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異聞録:東京異譚  作者: 背負う地区顎と
人の章

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77/230

後編 其の六

数日後―

骨董屋DPPにて、遂にその時が訪れる―



―8月7日(土) 夜―


―骨董屋DPP地下―

挿絵(By みてみん)



エージェントA『準備は整った プルス・アウルトラ本部へ向かい、ドミニク・サンティスを拿捕してくれ』


ハンズフリーの携帯電話からは、冷静な声でそう告げられる。


黒い男「…了解…!」


その声は静かながらも喜びを含んだ音だった。


ゆっくりと座っていた椅子から起き上がる。


黒い男「…必ず生かしてってワケにはいかないかも知れませんよ? …あのプライドの塊みたいな男ですから、どんなコスい罠や沽券を護る行動を取るか解らない…それでも良いんですか?」


エージェントA『必ず生きて捕まえるんだ バチカン本国へ護送する必要が在る その上で裁かれるからだ』


黒い「ッ…そうですか」


クリフ「…!」


下を向き、舌打ちをしたその姿を、クリフは見逃さなかった。


エージェントA『…しかし、ヤツのプライドの高さは確かに…その可能性は在る…』


黒い男「どういう事スか?」


エージェントA『ヤツは拿捕される"惨めな生"よりも、"英雄的な死"を望む事は十二分に有り得る』


黒い男「…つまり?」


エージェントA『ヤツにどんな罠が在ろうが、生かして捕まえろという事だ』


黒い男「…了解」


その言葉を発した時、口元が大きく歪んだ。


エージェントA『では、頼んだ 協会本部は今、現在閉鎖的状況下にあり、外部との接触を断っている 治外法権という理由で報告はされていても詳細は解らない状態だ 恐らく虚偽の報告を日本政府に行っている それも私的な理由でだ

数々のそういった逸脱した違反行為を含め、我々はそれを利用し、明日8月8日深夜をもって、プルス・アウルトラを超法規的組織としての任を解き、権威を剥奪、解体すると決定した それはバチカンからの正式な認可も得て、だ S氏の口添えもあり、これは公式のものに為る』


黒い男「…」


エージェントA『作戦としては、明日深夜、永田町外務省地下にある協会本部の電源を一斉に落とし、セキュリティが落ちたその合間に、憲政記念公園日本水準原点標庫にある非常口から本部へと侵入し、ドミニクを拿捕 予備電源が働くだろうが、その前に速やかに侵入し、依頼を完了させてくれ』


黒い男「わかりました」


エージェントA『頼んだ』


そう短く告げると、電話は切れた。


クリフ「…あの、」


怖ず怖ずと問う。


黒い男「…なんだ?」


クリフ「…これって…僕等がやることなんですか…?」


その言葉にクリフへと視線を遣る。


黒い男「…どういうイミだ?」


刺す様な言葉が返ってくる。


とても排他的な。


クリフ「必要な事だとはわかっています …けど、その…」


そこで言葉を呑んだ。


黒い男「言え」


クリフ「局長さんを…あなたが捕まえる? …んですか? それは…もう…"魔"とは戦っていませんよ…?」


黒い男「ヤツは"悪"だ! 私物化した組織で人を護らず、たった一人の人間! オレを追っている! 十分"魔"だ!」


その言葉に捲し立てる様に怒鳴る。


クリフ「でもそれは…"人"との争いです…最近は協会の人とも対峙したりして…僕の…()()()使()()()()()()()()()よ」


黒い男「…ならお前は独りで此処にいるんだな」


冷たく言い放つ。


クリフ「…」


それっきり、クリフは俯いてしまった。


離れて行く足音と空調の音だけが、部屋には響いていた。

24時間後―

北の丸公園にて、任務に着いている者が居た―

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