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異聞録:東京異譚  作者: 背負う地区顎と
即 編

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179/232

即 第十二話

青い男は語りかける…

高層マンション屋上…柵の先にいる少女に―

十九



―4月22日(日)早朝 夜明け目前―


―渋谷区 マンション屋上―



夜明け目前だった。


その(まさ)に太陽が明けようとしている直前、屋上の鉄柵を越えて、(へり)にその少女は立っていた。


少女「あんな…バケモノの子供なんて産みたくないの…!」


青い男「わかる…だから戻ってきなって…! 手術でどうにか…」


少女「もうイタイのも怖いのもイヤ! だから…」


そのニュアンスで解った。


青い男「やめろっ! なんとかするから…!」


飛び降りようとしているのが。


少女「ムリだよ…堪えられない… こんな風になりたくて芸能界入ったんじゃない…」


青い男「解る…! だから…病院に行って手術しよう…! 助かるから…!」


少女「…ムリ」


その発言を一通り聞き、顔を一瞥(いちべつ)した。


それで()()()のだ。


()だと。


青い男「そんな…! ダメだ…!」


少女「…ウソでしょ?」


一蹴する。


涙を流しながら、そう言う。


青い男「そっ…!」


その通りだった。


それよりも、()()()()()()()()()()()()()()()()()


少女「バイバイ」


自分を()()()()()()人間は()()()という絶望を知った少女は、大粒の涙を流しながら、身を投げた。


青い男「まっ…!」


走っても到底間に合う距離ではなかった。


だが走る。


鉄柵から下を覗くと、下には血溜まりが出来始め、通勤前の人が数人集まり始めていた。


青い男「くっ…!」


後悔が自分を襲う。


何故救う方を優先しなかったのか。


だがもう遅い。


後悔は後でしても仕方が無いのだ―


そう、()()に教えて貰った事なのに、忘れてしまっていた。


何故か。


青い男「なんなんだよぉぉーーーーっ!!」


その後悔の念を、自分に問う様に、声を上げた。


丁度顔を出した日の出の心地良い光が、自分を照らしていた。




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