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私がアパレルで働く理由  作者: 清和
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返品の恐ろしさ


ある男性のお客様が、

奥様にプレゼントがしたいとご来店くださった。


お客様がご自身でリサーチして、

お誕生日のプレゼントをお求めくださった。


お客様をお見送りした後、正直とても喜んだ。


とても高額な商品が決まったので、

その日の予算を大幅に達成したからだ。


しかしその後、お店の後輩から連絡があった。


そのお客様の奥様からお電話があり、

「自分は欲しくなかったから返品したい」

と言っていると。


返品はお申し出があるだけで、

心が抉られるほど辛い。


それは売上が無くなってしまうこともそうだが、


せっかく時間をかけて選んでいただいた商品が。


お気に召さなかったことが。


自分の責任でもあり。


ショックでならないからだ。


私から奥様に改めてお話しする時に、

これだけは伝えておこうと思った。


その日真摯に

プレゼントを選ばれていた男性の姿を。


とても奥様を思われていて、素敵な方だな。

その時に思った私の気持ちを。



数日後、「やっぱりもらっておきます」と

奥様からご連絡があって返品にはならなかった。


旦那様のことを伝えたからだけではない

かもしれないけれど。


少しでも、

気持ちに届くものがあったのかもしれない。


返品にならなくて、涙が出ていた。


お店の皆も泣いていた。


静かに「良かった」と言いながら。


売上が無くならなかったことに、安心したから。


それだけではない涙が出た。


お客様と日々関わるなかで、

売上を背負う責任感や

色んな感情を抱えて戦っている販売員の気持ちは、



皆一緒だと思う。


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