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月。
太陽は小鳥を愛しく想い、
小鳥は太陽を誰よりも慕っていた。
太陽は独りきり、小鳥は誰にも関心を向けられずに閉じ込められていたから…。
惹かれあったのは、必然だったかもしれない。
ただ、月は…、いつも夜に泣く小鳥を見守っていた。
太陽も知らない涙を、月は知っている。
その事実を、小鳥も太陽も知らない。
所詮、月は…太陽が居なければ小鳥を照らすこともできない存在だから、
2人の縁を断ち切ることは、己を消し去ることと同じだったんだ。
恋い慕う気持ちは、太陽にだって負けなかったのに…。