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異聞録:東京異譚  作者: 背負う地区顎と
人の章

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64/230

中編 其の三十 ―クリストファー・ドナヒュー―

クリストファーは膝を付いた―

信仰と共に―

三十



―4月27日(火)夜1時―


―あきる野市 秋川渓谷 嘉手名別邸地下一階 食肉加工室異界―

挿絵(By みてみん)



目前で行われる"行為"は、十五歳のクリストファーの知識を超えた経験となって、本人を打ちのめした。


()()()()()()


だが、()()()()()()


()()()()の差…勿論人によってはそれが大丈夫な…受け入れられる人間もいるのだろう。


だが、クリストファーには無理だった。


天才と呼ばれようとも、十五歳の少年、ヘイデン・クリストファー・ドナヒューには、この経験は重過ぎたのだ。


()()は痛みを伴わない。


()()は痛みを伴う。


クリストファーは、目前で行われるその()()に膝を着いた。


身近な人間(同級生佐久間美穂)を失うという―


極、当然な―


戦うという所業を行う以上、無くす事の出来ない業を―


今、知ってしまったのだ。


十五歳のクリストファーは思考する―


―何故、こうなったのか―?


―彼女を救えなかったから―


―どうして、救えなかったのか―?


―気付けなかったから―


―では、気付けたか―?


―気付けない―そもそも自分が気付ける範疇では無かった―


―だって、理事長が罪人(とがびと)だなんて―予想出来る筈が無い…!


そこで結論が出ていた。


そもそもクリストファーの中には、疑念が足りないのだということを、本人が気付いていない…


それは、クリストファーにとっては、有り得ない行いだったから。


()()()()という事は、()()()()()()という事。


()()()()()()という事は、()()にも関わる。


()()()()()()()()()()()()()()()()()


そして、神の子である人間は()()()()()()()()()()()()と―


―人を信じろと。


皆から教えられ、優しい自分の周りの人達からも言われ―


そして、それを本人も正しいと感じていた―


―だが、()()()()()()


()()()()と知ってしまった。


その仕組みに、クリストファーの立ち向かうべき信念―善悪の価値観は砕かれたのだ。

砕かれた信仰―

折られた信念―

十五歳の聖職者は―…

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