1度だしたタバコ、箱に戻せない。
なんでだろうタバコを吸った後の甘いカフェオレはサウナの後の水風呂みたいに美味しい。私はタバコを吸う時、絶対カフェオレを飲むが、もうカフェオレが飲みたいのかタバコが吸いたいのかよく分からない。
「はぁ。」
私は用事があって連絡した元彼との電話を切って、ため息をつく。
幼なじみで、今も世話になっていることはそうなのだが、なんだか私が変わってしまった。彼は今も真面目で純真で普通だ。
私はベッド横のローテーブルに置いてあったセブンスターに手を伸ばし、口にくわえて火をつける。
「夏穏、お風呂ありがと。」
「はーい。」
最近友達になった同じ大学の人文学部の女の子が風呂場から出てくる。まあ、うちに湯船はないけど。
「彼氏?」
「聞いてたの?」
「聞こえただけ。」
彼女は全裸のまま自分のカバンからクリスタルカイザーを取り出して水を口に含む。
「そ、麦茶、冷蔵庫に入ってるよ。」
「ん、まあ大丈夫。」
私はセブンスターの灰を車用灰皿に落とす。
彼女は私の隣にペットボトルを持ったまま座る。まだ服は着ていない。
「ねぇ、一口。」
そう言って私からセブンスターを取り上げる。
「まっず。」
彼女は一口ふかしたあと、そう呟く。
「まずいなら返してよ。私のセブンスター。」
私がそう文句を言うと、彼女はニコッと笑って唇を重ねてくる。マウストゥーマウス。
私は舌を入れて仕返しをする。
「えっち。」
「は、どっちが。」
私は彼女の言葉に即答で反論すし、新しいセブンスターに火をつける。
「吸いすぎじゃない?」
彼女は私から奪ったセブンスターを灰皿で火を消してそういう。
「かっこいいでしょ。」
「タバコを吸ってるのはかっこいいけど、セッタはなー。」
彼女はそんなことを言いつつ、私のおっぱいに手を伸ばしてくる。
「ねぇ、さっきの彼氏?」
「ちがう。」
次は私の股間に手を伸ばす。
「妬いちゃうなー。」
そんなことを耳元で囁くので私は少し腹が立って手を払う。
「ちぇ、2回戦はなし?」
彼女私の胸と股間か手をどかし、床に寝そべる。
「ねぇ、夏穏はさ、私らみたいなのと違って真面目じゃん。なんでこんなお友達ばっかりつくるの?」
「・・・・・・うるさい。いいでしょ。」
私は二本目のセブンスターの火を消し、ボスのカフェオレをすする。それから三本目に火をつける。
「もっと大事にした方がいいよ。その彼氏。」
「彼氏じゃない!」
私は彼女の言葉に苛立って声を荒らげる。
「そ、ならいいけど、私、帰るね。」
「え、いや、ちょっと泊まってくって言ってたじゃん。」
私は立ち上がろうと上体を起こした彼女に抱きつく。
「そういう所、良くないよ。自分で立ちな。」
彼女はそう言ってさっさと服を着て部屋を出ていった。
私はしばらく部屋の隅でうずくまっていた。
また、あいつの声が聞きたくなった。
読んでいただきありがとうございます。
同じシリーズでこのキャラも出てきます。
それも読んでいただけると幸いです。
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