トモヤとレイヤとミツルと
早速ユイナとアンジェリカの指導が始まった。
まずは戦闘には適性があることから身体的能力が高いものはユイナの指導をし、魔法特性があるものはアンジェリカが指導を行うこととなった。町の防御に役立てるために少しでも各特性のあるものの能力を上げる。このことに重点を置いた。将来的なことも考慮し、せめて自分の身は自分で守ることが出来るように子供たちにも教えることとした。もちろん子供達は大人たちと同等に教えることは出来ないので別クラスとして指導を行うことになった。
「先生よろしくお願いします」
「はい、今日もよろしくお願いします」
ユイナは実戦形式で、技の型を身につけやすいように誘導しながら指導を行った。
「先生は凄いや、一発も俺の攻撃が当たらない」
トモヤは子供の生徒の中でも力が強く一番の自信家であった。
「それはそうよ、トモヤなんかまだガキじゃないの!先生には程遠いわ」
レイアは体のさばき方がうまくユイナも時折驚くこともある女の子である。
「今日も終わった…」
ミツルは人一倍気弱でこの訓練の参加には気乗りがしていないようであったがトモヤとレイヤに誘われて嫌々参加しているようである。
「先生は何でそんなに強いんですか?」
レイアは尊敬のまなざしでユイナに話しかける。
「強くはないけど。んー、ただ先生の力で助かる人がいればいいなって思うだけ。みんなの笑顔をなくしたくないの」
「悪い奴をやっつけるんだろ。かっこいいじゃん!」トモヤは言った。
すかさずレイヤは「トモヤはそんなところがガキなのよ!」と言った。
「トモヤ君、かっこいいということは確かにあってるかもしれないね。だけどそれをするためには自分の命を1番大切にしなきゃダメ。先生も人を助けたい、でもそれには自分の命を大切にすることが出来てからなのよ。死んじゃったらかっこつけることも他の人も助けることが出来ない。だからトモヤ君、みんなも聞いて、先生はみんなが助かる為に人を見捨てて逃げること。これは全然恥ずかしいことじゃないと思ってる。1番に自分の身を守るの。危ないときはちゃんと逃げてね。そのために自分をしっかりと守れることを先生はたくさん教えてあげちゃう。」
トモヤは「んー、よくわかんない」というと
「じゃあ、トモヤ君にはもう教えてあげない」
「えー!わかったよ!ちゃんと逃げます!逃げますからおしえてください!」
「先生、こんな奴にもう教えなくていいよ」
レイアが言うとユイナは幸せそうに微笑んだ。




