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第7話 Rebirth Review
――再生は、いつも読者の手から始まる。
新しい編集部の朝。
文芸誌『Rebirth Review』の机の上に、一通の封筒が置かれていた。
差出人の欄には記名がない。ただ、封の内側に白い紙片が一枚。
――「これは、あなたが読むための推理です」。
リアムは見覚えのあるタイプ音を思い出した。
マチルダが最後に打った、あの終章のリズム。
だが彼女はもうこの世にいない。少なくとも、そう“信じられている”だけだった。
紙の端に残されたインクの痕は新しく、まるで昨夜書かれたばかりのように湿っている。
封筒の奥から現れた原稿のタイトル――『転生クリスティ』。
そこに綴られていたのは、リアム自身の名前と、まだ語られていない最終章の冒頭だった。
物語は続いていた。現実のほうが、追いつけなくなるほどに。
次回予告:
――第8話「白い編集室」
現実と虚構の境界で、書かれる者と読む者がすり替わる。
リアムは初めて、自分が“物語の登場人物”であることに気づく。




