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あくる日。

畑仕事をし終わった後、日陰に座ってぼんやりとしていたが、刃を皮に滑らせる感覚を急に味わいたくなった。




ナイフを持ち、村から出て森に入り、腰の高さほどある草をかき分け進んでいく。

感覚を研ぎ澄ます。

カサッ。なにか音がした。

顔を向けるとうさぎがいた。

俺はうれしさに震え上がり、走る。

うさぎの耳がピクっと動くとこっちを見て、逃げていった。

なんで逃げる。俺は追いかける。

しばらく追いかけたが、うさぎを見失ってしまう。


早く皮に刃を入れたい。そしてシュッと切りたい。

そう思って彷徨っていると川を見つけた。

川で顔を洗う。はぁ早く早くなにかを…。

「おーい坊主こんなとこでなにしてんだ?」

漁師ぽい人が来た。俺は俯く。彼は俺に歩み寄り膝をおり俺の頭を撫でる。

「迷子か?」血しぶきが舞う。

彼は微笑みを浮かべたままドサッっと倒れた。

気持ちいい、ああこれだこれだ。頭に刺してみる。硬い感触のあとはサクッと刺さり汁が出る。俺は夢中になって刺して切って切って刺して切った。


"短剣術level1を習得しました"


我に返って周りを見る。声がしたのに誰もいない。

ぐぅー。お腹減った。今度は食べ物を探すために周りを見る。鞄が落ちている。中に入ってた果物と干し肉を食べる。おいしい。

刃を研いだあと鞄を背負いながら森を歩く。

夜も更けたので木にもたれ寝た。


空腹で目が覚めた。お腹減った。

鞄を漁ると硬い感触がした。ナイフだ。二本目のナイフを手に入れた。刃を見ると研ぎたくなった。

研いでいるとふと視界に影が見えた。うさぎだ。なぜか周りが遅くなったような気がした。体が自然と動いた。持っていたナイフを投げる。ナイフがうさぎに迫る。俺もスゥッと立ち上がり低い体勢のままうさぎに接近する。ナイフがうさぎに刺さる。俺はうさぎの首を跳ねる。


うさぎおいしそうだな。皮を剥ぎかぶりつく。うまい。食べたうさぎをほおり、ナイフの手入れをして木陰で休憩する。かすかに射す光とそよかぜが気持ちいい。うとうとしていると凄まじい寒気がした。

見ると緑の小人がいた。手に小刀を持ち気持ち悪い笑みを浮かべている。


ちょっと硬そうだな。あの肌に刃を入れたらどんな感じなんだろう。早く早く刃を滑らせたい。俺はそいつの剣を避けて腹の肉を切る。ああ良い、もっともっと、切って切って、ふとそいつの顔を見た。

体が震え上がる。そいつのなんとも言えない表情がたまらなく好きだ。


"回避level1を習得しました"


"短剣術level2を習得しました"


ナイフを手入れして落ちてた小刀を拾って観察する。

うす汚れていて美しくない。美しくしよう。夜になり完成した。美しい。小刀は美しく木の葉の間から漏れる月の光の下で輝いた。


喉の渇きで目が覚めた。鞄を漁ると水筒が入っていた。喉を潤し立ち上がる。小刀を持ち川を求めて歩く。川の冷たさを感じたくなったのだ。

カサッ、カサッ、カサッ、カサッ周りで音がする。

囲まれている。

俺は走った。でも音もついてくる。走ってもついてくる。息が荒れてきた。

横から何か飛び出してきた。小刀を振る。何かにあたる。俺は止まり振り返る。

三匹の狼がいた。ナイフを投げて接近し小刀を振る。

ナイフは避けられたが小刀が脳髄を割る。

脇腹に痛みが走る。懐から愛用のナイフを出し突き刺す。狼には引かれるが力を振り絞り、跳び頭をかち割る。何か突き飛ばされ転がる。瞬間顔をかばう。覆い被さられ噛まれる。痛みに耐え愛用のナイフで刺し続ける。次第に狼の力が抜けていく。

狼をどかすが全身が痛く立てない。


"夜目を習得しました"


"疾走を習得しました"


ああだめだ。体が動かない。視界がぼやけてきた。

俺は意識を失った。

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