お前みたいな、“バカ女!” 俺しか絶対に幸せにでけへん! 他の男ばっかり見んと俺だけ見とけ!
俺の彼女は、“どうしようもなくバカ女やー!”
俺と言う彼氏が居ながら、“他の男ばかり見とんねん!”
コイツ、一体!? “誰と付き合ってんねん。”
いい加減、俺だけ見とかんかい!
まあ、何度か俺は彼女にそう言ったのだがこの女は俺の話を完全に聞いとらん!
『お前な~いい加減! 俺と居る時ぐらい、他の男見んなや~』
『見てへんやん! ずっとアンタばっかり見てるでぇ~!』
『俺な、“お前に他の男、見てほしくないねん!”』
『ウチやて、見たくて見てる訳やないんよ。』
『はぁ!? お前、チャッカリ見とるやん!』
『見てへんって!』
『見てるてぇ~』
『まあ、“ヤキモチやかんでもええやろ~”』
『ヤキモチ?』
『ウチの事、そんな好きなん?』
『・・・や、ヤキモチなんて妬いてへんって!』
『“まあ、ウチはええ女やしな!”』
『自分で言うな! このバカ女!』
『“好きな女の子に嫌がらせするのって、好きな証拠やって!”』
『・・・・・・』
『図星なん?』
『・・・ず、図星や!』
『顔真っ赤にして、可愛いな~』
『揶揄うのはやめーえ!』
『まあ、ええわ! お腹空いたから、なんか食べに行こうか!』
『それ、ええな~! 行こ行こ!』
なんやかんやゆうても、“俺は彼女の事が好きみたいや。”
俺自身はよう知ってる事やけど、彼女にはバレたくない!
アイツ、俺の気持ち知ったら、絶対に馬鹿にするから。
それになんか、癪に障るというか?
アイツの方が俺の事、もっと好きでいて欲しんやー。
まあ、そんな事言ってもアイツの心には響かんけどな。
*
・・・あれから、3週間後。
俺の彼女は相変わらず、俺と二人で居っても他の男見てるねん!
あんだけ見んなよって言ってるのに、言う事きかん奴やな~
『お前な~ホンマいい加減にしろよ!』
『なによ、ウチが何したって言うん?』
『“また俺と一緒に居る時に、他の男見てるやん!”』
『だって、カッコええし!』
『俺の方がカッコええって!』
『“少し負けてるでぇ~”』
『負けてへん! 負けてへん! 俺の方が上や!』
『そんなに自分に自信があるん?』
『“中の上やろ!”』
『いやいや? “中の下やで。”』
『失礼な奴やな~』
『彼女捕まえて、何言いよるん?』
『“お前、ホンマに俺の事、好きか?”』
『はぁ!?』
『どうやねん!』
『アホちゃうん!』
『アホちゃうわー!』
『アホやろ、そんなん聞くか?』
『いつも聞いても、答えへんやん!』
『そりゃそうやろ!』
『なんで?』
『恥ずかしいやん!』
『たまには言ってほしい言葉ってあんねんで!』
『“好き言う言葉か?”』
『そうや!』
『“じゃあ、好きや。”』
『“じゃあ、は要らんわ!”』
『“ほな、好きや。”』
『“ほな、も要らん。”』
『好きや。』
『俺もや。』
『何? このやり取り?』
『なんか照れるな。』
『・・・そうやな。』
『なんか食べに行こっ!』
『お腹空いたわー!』
『何処行く?』
『串焼きがええんちゃう!』
『二度付け禁止やでぇ~』
『分かってるって!』
『流石、大阪の女やー!』
『もう、ええか?』
『ええよ。』
“喧嘩するほど仲がええ”という言葉があるけど俺と彼女はそれやと思う!
顔を合わせれば何時も喧嘩ばっかりするけど、仲はええし!
何気に、好きなモノとか? 好きな場所とか気が合うというか?
気を遣わんし、言いたい事ははっきり言えるし!
気が強いから、泣いたりせえへんし。
“前の彼女は、なんか会ったら直ぐに泣くから言いたい事も言えんかった。”
やっぱり彼女が俺は好きやわー。
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