序~カットバック
ザンッ! ザンッ! ザンッ!
ピンクの花びらとともに雪が舞う。その中で女性が舞を踊っていた。
ゴウッ! ゴー、 ゴウッ という吹雪の音がまるで弦楽器のように音を鳴らし、ピュウ ピュウ と吹く風は笛のようである。雷の落ちる音は太鼓のようだ。
手に持っているのは扇子であろうか。いや、鈴なのかよくわからない。だが、鈴の音がシャン シャン となっているのも確かだ。
それは間違いなく音楽のような調べで聞いた人を魅了するだろう。
僕以外の観客はいない。友人たちと一緒に来たのにその姿は掻き消えている。
そんな中でおかめの面をつけた女性が巫女のような恰好で舞を踊っているのだ。
見せつけるように踊るその姿に僕は微動だにできないし、息をすることもわすれるほどである。
肺まで凍り付かせるような冷たい空気が体の中に入ってくる。
それがなんとも気持ちよくて強烈な眠気を誘うのだが、ここで眠っては彼女の舞を最後まで見ていられないという男の本能が僕を支えていた。
雪と花びらは間違いなく彼女と僕に当たり花びらは下に落ち、雪は水滴となって頬から滴り落ちていた。
落ちた花びらが彼女の足が動くたび、跳ね上がり、そこでユラ ユラ と舞い、氷と桜の舞台の上に再び落ちていた。