青金
どうやら、直接攻撃をするつもりはないようだ。
警戒すべきは、麻巳子さん達を取り込んだあの攻撃。
何とかかわすことができたけれど、この数で来られたら。
そう思ったのに、気が付いたら見たことのない場所に連れてこられた後だったりする。
ええとここはどこだ?
ガラス張りの檻のようなものの中に、私は入れられていた。
水晶の結晶をそのままくりぬいたようなものの中に入れられているようだ。
まさかこれが私の第三の目を阻む水晶の壁の正体なんだろうか。
ぺたぺたと壁を撫でてみる。
ガラスのように指紋が付くことなく透明なままだ。
念のため掌を確認してみる。
よかったちゃんと指紋がある。
じゃあなんで指紋が残らないんだろう。これは本当の水晶ではないんだろうか。
つなぎ目はどこにもない。だとしたら私はどこから入れられたんだろう。
空間はとても狭い。態勢を変えるのはせいぜい体育ず割をするくらいだろう。
助走はできないので心もとないけれど、体当たりでもしてみようか。
思いっきり前の壁に身体をたたきつけてみる。
どんっ。
痛いだけだった。
反動で反対側の壁にぶつかり、後頭部も軽く打ってしまう。
ぶつけて傷めてしまった肩を抑えながら、壁にもたれかかって座り込む。
立っていても余計な体力を消耗するだけだ。
透明な壁なのに、外の様子がうかがえない。どうやら他の人たちは逃げられたのだろうか。
ああ、そう言えば、円さんはどうしているかな。
あのとき別れたままだけど、まだ生きているだろうか。
透明な壁の向こうに見えるのは、殺風景な白い壁だけ。
呼吸が苦しくならないのがせめてもの救いだ。
でも、私呼吸しているんだろうか。かなりの時間がたったはずなのに、喉がかわいたという感覚が感じられない。
自分の身体がわからない。
不意に私の前を横切った黒い影。
月無だ。
月無は、私の姿が見えているのかいないのか、全く視線をこちらによこさず私の前を横切って行った。
月無が何を望んで私達についていたのかは知らないけれど、明らかに、月無の望むものに近づいているのだ。
そんな顔をしていた。
壁を叩いてみる。だけど振り向きもしない。
くっそ、わかっていたけど、なんだかムカつく。
とにかく、入ったからには出る場所もあるはず。座り込んだ姿勢で、床と壁のつなぎ目を確かめる。
そう言えば、洋君や信はどうしてるんだろう。
よく考えれば、この中に入れられた時の記憶がない。
いったい何があった?




