D-DAY+138 2027年5月下旬 成り行きの台湾帰省 その5:公と私の交錯
前書き:
「成り行きの台湾帰省」シリーズのエピソードは、大量の台湾風中国語会話が混ざっています
もちろん、日本語訳はついているし、会話の理解に妨げる意図はありません
* AM 9:00
朝、R子が早起きして皆の朝ごはんを作ってくれた
R子は楽園島の内政総括官であるものの、それ以前に家庭的、大和撫子的な優しい女性でした
ただ、W子は「麺線」を食べたいなので、p.adminは出前で麺線と燒餅油條などを追加で注文した
その様子を見て、R子は少し自責のように話した
R子:
「旦那様、もしかしたら朝ごはんのお粥は気に入らないの?」
p.admin:
「そんなことないよ、ただ私は2時間置きに腹ペコに陥るから、予め備蓄食糧を用意した方が車の中でも食べられるし損はないよ。ただW子は多分お粥よりも麺線好きかな?」
R子:
「W子ごめんね、私気づかなくて…」
W子:
「いいえ、私の方が偏食だから気にしないで」
S子:
「この様子じゃヨーロッパ諸国と国交締結の時相当痛い目に会うよ」
p.admin:
「台湾経由で食べ物のワープ転送を導入するかな?」
S子:
「それがバレたら当事国に大変失礼だよ」
p.admin:
「まあ臨機応変に対応するよ、私もずっと洋食だと多分三日目からダメになりそう」
* AM 10:00
みんなで朝食を取ってる内に内に、H先生Lee先生とRiu先生が合流してきた
p.admin:
「H先生、Lee先生、Riu先生おはようございます、今日の会談について少し打合せしましょう」
H先生:
「Azure君、ではHan議長との会談で我々が達成したい案をリストアップしましょう」
H先生は、Han議長と会談する議案をリストアップしてくれた
1.p.admin家族及び楽園島幹部のビザ&審査なし入国(p.admin実家屋上のワープゲートを利用)
2.実家ワープゲートの近くにオフィスを確保し楽園島台湾代表処を設立、p.adminや家族幹部をはじめとする楽園島台湾代表や職員は外交官に準する待遇や権限(不逮捕特権等)を与える
3.p.adminの公的名前(朱雀 椿)を法律レベルで確認、まだ、楽園島や異星文明の艦船や設備等の所有権を楽園島に帰属と認める法律を新設
4.国交締結は基本的に次期政権で行われる予定
5.結婚式の治安維持等やp.adminや妻達の身辺警護で、台北市警察局に協力をお願う
p.admin:
「大体これくらいで良いですよね、時間もそんなにないので、遅刻しないように早めに出発しましょう」
Han議長はp.admin一行を招待した場所は、
なんと台北市旧圓環に近くにある老舗台式火鍋店だそうです
店は庶民向けで値段も良心的、マップアプリでレビューは4.7星もあったようです
p.admin:
「火鍋ならW子も食べられるでしょう?会談は私とS子に任せて、W子とR子は個室でゆっくり食べられるようにお願いするよ」
R子:
「そんなの悪いです。W子は喋らなくても良いので旦那様の隣に座りましょう」
W子:
「頑張ります…」
p.admin一行はN君が用意した9人乗りのワンボックスカーに乗り火鍋店に向かった
#### PM 11:30 Han議長とJ市長との会談
火鍋店の前に、Han議長と夫人、さらに台北市長のJ市長と夫人の姿も見えました
Han議長:
「(日本語で)朱雀殿、初めまして国会議長のHanと申します、そして台湾におかえりなさい、H大使もお久しぶりです…おっと実際に会うのは今回が初めてですね…あははは」
文法自体は間違っていないが、不慣れ発音の抑揚がおかしく言わば「台式日本語」に聞こえる
J市長:
「Mr. Suzaku, As the mayor of Taipei, I sincerely welcome you to Taipei and this lunch meeting.」
(朱雀様、台北市長として、心から台北とこの昼食会へようこそいらっしゃいました)
p.admin:
「Han議長日文講的真好, 也謝謝J市長的歡迎」
(Han議長、日本語がお上手ですね。J市長、歓迎していただきありがとうございます)
H先生:
「Han議長好久不見, 上次跟你交流應該是在快半年前的事情了時間真的過得好快」
(Han議長、お久しぶりです。前回あなたと交流したのは、半年前のことでしたね、時間が経つのは本当に早い※ですね)」
※D-DAY以来
Han議長:
「唉啊原來大家都說中文, 這樣就方便多了我昨天晚上還跟女兒一起練了好幾個小時的日文…可惜人老了記性不好, 還好還好」
(あいや、皆さんが中国語を話されるのですね。そうだと便利です。昨晩は娘と一緒に何時間も日本語を練習したんですよ…残念ながら年を取ると物覚えが悪くて、よかった、よかった)
J市長:
「朱雀執行官, 這樣站著也不是辦法我們準備了些餐點招待您與夫人和貴國幹部們, 這邊請」
(朱雀執行官、立っているのも何ですから、私たちはお食事を用意しております。夫人方と貴国の幹部の皆様をご招待いたします。どうぞこちらへ)
N君には少し悪いけどこの場にいる人はすべて中国語がネイティブなので中国語メインの会話となった
p.adminはN君に目を配ったか「気にしないでください」と手振りしてくれた
一応N君も異星タブレットの翻訳によって会話内容をリアルタイムで把握している
p.admin一行は火鍋店に入って、普段なら一般客が溢れかえるイメージでしたが今日は流石に貸し切りとなった
ただ何故か外に置いてある椅子もテーブルの低くまるで幼稚園児用の物に見える、しゃがむ体勢でそこで食べると辛そうに見えた
J市長はp.admin一行を個室(包廂)に案内して、個室内の椅子とテーブルは普通の高さでした
テーブルの上には、既に火鍋や具材が用意されていた
Han議長:
「來, 趁熱吃, 朱雀先生我跟你們說這裡的汕頭火鍋真的很好吃, 我在當公營市場負責人的時候常常帶朋友來這裡吃飯」
(さあ、温かいうちに食べてください、朱雀先生。ここの汕頭火鍋は本当に美味しいですよ。私が公営市場の責任者をしていた頃は、よく友人を連れてここに食べに来たものです)
p.admin:
「Han議長若是朱雀叫不習慣稱我的舊姓也可以, 知道您願意尊重我們樂園島的主權已讓我們感到榮幸了」
(Han議長、もし『朱雀』と呼ぶのに慣れないようでしたら、私の旧姓で呼んでいただいても構いません。あなたが我々楽園島の主権を尊重してくださるお気持ちだけで、既に光栄に感じています)
Han議長:
「Azure執行長, 阿不好意思Azure執行官…對嘛這樣就順口多了,夫人們也多吃點不夠再點」
(Azure執行長、あっ失礼、Azure執行官…そうですね、こう呼ぶとずっと口馴染みが良い。夫人方もたくさん召し上がってください、足りなければ追加注文しますよ)
挨拶の後
最初の1時間弱はみんなは本気で食事をしていた、話す余裕はあまりなかった
食べ終わって皆が満足した様子を見て、テーブルは片づけられ、カットした果物とお茶が出してくれた
H先生に交渉の主役を頼んだので、
まずはH先生は資料をHan議長とJ市長に配り楽園島の要求を説明した
Han議長:
「Azure執行官, H大使, 關於貴國的需求我了解了, 這些要求我想在野黨應該不會有太大反對聲浪, 要說有難度的就是第1點在您家裡頂樓設定Warp Gate這件事情, 恐怕交通部與外交部會有非常大的反彈」
(Azure執行官、H大使、貴国の要求は承知いたしました。これらの要求は、野党内では大きな反対意見はないと思います。ただ、難易度が高いのは第1点、あなたのご自宅の屋上にワープゲートを設置することです。これは恐らく交通部と外交部から非常に大きな反発を招くでしょう)
p.admin:
「我知道, 但這點仍無論如何想請Han議長幫忙, 我們這次從松山機場入境就受到了刁難要不是外交部次長趕來解救否則我們都要被關在小房間了」
(承知しています。しかし、この点だけは、Han議長に何としても助けていただきたい。我々はこの度、松山空港で入国した際に嫌がらせを受けました。外交部次長が駆けつけて助けてくれなければ、我々は小部屋に閉じ込められていたでしょう)
「如果能在住家頂樓的傳送點(Warp Gate)的話就不會有這些事情發生, 傳送點主要是拿來讓家人們使用不對外開放, 說白點就是當任意門來用」
(もし住居の屋上にワープゲートがあれば、これらの問題は発生しません。このワープゲートは主に家族が使うためで、外部には公開しません。率直に言えば、どこでもドアとして使いたいだけです)
J市長:
「台北市能做到的只有在Azure執行官與夫人們的住家附近巡邏, 以及明日Azure執行官與S夫人舉辦婚禮的時候在飯店周遭部屬警力交管以免發生抗議」
(台北市ができるのは、Azure執行官と夫人方の住居周辺の巡回警備、そして明日、Azure執行官とS夫人が結婚式を挙げられる際に、ホテルの周辺に警官を配備し交通整理を行い、抗議活動を防ぐことだけです)」
H先生:
「Han議長容本人多言幾句, 貴國D執政黨現在情勢不明SHO代理總統我看只是權宜的棋子, 若激進派配合傍翼對我們樂園島採取不利作為, 會逼著我們很難在保護自身安全與程序正義下兩全」
(Han議長、私から少しだけ余計なことを言わせていただきます。貴国のD執政党(与党)は現在情勢が不透明で、SHO代理総統は単なる一時的な駒だと見ています。もし急進派が『傍翼』と連携して我々楽園島に対して不利な行動をとれば、我々は自己の安全と法的な手続きの両立を図るのが非常に困難になります)
「我聽以前的學生說, 社群媒體上傳聞, 有偏傍翼勢力的檢察官們想在機場當場拘留朱雀執行官與包含我在內的樂園島幹部」
(以前の教え子から聞いた話では、ソーシャルメディア上で、『傍翼』に近い勢力の検察官たちが、空港で朱雀執行官と私を含む楽園島幹部をその場で拘留しようと企んでいるという噂があります)
Han議長:
「H大使您言重了,幾個月前要不是您來立法院議場搭救, 我們在野黨委員都要被憲兵逮捕台灣也差點變成極權國家了」
(H大使、大げさですよ。数ヶ月前、あなたが立法院の議場で救ってくれなければ、私たち野党の議員は憲兵に逮捕され、台湾も危うく極権国家になるところでした)
「你說的這些忙我們一定幫, 但是就跟上次青空國會時一樣, 現在立法到公告實施最快也要一個月時間, 如果法案被行政院提出覆議, 或是SHO代理總統拒絕公告實施的話, 這一個月又會拖更久」
(あなたが言われた協力は必ず行います。しかし、前回の『青空国会』の時と同様に、現在、立法から公告実施まで最速でも1ヶ月はかかります。もし法案が行政院から覆議(再審議)を申し立てられたり、SHO代理総統が公告実施を拒否した場合、この1ヶ月はさらに長引くことになります)
Riu先生:
「Han議長, J市長, 我本身已經是在兩隻腳都踏進鬼門關被救回來的人, 恕我直說, 如果真的有勢力阻饒我們出國, 樂園島就不會理什麼法律行政規定直接隨時隨地傳送離開, 使用非暴力和平手段解決已經是最大誠意了」
(Han議長、J市長、私自身、両足をすでに三途の川に突っ込んで救い出された者です。率直に言わせていただきます。もし本当に、我々の出国を妨害する勢力が存在するなら、楽園島は法律や行政規定など構わずに、いつでもどこでもワープ転送で立ち去ります。非暴力で平和的な手段で解決しようとしているのが、既に最大の誠意です)
Han議長:
「Riu先生, H大使, 出國這件事我建議還是跟SHO代理總統知會, 法律面的補強我們明天就開始著手進行」
(Riu先生、H大使、出国に関してはやはりSHO代理総統には報告することをお勧めします。法律面での補強は、明日から着手します)
その後、H先生、Riu先生とHan議長、J市長と会談で、楽園島が提言した案を速やかに推進することを合意した
なおJ市長からは、明日のホワドプラザホテルで行われる結婚式は傍翼メンバーに妨害される可能性が高いと予想されるので、市警局が最大限の協力を行うと約束された
途中S子は何度も発言しようとしたが、Riu先生に「君は明日の花嫁なんだから今日は執行官の傍で大人しくいなさい」宥められた
Han議長らとの会談が終わり、J市長が前に出てp.adminと握手交わした
J市長:
「今天感謝Azure執行官與會, 您與夫人要離開台灣時儘管知會我, 我會責成市警局派出維安小組一路護送您與家人幹部到機場出境檢查站前為止」
(本日はご参加いただき、Azure執行官に感謝いたします。あなたと夫人が台湾を離れる際には、遠慮なく私にご連絡ください。市警局に警護小隊を派遣させ、あなたとご家族、幹部の方々を空港の出国検査場前まで護衛させます)
p.admin:
「好, 謝謝J市長到時候還麻煩了」
(はい、ありがとうございます。その節はお手数をおかけします)
補足:
後日、Han議長主導で「国籍法」「民航法」「出入境管理法」「駐台外國機構及其人員特權暨豁免條例※」を修正した
H先生の提案通りに、p.adminの要求をほぼすべてを満たした
これで法律レベルでp.adminは実家や代表処にプライベート移動用のワープゲートを開設できるようになった
また、p.adminや家族、幹部や楽園島の外交官は使節待遇に準じた不逮捕特権が得られた
※翻訳:在台外国機関及びその人員の特権並びに免除に関する条例
元々台湾の国交国の数は極端に少ない、国交締結前の日本駐台湾代表も不逮捕特権を持っていた
p.admin一行に使節待遇を適用しなかったのは、いわば台湾政府の外交上の「故意」でも言える
Han議長主導の諸の修正案は2週間を費やして3読通過し法案は正式に採決された
それに対してSN議員から始めとする台独急進派は議事や採決を暴力で妨害し、立法院議場外にも傍翼団体によるデモが数回行われました
SN議員がSHO代理総統の勧告を無視し、デモを主導して「喪権辱国」「独裁者滾出台湾」「p.admimは中国の影の皇帝」「逮捕p.admin」など沢山のスローガンを掲げた
法案を採決されると行政院長は「覆議を検討する」と声明を出したがSHO代理総統は沈黙を貫いた
本当は、SN議員はこの時点で「元議員」と呼ぶべきでしたが、それはまだ後ほどの出来事と関係している
#### PM 2:00 R父とR母
Han議長らと会談や昼食を終え、p.admin一行は一旦実家に戻って休憩を取った
そこになんとp母はR子のご両親(R父、R母)を家まで招待したようです
R子:
「お父さんお母さんどうしたの?」
R母:
「あなたは何時経っても家に戻らないから仕方なく来ちゃいましたよ」
R父:
「おう、R子は元気だったか?」
R子:
「お父さん私は元気だよ!」
p.adminからR父、R母に挨拶した
p.admin:
「楽園島の結婚式以来ですね、お義父さん、お義母さん、これから明日の準備で忙しくなることでご容赦ください」
R父:
「娘を娶って三ヶ月も経たない内にまた新しい女を作るは良い度胸だな!貴様!」
R母:
「あなた、やめなさい!Azureさんは大きな責任を背負う方なの!普通の婿として見てはいけないよ」
R子:
「お父さん! 私もW子から幸せを分けて貰い今もとても幸せだよ!S子も私と同じく旦那様大好きだしずっと支えてきましたよ」
R父:
「R子がそう言うなら今回は目を瞑ってやるけど、次は無いぞ!R子はもしこいつが悪かったら何時でも家に戻ってきてくれ!」
p.admin:
「はい、努力します…」
R子:
「お父さん大袈裟だよ」
S子も当事者なのに隣で何も言わず見て見ぬふりしていた、この場面では発言したら不味いと思ったかもしれません
Han議長のキャラクターは、台湾政治に詳しい人から見れば元モデルは直ぐにでも察知できるでしょう(笑)
著者としては、物語中のHan議長は完璧な政治家ではないものの、議長という立場では彼は十分に能力を発揮できていると考えております
このエピソードは、政治的な会談と別に、少しだけ台北の「ローカルな風景」を描きたかった
こうしたローカルの店で見た目は浅草の庶民店で入りずらいけれども、入ったら食べ物は意外と安くて美味しい




