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異聞録:東京異譚  作者: 背負う地区顎と
魔の章

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其の五

不忍池で喪に服す女性―

そこへ襲い掛かる黒尽くめの男の真意は―…?



―10月20日(水)深夜―


―台東区上野、上野恩賜公園内、不忍池蓮池テラス―

挿絵(By みてみん)



砕いたアスファルトはパキパキと音を立てて凍り始める。


黒い男「チ…意外と素早いな…魔女のクセに 運動が出来るとか…聞いてねーぞ?」


言いながら右手で軽々と大剣を持ち上げ、肩に担ぐ。


女「貴様が息子を…!」


怨みがましく、殺意を向けた相手に怨嗟の言葉を紡いだ。


黒い男「息子じゃねーだろ」


サラリと返す。


黒い男「この上野公園の浮浪者に取り憑いたグレンデルってだけで…お前の息子じゃあねーだろ」


女「煩いっ! あれは私の息子よ! この時代でも! オマエの様な輩に…! ベオウルフ!」


言葉を言い終えると同時に、女の顔面へ激しい衝撃音と共に弾丸がめり込む。


女「!がっ…」


予期せぬ衝撃を顔面に食らい、声が漏れる。


そこには、肩に大剣を担ぎつつも左手で銃を構え対峙する男の姿があった。


黒い男「ピーピーうるせぇよ あと、オレはベーオウルフじゃねぇ…道具は使わせてもらってるが」


言葉が終わると左手の銃を女へと数発放つ。


女「なっ…!?」


放たれた言葉への驚きと、銃撃を避け、再び空高く跳躍したのは同時だった。


更に続けて追う様に銃撃を続ける。


黒い男「ホラホラ…避けねーと当たるぜー」


女「くっ…!」


都度当たりそうになると、魔力で生成した朱く輝く六芒星が現れ、それを足場に避けていた。


黒い男「…珍しいウィッチクラフト(魔術)だな 視た事がねえ」


軽い言葉と裏腹に銃撃は止まない。


黒い男「やっぱ魔女は魔術の用意が出来なきゃこんなモンかねー?」


女は(すべから)くギリギリで弾を避け続け、漸く地面に着地する。


黒い男「安心出来ると思った?」


その声と共に、背後に現れた黒尽くめの男は、背中の大剣を大きく斜めに女へと振り下ろした。


大きい衝撃と共に、その女は、身体を斜め真っ二つに切断される。


黒い男「…よっと」


そのまま反動で下から刃を持ち上げると、首を横一薙で切断した。


そしてその首を落ちる前に左手で掴む。


身体は斬った部分から急速に凍り付き、地面へ落ちると同時にバラバラに砕け散った。


黒い男「―さて、沼の魔女さんよ…オマエ等親子…ここら辺のホームレスを片っ端から殺しまくったな? 通る人間でさえ手に掛けて…オマエの罪を贖え…」


そういうと、女の首の口元が動いた。


女「く…ク…汝…に…災い…あらん…こと…を…サタンの…名…に…おい…て」


黒い男「あ?」


女「い…ま…おま…え…の未…来を…視…た…お…まえ…は…近…い…将ら…い…すべ…てを…失…う…」


途切れ途切れながらも、嘲笑うかの様に告げてくる。


黒い男「…こんな状態でも生きられるとか…魔女とかスゲーな…もう人間じゃねぇ」


女「おまえ…の苦し…む…姿…を…あ…の世…で…楽…しん…でいる…ぞ…」


黒い男「解った あの世で苦しめ」


その冷たい一言と共に、丁度凍り付いた頭部を粉々に砕いた。

半月後―新宿

新宿アルタビジョンから流れるニュースを耳にする―

その内容は…

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