会社④
数日後から、会社が急に忙しくなった。
遅れていた生地が入ったのだ。
しかし、納期は以前から決められている。
工場長は、何度もメーカーに電話している。
『生地が今日入ったんですよ。それを今から截断、縫いをしていたら間に合うわけないじゃないですか!』
『直営店のフェアに間に合わせたい気持ちは分かりますが、こっちも大変なんですよ!』
半分キレてる工場長。
緊急リーダー会議が行われた。
結果は、優先の仕事重視。次の仕事の準備も大事だが、手の空いた人から、順次、仕上げや出荷を手伝う。
とにかく、一番は出荷。
…と、いう事に決まったらしい。
それでも工場長は
『次の準備もしないと』と、次の仕事の準備をしている。
截断と、縫いのリーダー達は
『工場長って、今の状況分かってんの?
納期は決まってるのに』
と、呆れている。
とにかくやるしかない。
皆、残業して頑張っている。
残業代は出ない。
残業代は出ないけど、納期は守らなければ、信用を失う。
ひとりひとり自らの意思で残業。
それを当たり前と思う工場長。
『出荷に間に合わせなきゃいけないんだから仕方ない』
で、済ます。
残業代の話をすると
『残業したくないなら、時間内で結果を出せ』と。
それが出来る時はいいが、今回みたいに急だと、人手不足が表面化する。
『急だが明日の日曜は仕事だ』
夕方、工場長から話があった。
皆からブーイングの声。
そりゃ、そうだ。急過ぎる。
結果、半分の人数だけ出勤となるようだ。
『出勤した者には、後日、代休をやる。
代休が集中しないようにしたいから、早めに休日届けをだしてくれ』
私も出勤。
映画を見に行く予定は来週になりそうだ。




