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太陽。
太陽は、ずっと独りきりだった。
1人ではないけれど、独りきりだった。
誰も彼の情熱に、応えてくれる者がいなかったから。
月はただ光を跳ね返すだけだ。
太陽にとっては全てのものが月であった。
だが、太陽はある日小鳥を見つけた。
捕らわれた小鳥を見つけた。
小鳥を助け出すと、太陽の意志を受け継ごうとひたすらに鳴き出した。
太陽は小鳥を愛しく、愛しく思った。
光を注げば注ぐほど、自分らしく輝く小鳥を、太陽は守り抜きたいと思った。
太陽が、初めて"独り"ではなくなった日。