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異聞録:東京異譚  作者: 背負う地区顎と
空 編

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208/229

空 第一話 2018年 6月

6月1日―

黒い男が依頼内容を纏める中、来訪者が―…

五十一



―6月1日(金)午後4時―


―都内某所―



それは突然の連絡だった。


白の男『今時間在るか―?』


そう携帯に電話が来たのは、数分前だった。


白の男『今から行くからよ』


話が在る―との事だった。


明日の朝一で帰郷する前にどうしても、との事だった。


途轍もなく珍しい、言い辛そうな、申し訳なさそうなトーンで。


上のドアが開く音がして、階段を下りる音がする。


白の男「おう…済まねえな…」


いつもと違うトーンでそう言って、部屋に入る。


黒い男「イエ…どうぞ 座って下さい」


そう言って、椅子に座るのをたもす。


白の男「悪ぃな」


そう言って椅子に座り込む。


白の男「あ(イテ)っ」


そう言って、手摺(てすり)から一瞬手を離す。


黒い男「?どしたンスか…?」


イヤ…なんでもない 多分歪んでるトコに引っかけたんだろ」


そう言いながら手を振るう。


黒い男「え…バンドエイドいります?」


そう言って救急箱の入る棚に向かう。


白の男「あ、ィヤ…いい…」


黒い男「…そスか?」


そう言われ、椅子に戻り、腰掛ける。


黒い男「…で、どしたンスか? 急に」


そう言いながら自分も椅子にゆっくり座る。


二人とも普段着で、昨日とは違う雰囲気を出していた。


だが、その大半は、白の男(この人)のせいだった…


白の男「…謝ろうと思ってよ」


意を決した様に話し出すそのトーンは、今まで聞いた事が無かったものだった。


黒い男「…そうですか」


白の男「おう… お前の面子(メンツ)を潰す様な事しちまったと思ってよ」


黒い男「…そうですね」


淡々と答える。


白の男「…済まなかった」


そう、真っ直ぐと眼を見ながら言う。


黒い男「…一つ良いスか?」


白の男「…なんだ?」


その突然の質問に、面食らった様に答える。


黒い男「なんで…あんな、独断専行なんて、勝手な事したンスか?」


今までとは違う、ハッキリとした、刺す様な質問。


白の男「…それは―…抑えられなくなっちまってよ…眼の前に、斃せば目的が叶うってヤツがいたら…さ」


しどろもどろしながら恥ずかしそうにそう答えた。


白の男「…悪かったな」


黒い男「そうですか…解りました」


そう言いつつ立ち上がる。


黒い男「すいませんけど、この後に昨日の事を協会に報告しなきゃならないんで」


そう言って出口に導く。


白の男「そうか…悪かったな 邪魔しちまって」


言いながら立ち上がり、出口へ向かう。


黒い男「…また後で連絡します 明日には帰りますよね?」


白の男「あ…おう…済まなかったな」


そう言って、部屋を出て行った。






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