高橋くん
村田さんが辞めた日、私は定時退社した。
気持ちがモヤモヤしている。
市内の高台の公園のベンチに座って、ぼ~っと、街の灯りを見る。
ブルブル…
誰かからLINEが来た。
開けると、紹介された男性から。
{お疲れ様です}
{お疲れ様。この前はごめんね}
{いいですよ。気にしてません。今日は早くに帰れたんだすね}
{うん。今、展望公園にいるの。来る?}
{展望公園?もう日が暮れてます。危険ですよ。すぐに行きます}
彼氏じゃないけど、いい人だな~
近くの自販機で、缶コーヒーを2つ買って座っていると、男性が現れた。
手には缶コーヒー2つ。
『えっ?』
お互いの缶コーヒーを見ながら笑ってしまった。
『僕たち、考えが同じですね』
男性は、さわやかに笑う。
男性の名は『高橋准一』
身長も高く、けっこうイケメン。
私達は、缶コーヒーを飲みながら、街の灯りを見ていた。
『仕事…忙しそうですね』
高橋くんが言う。
『急がしいっちゃ急がしいかな?
でも、私より急がしい人達いるし』
『優しいですね』
えっ?何?照れるじゃない。
てか、何?
このドキドキは?更年期障害?
『寒くなってきましたね。帰りましょう。
お互いに車だから、ここでサヨナラですけど』
『そうだね』
そう言って、車に乗り込む。
その間、高橋くんは、私を見ていてくれた。
『次の日曜に、映画に行きませんか?』
こ…これは、デートのお誘い?
ますますドキドキする。
このドキドキは、絶対に更年期障害じゃない。
愛のドキドキだ。
『いいね。行きたいな』
『じゃ、お休みなさい』
私は公園を後にして、帰宅した。
{ちょっと~、高橋くんに映画に誘われた‼}
ハートのスタンプと一緒に、高橋くんを紹介してくれた友達にLINEした。
{マジ?やったじゃん!}
{もう今から緊張してるよ~}
{頑張れ笑}
その夜から眠れなくなり
緊張は日曜まで続いた。




