表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この物語の主人公は主人公ですか?  作者: 落ち武者
第一章 始まりは別れから
5/16

第4話『朝食との戦い』

「…また、同じ夢か…」


 そんな一言と共に、俺は目を覚ました。


 最近、変な夢を見るようになった。

 まるで、他人の人生を経験させられてる様な………。

 ま、そんなに考えても仕方ない。のんびりしよう。


 昨日卒業式だったため、俺は3週間はのんびり出来る。"特殊能力科の学校"は、この3週間で試験があるらしいが、俺は"普通高校"に入学が決まっているから、のんびり出来る。


 これまでと変わらないのでは?という声が聞こえてきそうだが…、実はそうでもない。

 俺は普段の生活でも、学校で授業が始まる時間に家庭教師が家に来るのだ。つまり、大きな違いが学校に行くか行かないかの違いしかない……。


 それにのんびり二度寝をしようとしても、「朝だぞ!、起きろ幻生~」と、アイツが邪魔してくるから寝たくても寝れない。


 そろそろ来る頃だと思うが、今日は珍しく来ないな。


 あっ、アイツ、入院中だったわ。


 全然のんびり出来ないじゃん。でも二度寝もしたいし、悩むな~。


「まぁ、一応父親だしな」


 悩んだ結果、仕方なく起き上がり、リビングに向かう。


・・


「……これもあったな…」


 リビングのテーブルには、昨日アイツが食べなかった料理が並んでいる。かなりの量あるが……、食べるしかない。


 小さな戦いが今、ここに始まった。


 まず始めに食べるのは、皿に山のように乗った特大の唐揚げだ。軽く見ても30個はありそうだ。


 その次に、何故か冷蔵庫に沢山あったコロッケだ。正直、いつの物だか分からないから食べたくはない。


 そして最後に、サラダと言うには、多すぎるほどの野菜の山。


 どう考えても食べられる気がしないが、これらは時間が経っていて、今食べないと厳しそうだ。他のものは、昨日作った物で、火も通ってるから冷蔵庫で保存しておこう。


「よし! いただきます」


 覚悟を決めて食べ始めた。


 意外に早く食べられたのは、サラダだった。種類がいろいろあって、食べていて飽きることが無かった。


 コロッケも朝に食べるには厳しそうだと思ったが、そうでもなかった。むしろもっと食べたいと思うほど美味しかった。


 逆に辛かったのは、唐揚げだ。味は美味しかったのだか、大丈夫だったのは最初のみ。中盤からは、ただゴムを沢山食べているような気分になる。最後らへんは拷問でしかなかった。もう当分は、唐揚げを見るのも嫌になった。


 しかし、食べきった。食べきったぞ。よくやった俺。しかし何故だろう、胸の奥から何かが込み上げてくる。


「ごち……うっぷ、、、」


 ごちそうさまと言おうとした瞬間、本能的に口が固く閉じた。ヤバい、奴が来る。


 急いでトイレへ向かった………。

 その後、トイレで吐いたのかどうかは、伏せておく。


 こうして、小さな戦いが終わりを告げた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ