第1話『中学卒業!』
どうも!
これから10話ぐらいは、どんどん投稿していきます。
是非最後まで読んでいってください!
今から200年前、『魔王』は5人の大魔導師、5人それぞれの一番弟子、そして1人の『勇者』によって倒された。
その後、大魔導師たちはそれぞれが、王国の建国に尽力した。
それにより、魔王によって占領されていた大陸が分かれ、アルカ王国、アルカディオ王国、ミルドパリ王国、キューロン王国、シャロティア王国の5つの王国が生まれた。
しかし、『勇者』は王国誕生と共に姿を消した。
その理由は分からず、今となっては、勇者の存在を知っていた者も死んでしまったため、『勇者』の存在を信じる者は、居なくなってしまった……。
そんな在り来たりな前置きは置いておき、俺、夏目 幻生は今、アルカ王国の中学を卒業するらしい。
"らしい"と言うのは、その実感が無いからだ。
実を言えば俺は、入学してから一度も登校していない。別にニートだったわけではない。父親から外出を禁止され、家庭教師による教育しか受けていないのだ。
少し周りを見渡せば、涙を流して顔をぐしゃぐしゃにしている者もいる。
そして俺は、それを見て思う事がある。
―――ヤバいまったく泣けない、全然感動できない。
親しい友達も居ないし、信頼できる教師はいるがここには居ない。めちゃくちゃ気まずい、気まず過ぎる……。
はぁ……、卒業式ってもっと華やかだと思っていたのになぁ……。
・・
・
そんな卒業式もスラッと終わり、俺は想像との違いにがっかりしながら、校庭に移動していた。どうやら、記念写真を撮るらしいのだが、一緒に撮る奴が居ない俺は、ただ寂しくて辛いだけだ。
「はぁ……、来なきゃよかった…かな…」
俺がため息を吐きながら呟いたその時。お祝いムード一色だった周りの空気が急に凍るように変わった。それだけでない、周りの視線がだんだん俺に集まってくる…。
しかもその視線は、ただの視線ではない。ドン引きの視線だ。
理由は単純で、とても分かりやすい。
俺の父親、夏目竜玄が上機嫌に大笑いしながら近づいてくるからだ。
「お、こんな所にいたのか。卒業式も終わったし、帰るぞ」
周囲からドン引きされていることなど全く気にせず、上機嫌に幻生、幻生と、何度も大声で名前を呼んでくる。
ほら、やっぱりあいつだ…。どんなメンタルしてんだよ………。
だがこういう時は、他人の振りをするといいと家庭教師が言っていた。
だから他人の振りを、他人の振り、他人の… 出来るかぁー!
「うる……って、居ねぇし!」
うるせぇと言ってやるつもりだったが、あいつ移動するの速っ!
「まぁ…、外に出られたしな…」
外に出ること事態が珍しい俺が新鮮な気分を味わえただけ良しとするか。そうでもしないと、気が滅入ってしまいそうだ…。
せっかくそんな風に考えていたのに、それを壊すように校庭に車が勢いよく走ってきた。
「ほら乗れ、行くぞ」
車の運転席から顔を出し、上機嫌に声をかけられる。学校の敷地内まで乗ってきてるが、これは大丈夫なのだろうか……。
教師らしき人物達も諦めているのか全く注意してこない。もう呆れられてる。あ~コイツ、いつもこうなんだ…。
心中そんなことを思いながら車に乗り、帰路に就いた。
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せっかくここへ来てくれたので、このお話の世界について、いろいろ書こうと思います。
①この世界は、白き約束の女神と黒き闇の神、そして、大地の神の3柱の神が維持している世界です。
②この世界には魔獣や魔族、魔物が存在し、人間以外にも様々な種族が存在します。
③この世界には、『軍』が存在しません。その代わりに、国民を守る『魔法士』と呼ばれる組織と、国王と国民を守る『王国騎士』と呼ばれる組織が存在します。
それぞれ階級があり、
『魔法士団』は、C級からA級まであり、A級からは『A級魔法師』と呼ばれ、その数は10名である。
その為、1から10までの数字が与えられ、名前よりも、与えられた数字で呼ばれる事が多い。
『王国騎士団』は、第3級から第1級まであり、第1級騎士になれる者は、1名のみである。
その為、第1級騎士を『王国騎士』と階級を付けずに呼ばれる。
今回は、ここまでです。
これからは、後書きに時々書くと思うので、読んでくれれば幸いです。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
前書きでも言いましたが、これから10話ぐらいまでどんどん投稿していくので、是非読んでください!
次回はすぐ投稿します。
お楽しみ!