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ふう、三年間全然出来なかった。前までは欲求が溢れていたけど今は忍耐力がついた。欲求が濃縮され腹の奥底でそっと沈殿している。そういう感じだ。

ああ…うずく。とりあえず町へ行こう。



ん?剣戟の音がする。道の方からだ。やっとやれる。急ごう。

道を見下ろしている。馬車を十五人の兵士が守り戦っていて四十人くらいの見るからに盗賊っぽいやつらが襲っている。

人が戦っているのを見るのも楽しいな。

ああ、盗賊が斬りかかるけどふさがれて蹴られて頭かち割られてる。ふふふ、滑稽だな。ピクピクしてる。

もうちょい観戦するか。


兵士が九人まで減って盗賊が二十くらいまで減った。

兵士優秀だな。もうちょい観戦するか。


兵士が四人まで減って盗賊が十まで減った。

よし行くか。



「助太刀する。」


皆、一瞬こちらを見るがすぐに視線を戻す。

「感謝する。」偉そうな兵士が呟く。

俺は駆け出し盗賊に接近するとそいつはナイフを投げてくるが右手の剣で弾きすれ違いざまに左のナイフで斬る。

そのままの勢いで近くにいた兵士を斬りつける。

「なっ!?」兵士は驚いた顔をするが剣で防ぐ。

俺は左手のナイフで首を切り裂く。

やっぱり良い。ああ…だめだ、もう我慢できない。

「奴は敵だ!気をつけろ!奴は敵だ!」

迫り来る剣をいなし切り裂き、槍もかわしナイフを投擲し、避けて切りいなし切り裂き投擲し切り切り裂き切る。

"剣術level7を習得しました"

"槍術level1を習得しました"

"回避level5を習得しました"

気づいたら立っているのは二人だった。

俺と盗賊っぽい奴だけだ。

「くそ、いったい何者だ。仲間も殺すし敵も殺すし何が目的だ。」盗賊っぽい奴が問いかけてきた。

「いっぱい切りたい。」

「なるほどな、お前みたいな奴知ってるぜ。じゃあ仲間になんねーか。仲間になればいっぱい殺せるぜ。俺の目的はあの馬車の中にいる令嬢様だ。な、ウィンウィンだろ。」

いっぱい切れる。良いかも、

「良いよ。」

「良いわけないよな、でもょ…って良いのかよ。意外すぎだろ。じゃあ令嬢様連れてアジトに帰るぞ。」


馬車の中を見るとメイド服を着た奴がレイピアを持っていた。メイドの刺突をナイフでいなし剣を突き刺すがかわされる。

「令嬢は?」

「さぁ存じ上げませぬ。それにあなたはもうここで死ぬので知る必要もありませぬ。」

レイピアを胸の前にピッと立て刺突を放ってくる。

ナイフでいなそうとするがその前にレイピアを引かれ顔めがけ刺突を放ってくる。

俺はなんとか剣で防ぎ左手のナイフを投擲する。かわされるが剣で叩き斬る。血飛沫の中「お嬢様…。」という言葉を聞いた。美しい。至宝だ。

"礼儀作法level1を習得しました"

あいつの元に戻るか、


「令嬢いなかったぞ。」

「そうか、大丈夫だ。この先に伏兵がいる。アジトに向かうぞ。」



二時間ほど歩いたところに洞窟があった。

「ここがアジトだ。ボスに会ってもらうぞ。」

洞窟の中はランプが所々にあり明るかった。

一番奥の部屋の中に入るとでかい、顔傷だらけのがいた。

「おい、ノアールそいつは?」

「こいつ仲間になりたいみたいなんすよ。おい挨拶しろ。」

「ライルと申します。よろしくお願い致します。」

自分でも驚くほど美しく礼ができた。

「ふん、まぁいい、例のはよくやったか?」

「はい、馬車を襲いましたよ。」

「よおし、今頃ミシェール伯爵が令嬢を捕らえていることだろう依頼完了だ!がははははは!」

はぁ、切りたい。


その晩アジトの一室で寝た。

翌日、ノアールが待っていた。

「よお、よく寝れたか。いきなりだが仕事だ。ついてこい。」

五人で道を見張り少し離れた草むらで残りの五人が待機する。

二時間後五人のパーティが道を通った。ノアールを見るが首を振る。

「あいつらはだめだ。」

一時間後四人パーティが通る。ノアールが笛を吹いた。草むらから俺らが飛び出す。

「死にたくないなら降参しな!悪いようにはしねーよ!」ノアールがいい顔をしながら言った。

四人パーティは驚いた様子だがすぐに戦闘態勢に移行する。

「なめんじゃね!!」と戦士が叫び、

後ろで魔法使いが暗唱している、剣士も剣をしっかりと構え、僧侶もメイスを構える。

こいつらやる気だ。俺は思わず口角が上がるのを感じた。

俺はナイフを投げ戦士に接近し、剣を振り下ろす。

「なっ!?こいつ早い

ナイフの刺さった戦士の首を切り落とす。

「いやーーー、」僧侶が泣き叫び崩れ落ちる。

「ファイヤーボール!」

迫り来る火の玉を避けたところに剣士が剣を振り下ろしてくるがナイフでいなし首を斬り下ろそうとするが態勢を立て直した剣士に防がれる。俺は剣士の腹に蹴りを入れ態勢が崩れたところに剣を振り下ろす。

ああ…良い。ナイフもいいけど剣で叩き斬るのも気持ちいい。

もっと切りたい。女二人は捕まっていた。

「よくやったな。こいつらで遊んだら一旦アジトに帰るぞ。」


アジトに女たちをおいてから二組ほど襲った。

そしてその晩もアジトで寝た。


次の日も三組ほど襲った。

その次の日もアジトで起き近くの川で顔を洗う。

「やあ、ライル。隣いいかい?」

俺が頷くとマイクは隣に座る。こいつは最近よく話しかけてくるやつだ。

「ライルって本当に強いね。羨ましいよ。女も抱かないし、冷静で落ち着いてるし、何かの信念のもとで生きているんだろ。かっこいいよ。」

マイクは清々しい笑顔を向けてきた。

俺は頷くと立ち去る。

剣戟が聞こえた。

ああ…。切れるあの感触をまた味わえる。

音の元へ向かうとアジトの前で盗賊たちと兵士が戦っていた。

「盗賊どもがシャルナーク家の馬車を襲った!皆殺しにしてやれ!一人の逃すな!」偉そうな兵士が叫んでいる。

「あいつらミシェール家だ。裏切りやがった。ライルこれはだめだ、逃げよう。」マイクが何か言っているがだめだ、もう無理だ、我慢できない。


俺はナイフを投擲し叩き斬り避けて切り落とし投げて切りいなし切り裂き避けて切り投擲して叩き斬り避けて切る。

"剣術level8を習得しました"

"短剣術level6を習得しました"

"盾術level1を習得しました"

切って投擲していなし切り裂き切り避けて蹴りいなし切り裂き投擲して切り裂く。

"体術level5を習得しました"

ああ…楽しく美しい舞う血飛沫が溢れ出す血が肌に引かれる赤い線が

シュッシュッシュッああ…もう止まらない。止まらない。

「もう無理だ。ライルこれ以上は死ぬぞ。周りを見ろ。明らかに劣勢だ。」

ん?マイクくんだ。いたんだ。俺の近くで剣を振っている。

「考えろ!今死んだら、犬死だ。引こう。」

確かに死んだらもう切れない。もうちょっとやりたいけど引くか。

俺が頷くとマイクは顔を明るくし走り出す。

森の中にも兵士がいっぱいいたが全て斬り伏せた。


夜になり木陰で休憩してるとマイクが話しかけてきた。

「ライルこれからどうする。俺はもうこんな危ないことはやめて街で暮らすよ。」

街…そういえばシェイクさんが街とか言ってたな。

「俺も街に行くよ。」

マイクは嬉しそうに歯を見せて笑った。

刃を手入れしていると気持ちいい夜風が吹いた。


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