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4.お金を稼ごう! ② 召喚獣とグレムリン


一攫千金を目指してリカルド鉱山にやってきます。

途中現れた敵にシーアが召還獣でもって戦いに挑むのですが・・・

召還には秘密があって・・・


 



 リカルド鉱山というだけあって、あたりは岩だらけ。

 はげ山に近かった。

 いくつも掘られた坑道。

 人気もなく、どんよりとした空気があたりを包む。


「な~~んか、やな雰囲気ねぇ~~。

 でも、みんなと一緒ってだけで、アタシ勇気100倍! ワクワクしちゃう~~」


 ブリブリと尻を振りながら、緊張感の欠片もないことを言うカマ剣士。


「おめー、ちっとは、緊張しろよ!! 一発勝負なんだからな!」


「わかってるわよぉ~~! でもうれしいのよ! ずっと一人で戦ってきたから!

 パーティ組んで戦うなんて、何年ぶりかしらぁ~!」


「わ・・・私もなんだかこの3人なら行けそうな気がします。

 もし、敵が出てきたら私の召喚獣で戦わせてください。

 どんな感じかお見せしますので!」


「おう! 頼むぜ! 俺も見てみたい!」


 険しい坂道を3人で登っていく。


 ふんふ~~ん♪と鼻歌まじりのカマ剣士。 どんだけ余裕だよ!


 さっきから、自分の書いたノートを眺めて、変な興奮を高めている腐女子召喚士。


 ほ・・・本当に、このパーティで白銀の眠れる竜を倒して、オリハルコンゲッツできるのか・・・。


 俺は、正直不安しかなかった。


 そんな俺が、はぁ~~~っと大きなため息をついたときだった、怒れるブラックベア2体と上げ足コウモリ2体が現れた!


「わ・・・! 私が行きます!」


 シーアが、前に飛び出した。

 そして、また例のノートをガン見している。


 なんで、そのノートなんだよ!!

 そこには、お前の腐の妄想しか描かれてないだろうが!!!


「私の魔力は、萌えなんです!!!!

 萌えないと召喚獣を召還できないんです!!!」


 なんだよ、それぇ~~~~~~~~~~~~!!!!!


「いでよ!!! 恍惚こうこつの光の化身 雷撃の龍神!!!!」


 シーアの目の前の地面から光の柱がドーォンと立ち上り、立ち込めていた雲が割れ、その割れ目から

 雷をまとったでかい黒い龍が降りてきた。


 す・・・すげぇ・・・。


ひらめきより出ずる光 闇を払え 新たな萌えシチュエーションに光を!!!!!

 いかずち鉄槌てっついよ 今ここに!!!!」



 え?! なんかすげぇカッコいいセリフの間に、なんかわけわからんのが入ったような・・・。


 すさまじい雷撃が、大地を引き裂き、敵4体同時に攻撃をした。

 敵は、なすすべなく消し飛んだ。

 とんでもない威力だった。


 なんか、めっちゃ強いんですけど。

 おかしい。

 なんか設定が色々とおかしい。


「すんご~~~~~い!!!! シーアちゃんやるぅぅぅ!!! 

 萌えパワーここに炸裂って感じね! 萌えさえあればアンタ最強じゃない!」


「は・・はい。お恥ずかしい限りですが、萌えると力が止まらなくなります。

 萌えが枯渇すると召還できなくなるのが痛いんですが」


 はぁ??? 変態腐パワーを生み出し続けなければいかんのか・・・だからずっとノート見てたのか。

 信じられん。 俺だってエロいことには興味あるけど、そんな四六時中ってわけでもない。

 恐るべし腐女子! 変態ここに極まれり!!


「萌えパワーがひとまず枯渇することは、このパーティではないかと思われます。

 最高のカップリングが目の前にいますので!」


 勘弁してください。


「やだぁ~~、薄い本できあがったら、アタシに頂戴ね!

 ネタならいくらでも提供してあげる!」


「やめろ~~~~~~!!」


 俺は、銅の剣を振り回して、二人を追い回した。


 キャッキャッとはしゃぐ二人。


 なんなんだよ、この絵づらは!!!



 気を取り直して、また険しい鉱山道を登っていく。

 敵が現れても、カマ剣士がバッサバッサと倒してくれるからそのへんは楽だった。


 鉱山道も中盤へ差し掛かったとこだった。


 怪我をしたグレムリンの子供が、泣きながら岩陰にもたれかかっている。


「ど・・・どうしましょうか? トーマさん。 怪我治してあげます?」とシーア。


「ん~~、あんまりグレムリンって悪さしないし、敵って認識もないから助けてあげるのもいいんじゃない?」とカマ剣士。


 グスグスと鼻をならしながら、流れる涙をぬぐう姿にさすがの俺も心動かされた。

 大きな耳にモフモフの体。小粒なくりくりの瞳が、子猫のようなかわいらしさを持っている。


「しょうがねぇ、回復してやるか。ティラリラ!!!」


 俺は、東の洞窟でウンディーネを助けたときに覚えた回復魔法 ティラリラを使った。

 おなかの傷が一瞬にして治った。


 グレムリンの子供は、笑顔でピョンピョンと俺たちの周りを跳ねながら、「ありがとう!ありがとう!」と嬉しそうに話しかけてきた。


「お兄さんたち、どこいくの?」


「白銀の眠れる竜を倒して、オリハルコンを手にいれたいんだよ」


 俺が答えると、グレムリンが跳ねるのをやめて、「う~~ん」と首をかしげた。


「お兄さんたち、フォルトゥナの祝福は持っているの?」


「なんだそれ?」


「西の森の祠から入れる神殿の中のフォルトゥナから祝福を受ければ、一度だけ運がすごくアップする魔法が発動するんだよ! それがあればきっとオリハルコンは手に入るはず!」


「おおおお! すげぇいいこと聞いたけど、実は俺たち運があがる禁断魔法を使える剣士がここにいてな。それで、このクエストはとりあえず乗り切るつもりだぜ!」


「すごぉ~~い! そんな魔法があるんだ! いいな~~!」


 グレムリンの子供が無邪気に笑う。

 可愛いな、おい。


「僕もついていきたいな! 白銀の眠れる竜も見てみたいんだ! 」


「いいぜ! 俺たちの連携をしっかりと目に焼き付けな!」


 俺は、カッコいいことを言ったが、ほんとはフォルトゥナの祝福ってのが気にはなってた。


「遠回りかもしれませんが、西の森のドリュアスクエストのついでに、祝福も受けてまたここに来ませんか?

 せっかく、グレムリンの子が教えてくれてますし。こんな一か八かの戦略よりも確実な気がするんですが・・・。」とシーアが心配そうな顔で訴えてきた。


 「んー、でも俺はどうしても今金が欲しいんだ!!! せっかくカマ剣士が使える魔法があるし。

 急がばまわれかもしれんが、一度だけチャレンジさせてくれ!」


 「一発勝負なんだけどねぇ~・・・。まあここまで来たんだし。やるしかないわね」


 二人を説得して、頂上へと向かうことにした。


 「僕の名前は、ヨシュアだよ! よろしく!」


 グレムリンの子供が自己紹介をした。

 

 「おう!よろしくな! 俺トーマ、このデカいのがナンシー、メガネっ子がシーアな」


 ヨシュアは、ぴょんとナンシーの肩に乗った。


 「もうやだ、この小動物! 可愛い~~!」


 ナンシーがキャピキャピし始めた。

 ほっておこう。


 「よし、じゃあ気合入れていくぞ!!! みんながんばろうな!!」


 「「「おう~~~!」」」



 グレムリンの子供 ヨシュアを連れて俺たちは、頂上へと向かった。


可愛いグレムリンの子供ヨシュアが仲間に。

急がば回れかもしれないのに・・・。

はやる気持ちを抑えられないトーマに幸福の女神はほほ笑むのか?!


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