからそう言ってなかなか値がはる品々をいただいた。

 

 下級妃たちは愛好会ファンクラブ活動がとても楽しかったとのことで、高位妃たちはそうして下級妃たちに称えられキャーキャー言われながら応援されるのが意外といい感じだったということだった。

 

 完全に自分の趣味だけではじめたことだったけど、なんだか皆も楽しかったようでよかったよかった。

 荷車にたくさんのいただいた品を乗せて、そして自身の馬車には『後宮の華』と呼ばれるそれは美しい妃を乗せて私たちは故郷へと出発した。

 

 私は目の前に座る高貴で美しい姿にもう目がつぶれそうだ。でもその姿を見たくてつい目を向けてしまう。するとばちりと目が合ってしまった。


「ふふふ、緑春花様の故郷、楽しみですね」

 黒華月様がにこやかに笑ってそう言った。

「いえ、その本当に何もないど田舎なので、黒華月様が楽しめるようなものなどないかと思います」

 私が肩をすくめてそう言うと、黒華月様は目を丸くして、

「あら、緑春花様の故郷には壮大な田畑が広がっていてそれは美しいとお聞きしていたのですが」

などと言ってくれたものだから、私はつい嬉しくなって、

「はい、それは壮大な田畑があって、実りの時期には一面金色に変わってすごく綺麗なんです。それから取れる作物もとっても美味しいんです」

 拳を握ってそう語ってしまっていた。


 そんな私を目にした黒華月様はふんわりとほほ笑んで、

「それは楽しみですね」

 と言ってくれた。そして今、思いついたというように続けた。

「ああ、そうだ。あと私の名前は色々とあって色んなところに知られてしまったので、これからは違う名前を名乗ろうと思います」

「違う名前ですか?」

「はい、本日から私は余月(よげつ)と名乗ろうと思います。遠く違う土地に向かうのにふさわしい名でしょう」

 黒華月様はそう言ってにこりとした。


「ああ、あの物語の主人公ですね」

 それは私の土地ではよく語られる物語の主人公の名前だった。

 余月という名の少年が一人育った土地を離れ、色んな所を旅して、やがて理想興を見つけて幸せに暮らすという話だ。


「黒華月様はご存じなんですね。他の妃は皆、知らないようでしたのでうちの故郷くらいしか語られていない話かと思っていました」

 私がそう言うと、黒華月様は目を細めて、

「私も知らなかったのですけど、この後宮にきて教えてもらいました」

 そんな風に言った。

 もちろん私は黒華月様にそんな話をしていないので、別の誰かに聞いたのだろう。


「そうなのですね。他にも知っている人がいたんですね」

 私についてきてくれた女官の誰かだろうか、しかし、私付きの地元の女官が直接、黒華月様に話しかけるなんてことはない。他の女官たちと話していてその口伝で伝わっていったのかもしれない。

 そんな風に考えてからふと思い出した。

「そう言えば、私、この後宮に来たばかりの頃に別の宮の女官の人にこの話をしたので、もしかしたらその人経由で伝わったのかもしれませんね」

「へぇ」

 と黒華月様が話に興味を持ったようなので私はここにきたばかりにあった出来事を話した。



 それはまだ私がここに来てばかりで右も左もわからない頃、後宮の土の具合を観察していてよくわからない場所に迷い込んでしまって困っていると、どこからともなく現れた女官が帰り道を教えてくれたのだ。

 

 頭巾を深くかぶっていたので顔はわからなかったが、その人に名前を聞いたら『余月』と名乗ったので、故郷で伝わるこの話を思い出して話したのだ。


 無事に自分の宮に帰れた後、お礼をしたくて名前をたよりにその女官を探したのだが見つけることはできなかった。そして結局、女官は結構入れ替わりもあるので仕方ないとあきらめたのだ。


 そのような話を黒家華月様に伝えると、

「そうだったんですね」

 黒華月様はなんだか不思議な笑みを浮かべた。

 そしてなぜか私の顔に手を伸ばしてきた。


「はぇ」

 驚いて固まる私に黒華月様はふふふと笑って言った。

「汚れがついていたので取ったのですよ」

「あっ、そうだったんですね。ありがとうございます」

 

 黒華月様は今、後宮にいた時に身に着けていた派手やかな衣とはまるで違う質素で男性的が身に着けるような衣を着ている。

 それでも黒華月様はやはりとても美しくて、彼女が触れた頬に熱が集まるのを感じた。

 こうして私は『後宮の華』という呼ばれた絶世の美女を連れて故郷へと帰郷した。









「はい、春花、どうぞ」

「あ、ありがとう。余月」

 そう言って私は黒華月様もとい余月が差し出してくれたお茶を受け取った。

「しっかり休憩しないと後が持たないからね」

 余月がにこにことそう言うのに、私は「そうだね」と頷く。

 

 故郷に帰ってきて早数か月、余月は、私の地元にものすごく馴染んでいた。

 来た当初こそ、地元の皆、余月の美貌におののいていたが、飾らなく穏やかな余月の性格がのんびりしたこの土地の気風と合ったようで、いつの間にか皆の輪の中に自然と入っていた。

 

 また後宮を出てから余月は質素な男性的な衣をつけるようになったのも馴染みやすくしていると思う。

 意外と背が高めだった余月はこうして横に並ぶと美しい青年のように見える時もあるから不思議だった。

 

 畏まったのは止めにしようと提案され、敬語をやめ、共に農作業をするうちに私たちはとても仲良くなっていた。

 

 高貴なお嬢様だった余月なのだが、田畑を耕すのも、種をまくのも苗を植えるのも抵抗がないらしく、それどころか『すごく楽しい』と興味を持って農業に取り組んでくれて、私は今まで感じたことのない喜びを感じていた。

 

 一人で黙々としていた作業も誰かと一緒にするとなんだかいつもよりずっと楽しくて嬉しいのだと気づくことができた。

 今も、こうして余月と共に畑にいるだけで幸せを感じる。

 

 後宮に行く前にじいさんのせいで不貞腐れていたのが嘘のように、もうじいさんへの対抗心みたいなのもなくなった。


 余月のくれたお茶を喉に流しいれて今の幸せを噛みしめていると、

「ほら、春花、リンリン四号がだいぶ大きくなってきた。これはもうすぐ収穫できるかもしれないよ」

 余月がそう言って私が育てている大根苗のリンリン四号を示したので、私もそちらに目をやった。

「本当だ。もうすぐいけるかもしれないわ。余月、取れたら一緒に食べましょう」

「そうだね。よかったら私の家で一緒に料理して食べよう」

「うん、そうしよう」

 余月は最初こそ、私の家の一室で生活していたが、この地になれてくると家を出て一軒家を借り生活し始めた。

 

 私は女性の一人暮らしなど危ないと反対したのだが、余月は『私は意外と強いんだよ』と密かに習っていたという武術を見せてくれた。

 その技の切れは素晴らしく本人がいうように強くて、相手役で出た私のひとつ下の弟は悲しいかな、叩きのめされてしまった。

 

 そんな経緯もあり、一人で暮らし始めた華月の家に私はたびたびお邪魔していて、一緒に料理をして食べたりしている。今度、お泊り会もする予定だ。

 

 楽しみだなとリンリン三号を見つめながら思っていると、

「ふふふ、春花、こんなところに土がついているよ」

 余月が、私の頬に手を伸ばしてきて、おそらくついていたのであろう土を取ってくれた。

「あ、ありがとう」

 余月に他意はまったくないのだろうけど、その美しい顔で近づかれると思わずどきりとしてしまうことがある。

「どういたしまして」

 そう言ってほほ笑んだ余月の顔がそれはまた美しくて、私はまた頬に熱があがってくるのを感じた。



         





 ★★★★★★






 後宮に三年の留学(正確には違うが)に行っていた娘の春花が数か月前に予定を前倒しして帰ってきた。王が交代し後宮がしまったためだ。


 それ自体は話が届いていたのでなんら可笑しなことではなかったが、問題は春花が一人ではなかったということだ。

 なぜか春花はこの田舎には似つかわしくないとんでもない美女を一緒に連れて帰ってきたのだ。

 あまりの美女に家族皆の顎が外れるところだった。


 春花曰く、後宮で女官をやっていた知り合いで、諸事情で帰る家がなくなってしまったので連れてきたということだったが、そのあまりに美しい所作に『絶対にただの女官じゃあないだろう』と皆でしつこく問い詰めると、絶対に他言しないという条件でようやく口をわった。


 余月と名乗った彼女の本名は黒華月といい、黒家のお嬢さんで有名な王の寵妃だったという。

 今回の王位譲渡の際に黒家は王に歯向かい処分され、行くあてのなくなった彼女をつい実家に誘ったら承諾を得てしまい一緒に連れてくることになったのだという。


 娘よ、そんなすごい人物をついこんなど田舎につい誘うな。そして何の連絡もなくさらっと連れて帰ってくるな。俺は頭を抱えた。



 娘、春花は幼い頃より他の子どもとはだいぶ異なる娘だった。

 他の子どものように玩具を欲しがることもなく、田畑に連れて行けばそこでじっと作業や作物を見て楽しんでいるようなそんな子どもだった。

 他の子どもたちが走り回っている中、田畑の野菜に名前をつけて水をやったりしていた(これは現在もしている)。


 それを見た親族たちは『農業馬鹿の父の後継者だ』と騒ぎ立てていた。

 ずっと農業に夢中でそこから財を成した父を誇りには思っていたが、常に田畑にばかり通う父の背中を遠く感じていた。それはきっと俺だけではなかった。


 他の兄弟も、親族も父との間には壁のようなものを感じている気がしていた。

 それでも父には母がいた『あの人は不器用な人だからね』と農業ばかりの父に壁を作ることなく寄り添った母。

 母がいなければ父はきっと孤独になっていただろう。

 そう思うからこそ父によく似た娘、春花が心配だった。


 今は父がいて共に研究に勤しんでいるが、いくら父がまだまだ元気だといえ、年齢的にはもうそんなに長く共にいることは難しいだろう。

 そうなった時、春花と共にいてくれる人が必要だ。

 

 だから年頃になった春花に婿を取らせようと模索したが、本人の強い拒絶があり叶わなかった。

 そのためその線はもう諦め、春花と同じような研究者を探して共に研究や農業に勤しんでもらおうと、伝手を辿っていたところだった。

 

 だがそれもなかなか上手くいっていなかったのだが、

「まさか、自ら連れてくるとは、それもあんなに美女を」

 眼下に広がる畑、大根の前で楽しそうにいちゃつく春花と、その友人である美女、余月を見つめながら俺がぼそりとそう口にすると、隣で同じように二人を見つめていた息子が肩をすくめて言った。


「そうだね。あんなに姉さんと一緒に生きていってくれる人をみつけようって皆で探したのに、結局自分で見つけてくるなんて驚いたよ」

 

 そう父である俺だけでなく、春花の兄弟たちも誰か一緒に農業をやってくれる人はいないか探しに協力してくれていたのだ。すべてを農業に捧げたようにそればかりの春花を皆、心配してくれていた。

 

 特に春花の一つ下の弟であるこの息子は、俺に似ず、妻に似て要領よく器量もなかなかに育ち、よく春花の世話を焼き特に今後を心配していたので、今回、春花が余月さんを連れてきてとても仲良くやっているのを見て安心したようだ。


「贅沢いやぁ、余月さんが男なら法的にも認められて夫婦になれたんだが、そこまで望んだら罰が当たるな。春花とああして笑い合って畑に共にいてくれる人が出来たんだ。それだけで十分だ」

 畑の二人を見つめながら俺がしみじみとそう言うと、隣の息子がなんともいえない変な顔をした。


「ん、どうしたんだ?」

「あのさ、農業のことしか頭になくて死ぬほど鈍い姉さんはともかくとして、父さんまでまだそんなことを思ってたの」

「そんなこと? どういう意味だ」

「余月さんのことだよ。姉さんは完全に女の人だと思ってるようだけど、あの人――」

「お~い、父さんたち、こっちの新しく改良した野菜持って行ってくれる」

 息子が何か言いかけたのに被るように春花がそう声をかけてきたので、

「お~、わかった。今、行くぞ」

と返事をした。


「ん、それでなんだって?」

 話が途中になってしまった息子に目を移しそう聞くと、息子はまた肩をすくめて、

「まぁ、いいや、とりあえず、姉さんが幸せならいいかな」

 そんな風に言った。

「おお、そうだな。よし、じゃあ改良したという野菜を取りにいくか」

 俺はそう言って息子と共に春花たちの元へ向かった。


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― 新着の感想 ―
何だ日に焼けたカタリナか・・・ってーか余月は絶対にジオルド転生だろうw 転生位であの男が諦めるとは思わん・・・なんか義弟も来そうで怖いなーwww
いや、ちょっと待てやタグにGLが… あああああああ「GL風」だったああああああっ!!!!!! ちっくしょーーーー(;ω;)
ん??????????いやいやいやいやそんな馬鹿な…… 浅黒いカタリナじゃーんとか想像してニコニコしてたら…うぇっ????????????? んな馬鹿な…いやいやいや、まさか、いやいやいやいやいや…
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