作品 16 「サバイバル//もう後がない」
サバイバル//もう後がない
「なにをボヤボヤしているのよ! 感傷になんか浸ってないで、早く乗りなさいよ。このグズ、莫迦、のろま、鈍感、くたばりぞこない!」
警笛がして扉が閉まりそうになったので、私は慌てて車中に飛び込んだ。彼女の罵りの声はまだ続いている。おそらく目的の駅に着くまで、その声は跡切れることはないだろう。だが、これはなにも珍しいことではなかった。彼女以外の存在に私が少しでも気を惹かれたとき、彼女はいつもそういう反応を示したからだ。私はもうすっかり、彼女のそんな態度の豹変に慣れていた。
○「死んだ白い服の少女」
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目覚めたとき、わたしは死体となっている。見知らぬ女性の死体だ。成人した女性ではなく少女らしい。少女の顔は美しいが、表情は苦痛に歪んでいて、首には絞められたような痕がある。少女はレイプ後、殺害されたらしい。わたしの知らない誰かによって。わたしは少女を哀れに思い、少女を死なせてはならないと決意する。少女の心臓に念を送る。何度も。やがてひときわ大きなドキンという感覚がして、わたしに吐き気が込み上げる。少女がわたしとひとつになって生き返った証だ。少女の身体の記憶のままに、わたしは少女の家に向かう。その頃から、わたしの耳の奥に不思議なシュプレヒコールが聞こえてくる。意味の不明なシュプレヒコールが聞こえてくる。
Survival//There isn't anymore time




