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作品 13 「崩落の家」
崩落の家
「さてと、電池も切れかかっていることだし、ゆっくりしてはいられないわね」
私を探るように、彼女は一瞬間をおいた。
「どうしましょうか? あなた、元気ある?じゃ、走りましょうか? うふふ。足縺れさせて転んだりしたらいやよ、おじさん。うーんと、どっちにしようかな? そうね、決めたわ。さ、じゃ、まず立って。それから階段降りて。はい、そうそう。よく出来ました。で、しばらくはまっすぐ走って。息を切らさないでガンバッテよ! えっと、次の折れ道を左ね。あ、ごめーん。そこじゃなかったわ。ウン、もう一本先ね。はい、そうそう。あ、そっちじゃないのよ、こっちこっち。ウン、今度は右ね。はい、階段を上がりましょ。今度は降りて。二十七歩そのまま行って、左。ね、見えたでしょ!」
○「崩落の家」
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わたしは叔父を愛してる。おそらく叔父を愛してる。けれども叔父はそうじゃない。母のすべてを愛してる。けれどもそれも夢の果て。子供の夜は霧の中。叔父が愛する母人形。わたしとどこが違うのか。奇怪な胎児が群れをし、わたし一人が狂い出す。歪んだ叔父との関係が、奇矯に縺れて渦を巻く。
House of the collapse




