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Lv.2 入隊する。

 異世界生活2日目、そして俺の大冒険の初日だ。

 俺たちが目指すのは北の果て!

 待っとけよ、スノウスドラゴン!!

 と、言いたいところだが、まだ俺には仲間はいない。

 さっさと仲間連れて冒険行けや、と思うかもしれないが、今日は仲間探しから始めようと思う。


 え、そもそもチートスキルを持ってるんだからお前だけで行けよって?

 いや、少し冷静に考えて欲しい。

 一応この世界の地図はもらったが、土地勘のない奴が北の果てまで行くのにも無理がある。

 もっとこの世界に適応していて、いろいろパイプを持っているいい奴がいたほうがありがたい。

 はじめての冒険、何があるか分からないからな。


 まあそんな事を昨日は考えていたのだが、王様は他の冒険者を教えてくれることもなく、王宮内の従者以外との出会いもなかったので、とにかく今は共に歩める冒険者が欲しい。

 そんなわけで、俺は王宮の門を抜けた先にある栄えた街 《アンバラン》 にて、仲間を探しに向かった。




 ---




 そうして、俺は街の入り口に到着した。

 やはり、栄えている街というだけあって、美しい景観だ。

 炎が灯った街灯と、商店街の店店が並ぶ大通り。

 鳥や猫などの小動物も居心地良さそうに暮らしている。

 とても、ドラゴンに滅ぼされそうな街とは思えないほど平和である。

 その素晴らしさに、思わず心が洗われてしまう。


 えっと、どう冒険者を探そうか…。

 地図をもらったと言っても、街の冒険者ギルドとか薬屋がどこにあるかなんて分かるほど緻密な地図じゃなかったので、街に入ったら、自力で冒険者を探すしかない。

 料理人に、会計士に、考古学者に、音楽家に…って、そんないらないか。

 自力でできることも結構あるし、とりあえずまともな奴が2、3人居ればいい。


 さて、問題は3人ほどの冒険者を人が集まるこの街からどうやって探すかだ。

 片っ端から声掛けるか?

 いや、効率悪…。


 なんて悩んでいると、周りの街人がざわめき出していることに気づいた。

 それも、俺のことをチラチラ見ながら。


 なんだ?

 俺が冒険者だって事、知ってんのか?

 だが、俺に話しかけようとするそぶりはない。

 いやチラチラこっち見るだけって、趣味悪いぞ。

 なんて思っていると、ついに子供が近づいてきて、


「勇者さんすごい!僕、そんな最強レベルの勇者なんてはじめて見たよ!」


 と話しかけてきた。

 その子の、頭の上には何やら…文字?


「こら、アレン!勇者様のお邪魔をしてはいけません!」


 母親らしき声が聞こえて、今度はそちらに顔を向けた。

 するとやはり文字が見える。

 不思議に思ってよく見ると、それははっきりと書かれていた。




 ララ=フィリプ 総合Lv.-

 性:女

 身体:身長156.0cm 体重:49.2kg

 装備:物売りの被服 C

 職業:物売り

 パーティーメンバー:フィリプ家一族


 獲得スキル:

 《[観察力]のスキルを使用することで確認可能》




 それは、俺のステータス表と同様の、水色のパネルだった。

 内容も同じである。

 気になって周りを見ると、目線の先にいる人間、男女年齢職業問わず誰のステータス表も覗くことができた。


 すげえ!なんだこれ!

 これを使えば、簡単に有能な冒険者探し放題じゃん!


 て、あれ?

 さっきの子、俺のLvが高いって声かけてきたよな。

 もしかして、これって街人からも…。


「うわーーっ!スゲーーー!!」


 すると、いつの間に集まっていた人々のざわめきを吹き飛ばすほどの、溌剌とした声。

 そして、その声の主人はいつの間にか俺の目の前に来ていた。


「ねぇ、ボクと冒険しない!?」


 そう声をかけてきたのは、やけにハイテンションの獣人の女の子だった。

 猫耳、尻尾、爪、本物の猫の獣人だ!

 …って


「ちょっと待て。誰ですかあなた」


「おっと、紹介が遅れたね。ボクはセイラ!別の街を拠点にして、盗賊をやってるよ!でさ、なんか王宮側が騒がしいなと思ったら、明らかに強そうな勇者がいたもんだから、思わず声かけちゃった!ね、冒険しよう!」



「えーっと、ちょっと失礼しますね」


 そう言って俺は、彼女のステータス表を確認する。




 セイラ=デール 総合Lv.-

 性:女

 身体:身長159.6cm 体重:43.4kg

 装備:お高い盗賊衣装 A+

 職業:盗賊

 パーティーメンバー:[セイラ隊/サヤーナ]


 獲得スキル:

 《[観察力]のスキルを使用することで確認可能》




 ふむ、どうやら嘘はついてないようだな。

 一応スキルも確認しておこう。

 …どうやるんだ?


 《[観察力]はステータス表を見ながら片目を瞑ると使用されます。》


 どこからともなく声がする。

 しかもヘンテコな使い方だ。でも仕方がない。

 俺はセイラを見ながらウインクをする。



 獲得スキル:

[体力]Lv.60

[攻撃力]Lv.56

[防御力]Lv.51

[瞬発力]Lv.49

[跳躍力]Lv.49

[記憶力]Lv.45

[物体操作術力]Lv.30

[傀儡操作術力]Lv.30

[傀儡製作術力]Lv.25


 etc…




 これは、なかなか悪くないんじゃないか?

 冒険者的基準は分からないが、盗賊らしいステ振りって感じだ。


「よしわかった、手を組もう。俺はすぐるだ。これからよろしく。でも俺は王様の命令で、《スノウスドラゴン》を倒さなければならないから、盗賊の手伝いはできないぞ」


「それは大丈夫!ボクは遺跡探索が主だから、少しここらを広く探索しようと思ってるだけだよ。だから、ドラゴン退治手伝ってあげるよ!」


「どうもありがとう!…ん?セイラさん?セイラさんって他にパーティーメンバーいるんじゃ…」


「ちょっと…セイラ…さん……突然どこかに…ゴホッ…行かないで…くださいよ…」


 話に割って入るように来たのは、これまた女の子。

 少し大きめのローブを着て、小柄な彼女の背丈ほどの魔法の杖らしきものを抱えながら立っていた。


「ごめんねーサヤちゃん。あ、紹介するね!この子はサヤちゃん」


「ゴホッ…サヤーナ…サヤーナ=ホープ…です…。魔法使いとして、この人と冒険をしてます。ケホッ」


「大丈夫?とりあえずよろしく、これから」


「え?もしかして、パーティーメンバー増やすんですか?」


「そう。ていうか君、ボクのステータス表勝手に見ないでよ!」


 え、あれって勝手に見ちゃダメなの?


「まあとにかく、私達は今日からチームです!じゃあ早速、[セイラ隊]に入って!」


「いや、パーティー参加ってどうやってやるんだ?」


「え!?君そんなことも知らないの?まあいいや、今招待メール送るよ」


 するとすぐに、通知が来た。


 《[セイラ隊]へ招待されました。入隊の場合は、このメールを長押ししてください》


 そうして空中で長押しすると3秒ほどで入隊完了の文字が浮かび上がる。

 面白いシステムだと、思わず感心する。


「OK!よっしゃー!これから、[新セイラ隊]として最高の旅をしよーー!!」


 なんかノリで仲間が決まった気がするが…まあいいか。

 そんなこんなで不思議な仲間と出会った俺の異世界冒険ドラゴン退治編が、ようやくスタートした。

 ああ、さっきまでの人のざわめきも気にならない程、清々しい気持ちだ。




 Lv.2 end

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