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異聞録:東京異譚  作者: 背負う地区顎と
魔の章

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92/230

其の一

あの事件から1ヶ月経ち、再び怪異が活発化していた―

ここ雨降りしきる上野で…

―2004年9月24日(金)深夜―


―台東区上野、上野恩賜公園内、不忍池桜並木通り―

挿絵(By みてみん)



その日は雨で、台風が近付いている事もあってか、蒸し暑かった。


軽く霧も出ている中で、深夜に公園を出歩こうという輩は全くいない。


蓮の葉の上に雨がぱたぱたと落ちる音がする以外、都会の喧噪は薄い。


しかもこの霧で、視界も悪い。


一種の隔離された別世界の様に感じる。


勿論、そんな中に紛れ込んでしまう人間もいる。


女「あー…ヤッバイ…近道なんてするんじゃなかったー…」


傘を差し、茶髪にキャミソール、デニムのラフな格好で、CECIL McBEEのカートを引いている。


急いでいるのか、ヒールの音が誰もいない不忍池にカツカツと響いている。


女「マージ最悪…こういう時に限って送迎順番かかるとか…明日大学だっつの」


ぶちぶち文句を垂れ流しつつ歩みを進めるが、突如として蓮池の中から、黒い醜悪な見た目をした長髪毛むくじゃらの3mはありそうな巨漢が飛び出してきた。


女「?!!え!?」


目前に現れた醜悪な巨人に驚き、尻餅を着いて後退る。


手放した傘が、ボサッという音と共に地面に落ちる。


女「あ… あ…!」


訳も解らず恐れ(おのの)き、後退(あとずさ)る。


人では有り得ないほどの生え方をした牙と鋭利な爪。


その両方で女に襲い掛かる。


が、その左横っ面に、突如として拳がめり込んだ。

吹き飛んだ大男の前に対峙するは―

黒尽くめの背中に何かを背負った男…

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