休日出勤
休日出勤は、普段の日より、なんか気が抜けてしまう。
朝礼では、工場長が
『うちは赤字。そうして人手不足。
有休をあげたくても、あげられない。
残業代も同様。分かって欲しい』
と、人の良いふりをして話した。
要するに、有休、残業代無し。って事。
すると
『最低日曜が休みだから、いいんじゃない?』と、ミシンのリーダー。
裁断のリーダーは、苦々しい表情。
朝礼後、トイレに入り、今朝の男性にLINE。
もう、仕事する気なんて無い。
{今朝は、急いでいたのでごめんなさい。
昼に、また連絡します}
今度はちゃんと、スタンプも入れた。
友達から紹介された男性は、優しい。
私より年下だけど、私より大人。
友達は
『年齢を考えたら、次の話なんて無いんだからね』と。
だよな~
体調が悪いふりをして、トイレから出てきた私。
その時、本当に体調が悪い人がいたのには、誰も気がつかなかった。
11時。
全くやる気も無く、アイロン、検査済みの商品をたたみ、袋に入れる。
今日中に出荷しないと、メーカーからのペナルティーが付き、ちょっとだけ、単価が下がる。
1枚2枚の商品じゃないので、ちょっとだけが、5万10万になる事もある。
そうなると、収入が減る。
商品を作る生地やボタン等、ほとんどはメーカー持ち。
だから、残った生地も、安易に捨てられず、何年も前の生地、残メーターの少い生地は、メーカーに戻すか捨てる。
でも、メーカー側も、何年も前の生地を戻されるのは面倒なのか
『そちらで処分して下さい』と。
だから、年に一度、捨てる生地を従業員に放出。
縫える人達は、それをスカートや、チュニック、コートに仕立てる。
私は何も出来ないので、見てるだけ。
『ドンッ』
お昼になろうとした頃に、ミシンの方から音がした。
『工場長早く!』
ミシンの方が騒がしい。
振り返ると、ミシンの横に、誰かが倒れていた。




