3.激しい雨
彼視点の物語
周りの音を掻き消して、雨が激しく降っている。
彼女の部屋も激しい雨音に包まれて、いつもなら聞こえる隣家のテレビの音すら漏れ聞こえてこない。今ここで、俺がどんなに激しく彼女を愛したとしても、誰にも聞こえないだろう。
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昨日は眠れなかった。一人で考えても仕方ない事をぐるぐる悩んで、眠れなかった。
俺は結局、明け方に眠気に負けて、やっと眠った。
昼を過ぎた頃、目が覚めた。
目を擦りながら寝ぼけ眼で窓の外を見た。目が覚めきるまで窓の外をボンヤリと眺めるのが癖なだけで、特に変わった景色でもない。
ボンヤリと眺めていた西の空が灰色の雲で覆われ始めた。意識がはっきりし始めて、「雨が降るな」と思うのと、ほとんど同時に「彼女に会わなきゃいけない」と思った。
いや、彼女に会いたい。会いたくて堪らない。一秒でも早く、彼女の顔が見たかった。
財布とスマホ、鍵だけを上着のポケットに突っ込んで家を出た。
彼女の住む古いアパートを目指して歩き始めると、湿気を纏った風が吹いてくる。
「もうすぐだ。」
彼女のアパートの前につくと、傘が要らない程度に雨が降り始めていた。彼女の部屋のドアをノックする。
コンコン。
「居るよね? 俺。・・・良い?」
「開いてるから、入って。今、手離せないの。」
彼女の声に従って玄関に入る。彼女がカチャンと窓を閉める音にあわせて、彼女にはわからないように玄関の鍵を閉めた。
「・・・閉じ込めてしまいたい。俺の腕の中に。」
彼女には聞こえないように、小さくつぶやく。
「わぁ、ひどい雨。洗濯物濡れなくて良かったぁ。」
彼女の声がする。雨足が強くなったらしい。
ほっとした声をあげた彼女が、ようやく玄関に立つ俺に目を止めた。
「あ・・。いらっしゃい。・・・上がって。」
彼女の声が、洗濯物が濡れなかったことを喜ぶのとは対照的な、気まずそうな声に変わる。
昨日、彼女に責められて、大事なことは何も言わずに帰った俺の顔なんか、見たくなかったよな。
「あ、うん。お邪魔、します。」
靴を脱ぎながら、考えなしに、衝動的に彼女に会いたくて来てしまった事を後悔した。家を出るときは、彼女に会わない事を選ぶ方が、後悔しそうだったのに。
「雨、降り始めてたけど、濡れてない? タオル要る?」
「・・・大丈夫。」
後悔に引きずられ、彼女の言葉を理解するのに時間が掛かった。ワンテンポ遅れた返事に、気まずさが増す。
互いに相手の顔が見られない。
ここに来たのは衝動的で、彼女に伝えたいことは心に渦巻くけど、どんな言葉を紡げば彼女に届くのかわからない。
「あっ。コーヒーでも淹れようか。お湯沸かしてくる。」
俺の方を見ない様にして、彼女がキッチンに向かい、水を入れたヤカンを火にかける音がした。
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昨日。
彼女が夕飯を作ってくれると言った。
正確には「うちでご飯作って、一緒に食べよう?」と、誰が作るのかは曖昧なまま、夕飯に誘われた。
一人暮らしの彼女の冷蔵庫の中には、二人分の食材は無くて、二人が食べたいものを選びながら買ってこようって事になった。
スーパーに行って、互いに気になった食材を手に、「あれが良い」「これはどうだ」と話しながら夕飯のメニューを決めていった。
会計を済ませたレジ袋いっぱいの食材を持って、彼女に告げる。
「荷物は俺が持つから、夕飯作ってね。」
一緒に作る、とも、俺が作る、とも言ってはいないけど、予防線を張る。包丁を持てば指を切り、コンロを使えば火傷する、そのくらい俺には料理は向いてない。そして、それは彼女もよく知っている。
これは言わばお約束ってやつだ。
「仕方ないなぁ。代わりに何してくれる?」
「片付けも、俺がする。」
「うん、わかった。私が作るから、片付けは任せた。」
「よし、任された!」
いつものやり取りをしながら、彼女のアパートに戻った。部屋につくと、彼女は早速夕飯の用意を始めた。
「まずは、ご飯を炊くでしょ。サラダは買ってきたのをガラスの器に移せば良いから、冷やしておいて~。」
俺は居間でスマホを見てるふりをしながら、キッチンにいる彼女の様子を見てた。
肉に塩コショウをして、フライパンで焼きながら「付け合わせは、何が良いかな~」なんて、独り言を言うのもしっかり聞いてた。
炊飯器から炊き上がりを知らせる音がしたから、キッチンに顔を出す。
「そろそろ、飯?」
彼女がフライパンから皿に肉を移しながら、俺の方を見る。
「あ、良いところに来た。ここの、置いてあるの持ってって。」
「おう。」
彼女がフライパンをコンロに戻してるのを見ながら、肉が載った皿を居間へと運んだ。
「それじゃなくて、これ持ってって欲しかったんだけど。」
彼女がお箸と小皿を手に、パタパタと居間にやってきて、ローテーブルの上に両方並べてキッチンに戻る。
運べって言うから、持ってきたのに、と、イラッとした。
「さっき、これ持ってけって言ったじゃん。」
たいしたことじゃないのは分かってるのに、俺は少々待ちくたびれてたのもあって、少し強めに言ってしまった。
「ここに置いてあるの、持ってってって言ったよ?」
強く言いすぎてしまった、と思っているのに、彼女の返事に更にイラッとしてしまって、俺は、言わなくて良いことまで言葉にしてしまう。
「え? 肉を置きながら言ったら、これだと思うだろ。君はいつも言葉が少し足んないんだよ。箸と取り皿持ってって、って言えば良かったろ。」
押してはいけない、彼女の感情のスイッチを押してしまったのがわかった。
彼女は持っていた茶碗をガチャンと音を立てて置き、泣きながらキッチンから出てきた。
「いつもそうやって、揚げ足とって! 自分だって言葉足らずなのに!」
「俺のどこが言葉足らずなんだよ。」
思わず怒鳴るように言ってしまった。言葉足らずどころか、俺は要らぬことまで言ってしまったのに。
「いつも言うよね『君は言葉が足りないんだ。』って。」
彼女は涙が零れるのも構わずに言い返してくる。
「じゃあ、あなたは?」
俺? 何が言いたいのかわからなくて、眉間にシワが寄る。彼女から目が離せないまま、彼女が次の言葉を紡ぐのを待つ。
「そんな細かな事は言うくせに、「愛してる」とか、「好きだ」とか。大事な言葉は少しも。言葉が足りないのは、あなたも同じ。」
彼女の中に溜まっていた不満を涙と共に吐き出して、それ以上言うことが無くなったのか、彼女が俺をジッと見つめる。
沈黙が訪れる。
見つめられたまま、考える。
言葉なんか無くても、俺の態度や仕草で彼女にも分かる、そう思ってた。
けど、結果的に、彼女に言葉を尽くしてこなかった、少なくとも、彼女はそう思ってた。ってことか。
彼女が言いたい事は、わかった。つもりだ。
今から言葉を尽くしても、彼女が納得するとは思えなかった。俺自身も、今さら「愛してる」だの、「好きだ」なんて言葉にして伝わると思えなかった。
彼女はじっと見つめたまま、俺が言葉を発するのを待っている。
俺が今言えることは何だ。正解がわからない。
今の俺は、彼女の望む言葉を紡げそうにない。
彼女から目をそらす。
「嫌いなら、今ここに居ないよ…。俺の気持ち、わかってるだろ?」
目が泳いだまま、どうにか言葉を絞り出す。
今の俺は、情けないくらい挙動不審だ。
「何でこっち見ないの? そんなんじゃ、わかんないよ。」
彼女を余計に怒らせてしまった。
どうしようもなく、絶望に襲われたその時、彼女が蓋を閉め忘れた炊飯器が、ビービーと警告音を出した。
「・・・飯、冷めるだろ。」
ぶっきらぼうに言い放って、席を立つ。
キッチンで彼女が準備してくれていた茶碗にご飯をついで、本当は彼女が肉の皿に添えたかった付け合わせを持ってきた。
「サラダは、冷蔵庫、だよな?」
返事はないけど、彼女を見てたから知ってる。
冷蔵庫からサラダとドレッシングを取り出した。けど、彼女がどの器に入れ替えたかったのかまではわからなくて、スーパーで買ってきたままの形でローテーブルに置いて、俺は席に着いた。
俺は、言い合いなんて無かったように、淡々と準備をしたつもりだけど、彼女はまだ涙目で部屋の隅に立ったままだった。
「いただきます。・・・、君も、食えよ。」
俺が声をかけたのが嫌だったのか、不振な目をしたまま彼女も座った。
「いただきます・・・。」
互いに一言も喋らず、気まずい空気のまま食事をする。あっという間に食べてしまった。
今日の肉の焼き具合、良いな、とか、この付け合わせ、最高だな、なんて、彼女を褒めちぎりたかったのに。なにも言えなかった。
「ごちそうさま。食器、俺が下げるから。」
食事の後、二人分の食器を洗った。約束だったから。
そのくらいの誠実さは彼女に伝えたかった。
言葉足らずな俺なりの、誠意だ。
「食器、洗い終わってるから。」
帰ろうと、彼女に声をかけたけど、虚ろな目で座ったまま返事もしてくれない。
いつもなら俺が帰っていくのを、名残惜しそうに玄関前で見送ってくれる彼女が、座ったまま動かなかった。
******************
家に帰って、一人考えた。
彼女の事が大事だ。世の中の何をおいても、一番だ。
その気持ちに嘘はない。
「愛してる」も「大好き」も、彼女は何度も言ってくれた。俺はそれが嬉しくて、「俺も」と言って、いつも彼女をギュッと抱き締めてた。
俺も「大好きだよ」、俺も「愛してる」・・・。
そうか、最後まで言葉にしてなかったんだ。
やっと気がついた。
でも、「愛してる」も「大好き」も、俺が言っていい言葉なのか? 但しイケメンに限る、じゃないのか?
彼女はこんな俺から、「愛してる」とか言われて、キモくないのか?
くだらないのは百も承知で、同じことをグルグル考える。
眠れない。
気分を変えようと、風呂に入ったら、余計に目がさえた。
「愛してる」でも「大好き」でもなく、俺の中で一番大事で、何にも代えがたい彼女への気持ちを、彼女にどう伝えれば良いんだろ。
本当は、彼女に会う度、愛おしくて堪らなくて、ずっと抱き締めて離したくなくて。彼女の全てにキスをしたくて仕方ないのに。俺の腕の中に閉じ込めてしまいたいのに。
彼女にそんな本性を知られて、重すぎるって嫌われるのが怖い。
好きも、愛してるも足りない。彼女の顔を見られないとおかしくなるくらい、彼女なしではいられない。それが俺なのに。
纏まらない考えがグルグルしたまま、夜が明けた。
俺は眠気に負けて、せめて夢の中で彼女に会えるようにと願って、眠りについた。
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彼女にどう言えば良いのか、まだ答えが見つからない。
彼女は戸惑いながらも「コーヒーでも淹れようか。」なんて、俺を優しく迎え入れてくれた。
いつものように居間に通してくれたから、俺もいつものようにローテーブルの前の定位置に座った。
ただ、いつもならお湯が沸くまで俺の隣に座って、ニコニコと他愛もない話をしてくれる彼女が、キッチンから出てこない。
居間の窓を激しく雨が叩く。あまりの激しさに、サッシの隙間から雨が入り込まないか気になって、窓のそばに立った。
窓はしっかりと役目を果たしてる。
雨は部屋に降り込まない。
俺よりもしっかりと彼女を守ってる。
まだ彼女にかける言葉が見つからないのに、雨の音だけはどんどん強くなっていく。
沈黙は続く。雨も降り続く。
彼女はキッチンから出てこない。
コンロに火をつけた音がしてから、彼女の気配もため息さえも聞こえない。
俺が激しく雨があたる窓のそばに立っているから、何も聞こえないだけなのかもしれない。
それなら、それで良い。
彼女の戸惑った声も、俺に呆れて涙する様も、雨が隠してくれるなら。
今はまだ、彼女に向かい合うのが怖い。
昨日の事で、彼女は俺を嫌いになって、もう付き合いきれないと思ってるんじゃないか。
彼女のためには、本当はここに居ちゃいけないんじゃないのか。
彼女を大事に思ってるのに、抱き締めたくて仕方ないのに、嫌な想像だけがどんどん膨らむ。
叩きつける雨音が、本当は窓じゃなく俺を叩きつけてるんじゃないかと思うほど、バシバシと強い音に包まれる。
彼女の様子はわからない。何を思ってキッチンに居るのか。
不意に、激しい雨音に交じって彼女の声がした。
「お湯、沸いたけど。コーヒーで良い?」
キッチンの作業台にマグカップを出し、コーヒーをいれてる彼女の気配がした。いつも通りに過ごそうと、少し無理をして、いつものようにコーヒーをいれてる彼女の様子が見えるようだった。
「あぁ、うん。」
曖昧な返事をしてしまう。彼女がせっかくいつも通り振る舞おうとしてくれたのに。不甲斐ないな、俺は。
雨は激しさを増し、窓ガラスに叩きつける音が静かな部屋に響く。普段通りに振る舞うことも出来ない自分の情けなさに窓の外を見たまま、動けない。
いつもはコーヒーを笑顔で手渡してくれる彼女も、さすがに俺に呆れたのか、無言でローテーブルにマグカップをコツンと音を立てて置いた。
「・・・ありがとう。」
情けなさに負けないように、振り絞って声を出した。
本当はもう、ほとんど泣いていた。
恥ずかしくて、情けなくて彼女の顔を見られない。
昨日ぶつけてくれた彼女の気持ちに応えなきゃ、と、思うのに。彼女を前にしてもまだ、何を言えば良いのかわからない。
情けないけど、何かきっかけがなければ、彼女の方を向くことも出来そうになかった。
降り続く雨が、答えをくれないかと、窓の外を眺め続けるしかなかった。
雨は降り続く。沈黙も続く。
窓ガラスに叩きつける雨に救いを求める俺の側に、彼女が少し離れて立った。
コーヒーを飲む、彼女の喉のごくりと鳴る音がした。
ああ、彼女が側にいる。会いたくて堪らなかった彼女が。
「ふぅっ。」
彼女のホッとしたような甘いため息に誘われて、やっと彼女の方を向けた。
両手でマグカップを包み込むように持って、少し不安げにこっちを見てる彼女がいた。
ダメだ、もう。愛おしくて愛おしくて堪らない。
泣きたいくらい、彼女を抱き締めたくなった。
このまま抱き締めたら、湯気の立つコーヒーで彼女をやけどさせてしまう。
怖がらせないようにそっと近づいて、彼女の両手に手を添えて、熱々のマグカップを彼女の手から取って、ローテーブルにそっと置いた。
いきなりマグカップを奪われて困った様に彼女が口を開く。
「どう、したの? 飲・・」
彼女の肩を掴み、キスをして彼女の口を塞ぐ。
彼女の声を聞くのは、今は辛い。黙って俺を受け入れて。熱く激しく彼女の唇を求めた。
「・・・はぁ・・あぁ・・・はぁ」
遠くで雷が鳴り、稲光りに彼女の顔が照らされる。目を見開いて、恐怖に顔が強張ってる。
俺の手を振りほどこうと、彼女が身をよじる。
逃げられてしまう。
イヤだ。逃げないで。
手を振り払った彼女を、素早く抱き寄せる。
逃がさない。嫌われてしまったかもしれない。でも、彼女なしではいられない。
強く抱き締める。何処にも行かないように。
窓の外に二度目の稲光りがはしる。でも、雷鳴は聞こえない。周りの音を掻き消してしまう程の、どしゃ降りになっていた。
「イヤ! 離して。」
どれだけ振りほどこうと暴れられても、離すもんか。
「はぁ・・・はぁ・・・」
俺は抱き締めた腕の力を緩める事なく、何度も、何度も彼女の頬に、耳に、首筋に、唇にキスをする。
「いやぁ。キスで誤魔化さずに、何か言って!」
貪るように口づけて、彼女を抱き締めて離さなかった。言葉にするよりも前に、愛おしさから抱き締めたくて堪らなかった。誤魔化してるつもりなんかなかった。
口づけするのを止めて、一瞬彼女に向かい合い、目をあわせた。
ああ、また不安な顔をさせてしまった。
ギュッと抱き締めなおして、彼女の肩に顎をのせた。
泣きそうになってたから、彼女に顔を見られたくなかった。
「ごめん。君を大事に思う気持ちは、嘘じゃないんだ。」
彼女の背中に目を落とす。俺よりも小さく細い背中。優しく扱わなきゃいけなかったのに、きつく抱き締めてた。力を緩めて、指先でそっとその背中を撫でた。
「でも、この気持ちを言葉にしたら、なんだか違うんだ。好き、よりも、大好きよりも、俺の気持ちはもっと、もっと。」
言葉に、抱き締めた腕に、力が入る。やっぱり我慢できない。
彼女の唇を貪るように求めて、息ができないくらい抱き締めて。
「君が愛おしくて堪らない。でも、言葉にすればするだけ、俺の気持ちが嘘みたいに、軽く響く。」
彼女の心にうまく伝わらない悔しさを告げる。
「そんな軽い気持ちじゃないんだ。愛してるも、好きも、そんなんじゃ足りない。」
いつも照れて目をそらしてしまうけど、伝えきれない気持ちの代わりに彼女の目をじっと見つめる。
「君を想う俺の気持ちを現す言葉が無いんだ。愛してるとか、好きとか、そんな借り物の言葉じゃ伝えきれない・・・」
言葉だけじゃ足りない。
またキスをする。
彼女が顔を離して、俺を見据えた。
「私だけが一方的に好きで、あなたは何とも思ってないから、誤魔化してるんじゃないかって、不安だった。」
「・・・ごめん、不安にさせて。」
謝りながら彼女の頭を撫で、おでこにチュッとキスをした。
彼女が俺の胸に顔を埋めて、言葉を続ける。
「怖かった。あなたが何を考えてるのかわからなかったから、言葉が欲しかった。」
そっと彼女の頬に手を添えて、目が合うように顔をあげさせた。今までじっと見つめてきた彼女が、照れたように目を泳がせる。
「君への想いが重すぎて、嫌がられないように、表に出さなかったから。・・・言葉足らずは、認める。」
目をそらさずに言い切って、唇にキスをしながら、強く抱き締めた。
「・・・はぁ、はぁ。・・・もう隠さない。」
外は雨。周りの音を掻き消して、雨が激しく降っている。
彼女の部屋も激しい雨音に包まれて、いつもなら聞こえる隣家のテレビの音すら漏れ聞こえてこない。
彼女を抱き寄せ、何度も口づけをしながらベッドまで連れていく。
今ここで、俺がどんなに激しく彼女を愛したとしても、誰にも聞こえないだろう。
雨音に包まれて、彼女を腕に抱き締めて。
R15にしてるけど、大丈夫かな?と思いながら書きあげました。
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