青金
一連のかなり端折った話を聞いて私は少々脱力した。
「結局関係って、同時期にその入り込んじゃっただけですか?」
「まあね」
麻巳子さんはへろっと笑う。
まあねじゃないだろうに、というか、まあ、麻巳子さんはその、これからこっちで暮らすということは、月無と一緒に、あれ。
思わず赤面してしまった。
子供がいるってことは当然そうなんだけど。
「まあ、最近限界かなと思っていたから、これもいい機会になったと思うわ」
「限界って?」
「空と夜、ここ一年身長が伸びていないの」
麻巳子さんはため息をついた。
「そろそろ学校のほうも怪しみだして、あの二人をどうしようかと悩んでいたの」
「そう言えば、麻巳子さん、あの、空と夜。もしかして、ついさっきまでやってたようなことは前からできてたの?」
「うん」
うわあ、信の奴あっぶねー。
あのとき夜に絡んで、へたすりゃ命がなかったな。
あ、あっちで信がビビってる。
「たぶん、本当の年齢に戻ったんだね、かなり無理して成長してあの子たちも限界だったぽいし」
麻巳子さんは縮んだ夜と空の頭を撫でている。
「二人だけこっちによこすのも、下手すれば行方不明だって騒がれるし、どうしようかと思ってたのよね」
麻巳子さんは明るく笑う。
どう考えても笑えないないように聞こえるんだけど。
「麻巳子さんはさ、月無がどういう奴か、わかってるんだよね」
「もちろんだよ、ちゃんとわかってあきらめたから大丈夫」
いや、それ全然大丈夫じゃない。
いったい、麻巳子さんの青春に何があったんだろうと思う。
「というわけで、私はこっちで親子四人で暮らすから、暮らす場所ももう確保してあるし、そう言うわけで三つ目の選択はいいよね」
麻巳子さんは高らかに宣言する。
「いいだろう、そちらの命を救うというのが大義名分だからな」
なんとなく苦虫をかみつぶしたように聞こえるのは気のせいじゃないかもしれないけれど、聞かなかったことにしよう。
そして、先ほど夜を引率してきた、色違いの月無のようなものに挨拶する。
「月無、あんた兄弟いたの、今日初めて聞いたんだけど」
うわ、麻巳子さんの声が低くなる。
「きっちり話をつけなきゃいけないから、もう行くね」
麻巳子さんはそう言って、それでも、子供二人に手をつながせて、空は月無が、夜は麻巳子さんが手をつなぎ歩いて行く。
そして、一家団欒はそのまま消えさってしまった。




