第3話『は?検査入院?』
「は?検査入院?」
あまりに帰りが遅かったため、仕方なく病院に問い合わせたら、竜玄から予想外なことを告げられる。
「あぁ、言ってなかったか?」
「検査としか……ってまさか!?」
「そのまさかだ!」
今すぐにでも電話を切りたい、声からでも今アイツがドヤ顔しているのが分かる。電話掛けなきゃよかった……。
「それで明日、服とか持ってきてくれ、バック忘れて置きっぱなしだからよ」
「はぁ……わかった、明日持ってくよ」
今日の少しでもあんたを格好いいと思った、あの時の俺にそうでもなかったと教えてやりたい。
「おう、よろしくな。そうだ、自転車乗ってきてもいいぞ~」
竜玄が
じ、自転車だと、前言撤回、電話かけてよかった。
お前超格好いい。
あの素晴らしい乗り物に乗って来てもいいだと!ヤバい、外に出れるのにくわえて、自転車に乗れる。
まだ地下でしか乗ったことがないから、ワクワクが止まらない。外の風を味わえるとは。考えただけでも、笑みがこぼれる。
「マ、マウンテンバイクでもいいのか!」
返事がない。あ、電話切られてる。
「まぁ、ダメと言われても乗ってくからな」
電話が切られ、すでに誰も聞いていない電話に向かって俺は言う。
もしその姿を見た者が居たなら、やっぱり親子だと思うほど似ている上機嫌に笑いながら。
・・
・
電話から少し経ち、廊下からリビングのテーブルに目をやると、ラップのかけられた料理が並んでいる。アイツのために作っておいた料理だ。
「ったく、無駄になっちまった」
別にいいんだが、まったく気にしてないもんね。
明日、朝にでも食べるか。よし、今日はもう寝よう。風呂も入ったし、起きてても心配するだけだしな。あんな奴に心配して体力を使うのは御免だ。
そうしてベットに入り、眠りつく。
しかし、結局心配してしまい、眠りに就くのは夜中になるのだった。