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異聞録:東京異譚  作者: 背負う地区顎と
魔の章

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93/230

其の二

拳を顔面に叩き込まれた大男は警戒する―

視線の先には…

―9月24日(金)深夜―


―台東区上野、上野恩賜公園内、不忍池桜並木通り―

挿絵(By みてみん)



その余りの衝撃に、大男は吹き飛びながらも体勢を立て直し、衝撃を与えてきた方向に眼を向ける。


そこには、全身黒尽くめのコートと背中に何かを背負(しよ)った男が立っていた。


黒い男「グレンデルか…本当にブサイクなんだな」


興味無さげに視線を向けると、そう呟いた。


女「?!?…?」


へたり込んだ女は状況が飲み込めず、パニックになっている。


グレンデルと呼ばれた大男の方は、突然の(ちん)入者に警戒を露わにする。


しかし、その状況を一切気にせず続ける。


黒い男「まァ…スグ、トドメを刺してやるよ」


臆せずグレンデルへと歩みを進める。


突然現れたこの男は何者なのか―


グレンデルはそんな事を考えていた。


―人間よりも遙かに強力な自分へと臆せず向かってくるこの男は何か―以前も何処かで―…


そんな事を考えていると、相対する男はその表情を視て心境を読んだのか、語り出す―


黒い男「お? 警戒してるな? ―そうだよ…コッチにゃあ切り札が在る…コイツ―オマエの腕を引き千切った男―…」


言いながら両手を眼前に構えると、腕に付けられている銀色の簡素な篭手が露わになる。


光を放つ、その篭手を眼にした途端、グレンデルはビクリと後退りをした。


黒い男「ベーオウルフの篭手だ…!」


そう発すると同時に眼にも止まらぬ速さでグレンデルへと跳躍すると、銀色の足甲を装着した右足の爪先で、左頬を蹴り抜く。


そして、続け様に左後ろ回し蹴りを後頭部へと食らわす。


黒い男「せぇー…のっ!」


空中で体勢を変えつつ、背負っていた()()()()大剣を抜くと、体勢を崩したグレンデルの右頭部辺りから、思い切り振り下ろす。


激しい衝撃と共に地面に大剣が叩き付けられ、グレンデルが真っ二つになる。


しかし、そのまま続けて手首を返し、横薙ぎの形で首を斬り落とした。


二枚に卸された頭部が、時間差でへたり込んでいる女の目前に落ちる。


女「!?ひッ…!!」


べしゃりと嫌な音と共に撒き散らされた頭部だったモノに怯え、固まっている。


そんな事は意に介さず、大剣を背中に収め、篭手を外すと、大剣は鞘に収まった日本刀へと変化した。


男は歩きながら取り出した携帯を弄りだし、夜の闇へと消えていく。


残された女は、放心状態でその眼の前に転がる()()()()()()()()から眼が離せず、奥歯をガタガタ震わせながら、座り込んでいた。


上野から帰還すると、ソファーへと倒れ込む―

そこで黒い男の考える事とは…

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