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新太平洋大陸  作者: 双理
三章 精霊の王
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精霊の王9

「レベル60!それは本当の事なのですか!」


「ああ……そんな驚くことか?」


 確か公表されている中で、現在の最高レベルが68。

 公表してない本当のトップでも、レベル80までは届かないだろうというのが大方の意見だ。

 それを考えれば俺のレベルは決して低くはないが、オベロン程の存在がここまでの反応を見せる程とは思えなかった。


「いえ、失礼しました。こういった事が、ここが異世界だという証拠なのでしょう。私には、あなたがそれ程の力を持っているとは思えませんから、私の世界とこの世界では、レベルの数値に大きな開きがあるという事なのでしょう」


 それは、確かにあり得る話だと思う。

 違う世界同士が、全く同じシステムだと考える方が不自然だ。


「ですが、確認は必要でしょう。少し付き合っていただけますか?」


「それは構わないが、何する気だ?」


「あなたにモンスターと戦って頂きます。あなたの実力を確認させて頂きたいのです」


 俺としてはかなり嫌な提案だったが、逆にオベロンの実力を知る事が出来るかも知れないと思い、その提案に乗る事にした。




「なあオベロン、あんたは俺のレベルがどれぐらいだと思ったんだ?」


 俺とオベロンは、モンスターを探して精霊の森の中を歩いていた。

 近場ではオベロンが場を支配しているために、モンスターが近づかないらしい。

 無言で歩くのも何なんで、そんな疑問を投げ掛けてみた。


「そですね……私の見立てでは、レベル2にも達していないですね……」


「マジか……」

 

 オベロンの口ぶりから、それが決して高くないのは分かる。

 俺って、そんな気を使われるくらい弱いの?

 それなりに、自信あったんだけどな……


「まだ、分かりませんよ。あなたの能力を実際に観て判断した訳ではありませんし……もしかしたら、レベル3ぐらいはあるかも知れませんよ」


 そんな慰めを言われても、誤差の範囲だとしか思えないんだが……


「私の世界では、レベル20を超える者は存在しないのです」


 気まずい空気を変えようとしたのか、オベロンは自分の世界の事を話し始めた。


「そうなのか?」


「ええ、これは私の世界の創生神話の中で語られている話なのですが、私の世界はレベル20を超えるものを生み出すために作られたと言われています」


 レベル20ねぇ……

 こっちの世界では、探索者として三流ってところだな。

 レベル20が上限っていうのは、俺の感覚では随分低く感じるし、中途半端な数値に思える。


「かつて、まだ神が存在していた時代、世界の存在理由を神に聞いた人間がいました。それに対する答えは、『神に並び得る存在を生み出す為』だったそうです」


 随分と変な話だよな……自分に逆らう可能性のある者を、自分で作るのか?

 何のメリットがあんだよ。


「また、何だってそんな事を?」


「その答えは、正確には伝えられていません。一説では友を欲したとも、その永遠の命を終わらせてくれる者を求めたとも、言われていますが……」


「神様ってのは、随分と精神的に病んでんだな……」


 俺は、わざと茶化すようにそう言ってしまった。

 真面目に神の事を話をしてるのが、段々恥ずかしくなってきたからだ。


「ふふ、そうなのかも知れませんね」


 オベロンの返事は、くだらない質問をする子供をあやすような口調だった。

 自分の照れ隠しの行動が、逆に恥ずかしい物のように感じてしまう。

 オベロンはそんな俺の思いに気付くこと無く、話を続けた。


「その者が、『では、どうすれば神と並び立てるのか?』と更に質問すると、『レベル20の壁を超えた時、神に至る道が開かれ、神の世界へと導かれるだろう』と答えが返ってきたそうです」


「神の世界か……いかにも神話って感じだな」


 こっちの世界で言う天国とかそういった感じだろうか?

 いや、それじゃただ死ねばいいだけか……


「そうですね。私もこの神話の全てを鵜呑みにはしていませんが、事実、レベル20の壁を超えた者は私の世界には存在しません」


「因みに、あんたのレベルは幾つなんだ?」


「17です。最も今はその力の殆どをゲートに注いでいる為、レベル5程度の力しかありませんけどね。この世界ではそれでも十分と思っていましたが……」


 それで俺のレベルを聞いて、驚いたって訳か……

 オベロンとしては、自分より弱いと感じていた俺が、予想より遥かにレベルが高かったという事になる。

 しかも、そのレベルが誰も到達した事がない程高い物だったのだから、確認せずにはいられないだろう。

 だが、実際に戦った訳じゃないが、俺自身もオベロンやイフリートに勝てるとは思っていない。

 それなのに、わざわざ確認する必要があるのだろうか?

 そもそも、オベロンはレベル17で世界に穴を開けている。

 レベル17程度でそんな事ができるなら、この世界ではそれ以上のレベルのやつなんかゴロゴロいるので、今頃この世界は穴だらけになってそうだ。

 今まで話していた通りに、俺の世界とオベロンの世界のレベルには、数値に大きな違いがあるのは間違いないだろう。


「では目的を果たしましょうか。丁度よくモンスターも見つかりましたし」


 オベロンの昔話を聞いているうちに、オベロンの支配している領域を抜け、モンスターの生息地に着いてしまったようだった。

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