ある家
ようこそ!迷いある世界へ。
私は迷惑(迷いある世界)のオーナーの椎名 和樹と申します。
まず迷惑について説明します。
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その前に、迷惑というのは、迷いある世界(惑星)という意味で、辞書に載っている迷惑ではありません。
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では、説明させていただきます。
迷惑とは、新しい世界です。
今ある世界で失敗してしまって、また数分前に戻りたい時に、下の#を叫べば迷惑に転送されて、新しい世界に行けます。
#我が名はH(時間)を司るもの
これより迷惑へ行く
今、扉を開けよ#
そして、10秒から20秒ほどで転送が開始されます。
タイムスリップに、似ていますが少し違います。
迷惑に転送されたら、そこは数分前の今ある世界になります。
つまり、
今ある世界→(迷惑に転送)→迷惑が今ある世界となります。
迷惑に転送されたら、そこはもう今ある世界になります。
何となく分かっていただけましたか?
わからない方は、新しい世界だと思ってください。数分前の新しい世界からスタートできるのです。
説明は以上になりますが、何か質問はありますか?
「はい!迷惑に転送される回数は、決まっているんですか?」帽子を目深にかぶった少年が質問をした。
「おっと、いい質問ですね。
回数は決まっていませんが、転送1回に対 して、あなたの寿命が60秒ほど短くなりま す。
では、そろそろ時間なので、さようなら」
と椎名さんが言うと、急にめまいがして、辺り一面が真っ黒になった。
第一章 妹
「ねぇ、起きて、起きてってば、遅刻するよ」
可愛らしい声に目を覚ますと、目の前に可愛い少女が、ドア越しに立っている。
「なぁ~んだ、夢か」
もう一度寝ようとすると、「ドカ」何かが腹の上に乗ってきた。
「おい、起きろ、わざわざ起こしに来てやっているんだぞ、可愛い妹が」
どうやら、可愛い少女は俺の妹らしい。
それにしても、すごい変わりようだ。
先ほど、ドア越しに立っていた妹の足が、俺の腹に乗っている。
「なに、すんだよ!」
「朝だから、起こしに来た。」と答える妹の足をどかして
「今、何時だよ」と辺りを見渡して問うと、返答がなかった。
「ごめん、お兄ちゃん、今日は土曜日だった」小さい声で妹が答えた。お兄ちゃんはやめろ、キュンとくるだろが
「まぁ、いいよ」と優しく言ってやると「は?なんであんたに、許されないといけないの?てか、なんで私が謝らなくちゃいけないの!そろそろ自分で起きろよ」と恐ろしい声で言われた。
あぁー、ここから逃げたい。てか、意味がわからない、ツンデレかよ、扱いにくい。
ここは二択に一つ、謝ってこの場をおさめるか、迷惑に転送されるかだ。
よしここは、#を叫び、迷惑に転送されることにしよう。
#我が名はH(時間)を司るもの
これより迷惑へ行く
今、扉を開けよ#
と叫ぶと、妹は白い目でこちらを見てきて「大丈夫?あ、た、ま」と少し笑顔で言ってきた。
頑張れ俺!10秒から20秒の間の辛抱だ。
、、くそ恥ずかしい、死にてぇー、
「キュゥイーン、シュッ、シュッ、シュッ」
辺り一面が真っ黒になった。
「ねぇ、起きて、起きてってば、遅刻するよ」また、あの可愛らしい声が聞こえた。
すげー、本当に戻れた。いや、新しい世界だっけ?まあ、いいや。
「うん、わかった」そう答えて、ベットから降りてとりあえず、トイレに行って妹から逃れた。
やべぇ、まじで戻っちまった。
「お兄ちゃん、大丈夫?お腹痛いの?」と妹の可愛い声がまた聞こえた。
「うん、大丈夫、ありがとう」そう答えて、トイレから出て階段を降りて、リビングに向かう。
リビングには、誰もいなかった。
「お母さんはどこに行ったの?」
と聞くと、妹が
「そうゆう冗談、本当にやめて」
まじめな声で言う。
俺は仏壇の上に、お母さんらしき人の写真を見つけて、
「あ、ごめん」と言った。
朝食は妹が用意してくれた、目玉焼きとベーコンをトーストの上に乗せて食べた。
朝食を食べ終わり自分の部屋に戻って、何かないかと引き出しやタンスをしらべたら、引き出しの中から、詳細と書かれた怪しげなノートが一冊出てきた。ノートを開けると、この家のお父さんやお母さんのことが、詳しくかいてあった。
どうやら、お父さんは他に女をつくったて出て行ったらしい。
お母さんはそのショックで寝込み、去年の11月になくなったらしい。今から一年と三ヶ月前か、かわいそうに。
ページをめくっていくと、この家の俺のことが書いてあった。
どうやら俺は、【神田 神田】(かんだ こうた)と読むらしい。なんと紛らわしい。
生年月日は、2000年の1月16日だから、16歳か!つまり高1かよ、学校とかめんどくさ、なんで高校生なんだよ。
そう言いながら、俺は横たわりそのまま寝てしまった。
目が覚めるともう夕方になっていた。一階からはいい匂いと、包丁のトントントンという音が聞こえてきて、一階に降りると妹が夕食の準備をしていた。どうやら俺は、昼食も食べずに寝ていたらしい。
「あ、おはようよく寝てたね。もう少し待ってね、夕食つくってるから」今日の朝の妹とは別人みたいに優しい。
「うん、わかった」と言ってテレビの電源をつけて、夕食ができるのをまつことにした。