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その後道を見つけて、道なりのまま歩く。途中見つけた冒険者のパーティについていくと見慣れない街に着いた。

また城壁があり長蛇の列ができている。うんざりしながら並ぶ。二時間並んだ後冒険者カードを見せるとすんなり入れた。門を通ると、広い大通りがありその脇には出店がズラッと並んでいる、そして人も溢れかえっていて活気が凄まじい。

冒険者ギルドはどこだ。とりあえず歩くか。

出店のおっちゃんと目があった。

「おい、そこのにいちゃん、鶏肉くわねぇーか。安くしとくぜ!」

おっさんがにかっと笑いながら鶏肉の刺さった棒を差し出す。

俺は頷き金を払いおっさんに尋ねる。

「ゴブリン以外の魔物狩れるとこありますか。」

おっさんは笑いながら言った。

「あんたおもしれーこと言うな!ここはダンジョンの街だぜ!ダンジョンに入れば何でもいるぜ!」

「そうなんですか。ダンジョンってなんですか。」

「おめえ本当におもしれ奴だな!この街に初めて来たんだろ!鶏肉もう一個買ってくれたらよ、優しい俺がこの街について教えてやるよ!」

俺は頷き鶏肉を買う。

「毎度!この街はレベッカっていう街だ!街の真ん中に冒険者ギルドとレベッカ迷宮がある。迷宮ってのはモンスターが湧くとこだ!街の北には偉い人たちが住んでる、東は一般人が住んでて、南が今いるここで店がいっぱいあるそして西は墓場とかスラムとかあるヤベェとこだ近づくなよ!」

おっさんがドヤ顔でキメてくる。こいつ斬りたいな。ドヤ顔が歪むとこみたい。いや、ここで切ったら殺される。落ち着こう。

一礼して立ち去る。鶏肉をしゃぶりながら歩くと街の中心が見えて来た。でかい広場で冒険者で溢れかえっている。広場の真ん中には大きな口を開けた洞窟がありその隣にはでかい冒険者ギルドがある。

ああ、うずうずしてたんだ。早く迷宮に入ろう。

入ろうとしたところ兵士に止められる。

「ソロか。やめとけ、せめて三人で行け。」

俺は首を振る。

「たっく、しらねぇーぞ。まぁいい、冒険者カードだせ。」

カードを差し出す。

「はあ?Gランク!?だめだ、だめだ。自殺行為だぞ!そこらへんでパーティ組んでこい!」

有無を言わせない様子だったので諦める。広場を歩きまわっていると新人っぽい四人パーティに呼び止められる。

「ねぇ!君パーティ待ちだろ!俺らのパーティに入らない?」

俺は頷く。

「やった!ありがとう!前衛がもう一人欲しかったんだ!俺カイって言うんだよろしく!」赤髪の剣士が手を差し出してきたので握手する。

剣士、魔術師、僧侶、盗賊かバランスがいいな。

「ねぇ、ちょっと待ってよ!カイ!こんなヒョロイ奴連れてくの?私やだよ!」

女盗賊が叫ぶ。

「ルナ!失礼だぞ!人は見た目じゃない!」

カイくんそれはもっと失礼だ。

「カイ、それは彼に失礼。」

ちっこい女魔術師が突っ込んでくれた。

「ああ、そうだな。ごめんなさい!ええっと…」

カイくんがこちらを見てくる。もうなんなんだ。もう溢れそうなんだよ。早く迷宮に入りたい。早く斬りたい。早く早く、

「私はセイナと申します。あなたのお名前を教えていただきたいです。」

女僧侶が言ってきた。

「ライルと申します。よろしくお願いします。」

そう言って一礼する。


「ライル!改めてよろしく!俺はカイだ!」

カイが眩しい笑顔で手を差し出してくる。

カイくんもういいだろ。もうさっきそれやった。

俺は早く斬りたいんだ。

震える手で握手をし返す。

「じゃあ行くか!」カイくんが迷宮へと歩く。

「ふん、足手まといにならないでよね。」女盗賊が毒づく。

ああ、長かった。やっと切れる。

次は無事通してもらえた。

迷宮に入ると、そこはだだっ広い洞窟の中だった。土の壁では苔が光っている。

洞窟の中はちょっと涼しい。

「なぁ!ライルこの迷宮何回目?」

洞窟の中を歩きながらカイくんが話しかけてくる。

「初めて。」

「本当?じゃあ!この迷宮について教えるよ!レベッカ迷宮は百層以上の大迷宮なんだ!十層までがFランクの魔物、二十層までがEランク、三十までがD、四十までがC、五十まではB、六十まではAランクの魔物が出てくる!すごいだろ!」

俺は頷く。

魔物出てこないかな、

「十層までゴブリン、コボルド、スライムしか出てこないから余裕だよ!早く十層まで行こう!」

カイくんが駆け出す。

十層まで着いたが今までゴブリンが十五匹しか出て来なかった。

ゴブリンはもういい、もう飽和状態だ。

「ライルさん、すごいですね。」女僧侶が褒めてくる。

「だろ。だから言っただろ!」カイが自慢げだ。

女盗賊はそっぽ向いていて女魔術師は暗唱している。

「さあ!次が十層のボスだ!行くぞ!」

カイくんここまで何もしてないから頑張ってほしい。

ボス部屋に入るとゴブリン十匹とホブゴブリンがいた。

「アイスアロー」

女魔術師の杖から氷の矢が放たれゴブリンに刺さる。俺はナイフを投げながら接近してすれ違いざまに右の剣でゴブリン首を切り落とし左のナイフを投げてもう一匹倒しそのまま疾走しゴブリンを串刺しにする。ホブゴブリンが剣を振り下ろしてくるが紙一重でかわし懐から愛用のナイフを出して頭に突き刺す。

その後かわし切り落とし投擲してかわし切り落とし切り落としたら終わった。

もう嫌だ。ゴブリンはもういらない。ああ、もう早くお口直ししたい。

「ライルおつかれ!ライルがいたら余裕だな!魔物なんか怖くない!」

カイくんがまたまた清々しい笑顔を向けてくる。

「ふん、何言ってんの!一番怖いのは人よ!なんせここは迷宮なんだから、証拠も残んないからね!」

女盗賊盗賊が叫ぶ。

「まぁまぁ、ルナさんそんなにカイさんがライルさんを褒めるのが気に入らないのですか。」

女僧侶が口元を隠しながらふふっと笑う。

「そんなんじゃあ…」

聞き逃せないな

「カイ。迷宮では殺しても捕まらないのか。」

「その通りだよ。残念ながら、だ


カイくんの首が血の尾を作りながら飛んで行く。

ああ、やっぱりゴブリンなんかより人がいい。

"アイテムポーチlevel1を習得しました"

カイくんの首を呆然と目で追っている女盗賊の額を左のナイフで切り裂き、そのまま女僧侶にナイフを投げる。女僧侶はなんとかナイフを弾くが、女盗賊は脳みそをポロリしながら崩れ落ちる。

"気配察知level2を習得しました"

「アイスアロー」

氷の矢が飛んでくるがかわし、お返しにナイフを三本連続で投擲すると女魔術師は絶命した。

"青魔法level1を習得しました"

「一体なんなんですか!あなたは!なん、なんでこんなことを!」女僧侶が叫ぶ。

俺はゆっくり近づきながら答える。

「楽しいから。」

女僧侶は怯えた顔をしながら後ずさる。

「そんな


俺はナイフを三本投げながら走る。

女僧侶は弾ききれず、両腕に刺さりメイスをとり落す。

女僧侶を蹴飛ばすと彼女はうつ伏せに転がる。

俺は女僧侶の背中に座り彼女の顎を掴み上に上げ、ナイフを首に突きつける。

女僧侶は海老反りになりながら、俺を見つめて

「お願い、殺さないで…」ともらす。

俺も彼女の目を見つめながら、彼女の首にナイフを滑らせる。

ああ、素晴らしい。どうしてこんなに美しいのか。

感情を失っていく彼女を見て、そう思った。

"白魔法level1を習得しました"

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