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  作者: 星凪 怜
8/16

休日出勤

休日出勤は、普段の日より、なんか気が抜けてしまう。


朝礼では、工場長が

『うちは赤字。そうして人手不足。

有休をあげたくても、あげられない。

残業代も同様。分かって欲しい』

と、人の良いふりをして話した。


要するに、有休、残業代無し。って事。


すると

『最低日曜が休みだから、いいんじゃない?』と、ミシンのリーダー。


裁断のリーダーは、苦々しい表情。


朝礼後、トイレに入り、今朝の男性にLINE。

もう、仕事する気なんて無い。


{今朝は、急いでいたのでごめんなさい。

昼に、また連絡します}

今度はちゃんと、スタンプも入れた。


友達から紹介された男性ひとは、優しい。

私より年下だけど、私より大人。


友達は

『年齢を考えたら、次の話なんて無いんだからね』と。


だよな~



体調が悪いふりをして、トイレから出てきた私。


その時、本当に体調が悪い人がいたのには、誰も気がつかなかった。


11時。

全くやる気も無く、アイロン、検査済みの商品をたたみ、袋に入れる。

今日中に出荷しないと、メーカーからのペナルティーが付き、ちょっとだけ、単価が下がる。

1枚2枚の商品じゃないので、ちょっとだけが、5万10万になる事もある。


そうなると、収入が減る。

商品を作る生地やボタン等、ほとんどはメーカー持ち。

だから、残った生地も、安易に捨てられず、何年も前の生地、残メーターの少い生地は、メーカーに戻すか捨てる。


でも、メーカー側も、何年も前の生地を戻されるのは面倒なのか

『そちらで処分して下さい』と。


だから、年に一度、捨てる生地を従業員に放出。

縫える人達は、それをスカートや、チュニック、コートに仕立てる。


私は何も出来ないので、見てるだけ。



『ドンッ』

お昼になろうとした頃に、ミシンの方から音がした。

『工場長早く!』

ミシンの方が騒がしい。


振り返ると、ミシンの横に、誰かが倒れていた。

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