デート③
その日の夜、友達に言われたミッションをクリアした。
高橋くんが、ホテルを取っておいたのだ。
『嫌なら嫌って言って下さいね』
『い…嫌じゃないです』
ようやく、つぶやく。
つぎの日の朝、高橋くんは仕事に間に合うようにと言ってくれたが、私は、体調不良を言い訳に、休むことにした。
高橋くんの職場は9時からだから、7時前に出れば間に合う。
『寝てていいですよ』
と、言ってくれたが、さすがに寝られない。
てか、昨夜の事が頭から離れない。
『ゆっくり休んでくださいね』
アパートの前まで送ってくれた。
『高橋くんも、運転して疲れてるんだから、無理しないでね』
『僕は大丈夫です。幸せですから』
おいおい、何度も殺すなよ。
手をふって別れて、玄関の鍵を開ける。
そうしてそのまま、ベッドに倒れこんで寝てしまった。
気がつくと、昼過ぎだった。
友達からLINEが来てる。
{昨日はどうだった?}
{一生独身は回避されました。たぶん}
{えっ、マジ?}
{マジです。朝帰りしました。仕事休みました}
{やったね‼}
友達からのLINEで、ようやく実感がわいてきた。
昨夜の事を思い出しては、恥ずかしさと、幸せ感とが、交互に押し寄せる。
私にはもったいないよな。
高橋くんは、昨夜の事を『幸せ』と言った。
確かに、私達は幸せな時間を過ごした。
ブラック企業勤めも、自分の年齢も、どこかに飛んで行ってしまっていた。
高橋くんの優しさに包まれていた。
高橋くんの寝顔も可愛かった。
いつも一緒にいたい。
心からそう思った。
私は高橋くんを愛してる。




