作品 29 「お茶目な失踪」
お茶目な失踪
初めに人間がいた、生き物がいた、生命があった、迸る流動があった、前進しようとする意志があった。
失われたものがそのうちのどれなのか私にはわからない。
いま私は都市に養われている。たぶん、都市のもっとも都市たる内臓器官、地下鉄・地下道で、寄生虫のようにである。何故、あのとき私はみんなとともに業火に焼かれてしまわなかったのか? 一歩出遅れたにせよ、どうして同胞と溶けて、土に還ろうとはしなかったのか? そうすれば、幾万年かの時を経て、私は再び生まれるだろう新しい生命の一部として蘇ることが出来たのに。そこには微塵も私の意志はないかもしれないが、私は彼らとともに <在る> ことが出来た。今度こそは間違いを犯さないようにという祈りは、幾百の同胞たちの肉体に直接伝わったことだろう。
○「宇宙大怪獣なんでもたべちゃうゴン、現わる!」
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宇宙の彼方から彗星に乗り、ハラペコ宇宙大怪獣=なんでもたべちゃうゴンが日本にやってくる。グオー。建ち並ぶ丸ノ内のビル群に噛みつき、バリバリ、ムシャムシャ、ゴックン。と食べつくす。トキオ・タワーも引っこ抜く。バリバリ、ムシャムシャ ゴックン!
「あー、おなかがすいた」
もちろんトキオは大混乱。大人たちは右往左往。子供たちはキャラキャラ騒ぐ。
そこに空飛ぶセントバーナード犬=弘左衛門に乗り、テレポーテーション能力を持つ謎の自在猫を従えた小さな男の子が現われる。友好的に話し合おうとする男の子たちだったが、
「うるさい! おれは腹が減って仕方がないんだ。それが人生というものだ!」
と、なんでもたべちゃうゴンは受けつけない。思案に暮れる男の子たち。
そこに各国政府首脳が自国の威信と政治経済的な混乱から自国民の目を逸らすため、核ミサイルを発射する。何千もの核ミサイル群に覆われる日本の首都トキオの空。絶体絶命の危機! いったいどうなってしまうのか?
Playful disappearance




