3
あったかい、ああここはどこだ?知らない天井だ。
横を見る。ここはログハウスらしい。おっさんが何かを作っている。起き上がろうとするが痛みが走り、ぼすっと倒れてしまう。
おっさんも気づいたようでこちらを見る。
「良かった。気づいたか。」
こちらへ歩み寄る。
「大変だったな。よく頑張ったな。なにも言わなくても良い。」
そう言って俺を抱きしめた。
「さぁ食え。そして寝てろ。」
料理を出してきた。俺は頷き食べる。うまい。
そして寝た。
三週間後、俺はようやく完治した。
おっさんはシェイクという名前で昔は名を馳せた騎士らしい。だが色々あって今は森の中のログハウスで一人暮らしているそうだ。自分で語ってくれた。
「おじさん、俺もう帰るとこないしここで住んでもいい?」
「ああ…。いいよ。いつまでいてもいいよ。」
シェイクさんは目を拭いながら言った。
そして優しく微笑んだ。
平和な日常を数日過ごして思った、何かを切りたい。
「おじさん、料理手伝うよ。」
「偉いな、じゃあ一緒にやるか。」
料理をし終わったが足りない。
翌日、森へ入ろうとするシェイクさんに頼んでみた。
「俺もついてってもいい?」
「だめだ。危ない。」
わかってはいたがだめらしい。長期的な作戦で行くことにする。
「じゃあ、帰ったら俺に武術教えてよ。」
シェイクさんは驚いた顔をした少し嬉しそう顔だった。
畳み掛ければいけることを確信し、
「俺強くなりたいんだ。少なくとも狼ぐらい無傷で倒せるくらいに。」
シェイクさんは微笑み
「俺の訓練は厳しいぞ。」と言い森に消えていった。
その後、料理を作ることで我慢し刃を研いだ。
次の日俺は素振りをしていた。
「脇を締めろ!動きがぎこちない!ちゃんと踏み込め!違うそうじゃない!よくみてろ!こうだ!!」
予想以上に厳しかった。
「よし次は走りこめ!」
昼まで走らされた。予想以上に厳しかった。
「よし!次は俺に打ち込んでこい!」
木刀を打ち込むがいなされ木刀で打たれる。
「まだだ!!!もっとこい!」
「まだだ!!
「まだ!!だ!
夜にはぼろぼろの俺が転がっていた。
「よく頑張ったな!お前才能あるぞ!明日のためによく食って寝ろよ!」
予想以上に厳しかった。
それからニ年後一人で森に入るのが許され、それから一年後シェイクさんから認められた。
「ライル今までよく頑張ったな。お前は強い。このままこの森にいるのはもったいない。南にずっと行ったところに町がある。そこに行け。」
俺もかなり強くなった実感があった。だがまだシェイクさんが本気を出したことがないこともわかっている。俺はまだシェイクさんより弱い。
「おじさん今までありがとう。強くなったらまた帰ってくるよ。」
「早く行け。これは餞別だ。持ってけ。」
そう言って強そうな剣とナイフを押しつけてきた。
俺は受け取り、森へと歩いて行く。一度振り返るとシェイクさんは泣いていた。俺はそれを見たあとそのまま歩いた。