D-DAY+135 2027年5月上旬まで サイドストーリー:変わって行く世の中3
サイドストーリーではあるが、是非一読してほしい
#### 『ポスドク達の待遇改善』
『中抜き対策法案』の成立後、「1年更新、5年更新の有期雇用や契約社員制度は原則禁止」という労働基準法の修正は
Azureがかつても在籍した「ポスドク研究員制度」にも大きい影響を与えました
中抜き対策法案の適用からはまだ一ヶ月未満ですが、各省庁の試算では年間最大3兆円の費用削減が見込めるようです
その3兆円を財源として、消費税減税(10%→5%)や、所得税課税ラインの持ち上げ、インボイスの廃止等が見込まれた
その中に、Azureがp.adminになる前の下積み時代に、SNSでぶちまけた「ポスドク制度」への不平は、注目された
AIST、JAXA、KEKなどの大きいな国立研究開発法人では、在籍常勤研究員の他に多くのポスドク研究員が研究開発の実務に従事してました
とくに理研という、異星文明テクノロジーと最も近い素粒子研究も行われてるのに、その研究員のほとんどが任期ある有期雇用であった
日常業務ではこれくらいの人数が必要なのに、頑として「常勤」として雇わないという矛盾はp.adminが昔からその理屈を懐疑視した
一応理屈としては
「人員の調整枠だった」「予算の出所は違うだからだ」「来年度の予算を確保は不確実だった」と昔から弁解されていたが
ここ10年は常にこの人数の有期雇用職員を抱いていたのに「人員の調整枠」という詭弁はもはや通らない
決めつけはある研究機関から
「予算の出所は違う、契約職員や派遣職員の予算は消耗品費から出ている」
p.admin:
「ポスドク研究員や派遣職員は、消耗品でも言っているのか!?」
p.adminは直接にこれら機関に圧力をかけていませんが、過去のSNS発言は、まるで機関の上層部への火の玉ストレートな批判だった
この背景の下で
これらの研究機関は「自分からポスドク制度を改革しないと、ポルポ・カラマリ文明やp.admin絡みの技術供与は受けられない」と危惧した
その中で、AISTは在籍ポスドク研究員の正職員転換を行った
業績評価が著しく悪いポスドクを除いて、他の在籍ポスドク全員を常勤研究員へ昇進した
以前、産総研で5年間ポスドク研究員を務め、任期終了と共に去っていった人達にも、無条件再招聘という救済措置を講じた
元々、ポスドク研究員と常勤の平研究員との給料差は年間100万くらいしかなく、それほど予算の増額はかからない
「中抜き対策法案」改革の余波は、当時「ポスドク1万人計画」で作った格差構造を少しずつ埋めるようになった
他の研究機関もAISTを見習って、ポスドクから常勤研究員への転換を推進した
T大学をはじめとする国立大学達も、研究室のポスドクの給料が月20万という「高学歴ワーキングプア」を作り出すような給与体系を諦め、
全員「無期特任助教」へ昇進させた、給料もAIST並に550万円へ賃上げされた
文科省はそれに応じて、3兆円を財源のごく一部を使い、大学への運営交付金を増額した
大学は「教育」よりも「研究」に重点に転換し、内部に小さな研究所を作るように組織改革を行っている
その様子を見て、p.adminは当時の自分は少し報われた気分でした
#### AIST研究棟:ポスドクたちの「解放の日」
中抜き対策法案の成立と、それを受けたAISTの英断(在籍ポスドクの正職員転換)が、
長年「高学歴ワーキングプア」として不安定な地位に甘んじてきたポスドク研究員たちにもたらした
驚き、安堵、そしてp.adminへの複雑な感情が錯綜する
場所は、AISTの情報研究棟の休憩スペース
ニュース発表から間もない、まだ現実感が薄い頃でした
*ポスドクたちの歓喜と戸惑い
AISTの研究棟休憩スペース。コーヒーを淹れているヤマモト(30代後半、ポスドク歴7年(AIST 4年、大学3年))と、スマートフォンを握りしめているイシダ(30代前半、ポスドク歴4年)が話している。)
イシダ:
「ヤマモトさん、信じられますか?全員、常勤研究員ですよ!嘘じゃないですよね?この通知、10回読み直しましたけど…」
ヤマモト:
「(コーヒーを飲みながら、やや冷静に)ああ、本当らしいな。人事から正式通知が来た。これで来年どころか、5年後の予算の心配もしなくていい。これでようやく、『消耗品』じゃなくなるわけだ」
イシダ: 「消耗品…あの『予算の出所は消耗品費から』って話、本当に屈辱でしたよね。でも、これで給料も常勤と同じ水準に上がって、住宅ローンの審査も通るようになる!結婚、前向きに考えられます!」
ヤマモト:
「そうだな。俺もやっと親に胸を張って『安定した職に就いた』と言える。…しかし、なんだろうな、この複雑な気分は」
イシダ:
「複雑ですか?これは解放ですよ!長年の努力が報われた!」
ヤマモト: 「報われた、か…我々の待遇改善って、自分たちの実力や論文で勝ち取ったものじゃない。朱雀椿という、元ポスドクのチート野郎が、個人的な恨みで日本の社会構造を破壊した『余波』で棚ぼた的に転がり込んできたものだ。正直、悔しくないか?」
* p.adminへの複雑な感情
そこに、コーヒーを飲みにサトウ - 40代、ポスドク歴10年(AIST 5年で任期満了寸前)、一度他所で任期満了で去ったが数年前にAISTに入所
が入ってきた
彼は今回の『無条件再招聘』のニュースを特に注視している
サトウ:
「ヤマモト、悔しがるなよ。俺たちはこの理不尽な構造で10年も足踏みさせられたんだ。『朱雀の私怨』だろうが何だろうが、結果がすべてだ。俺は正直、あの男に感謝している」
イシダ:
「サトウさん…そうですよね。私たちがいくら声を上げても、あの『人員調整枠』の壁は崩せなかった」
サトウ:
「そうだ。そして、何より衝撃的だったのは『無条件再招聘』のニュースだ。俺たちの同期で、任期満了で去って、今はブラック企業で疲弊している連中がたくさんいる。彼らが無条件で戻れるんだぞ。これは『贖罪』だよ。AISTが、この国が、ようやく俺たちを『消耗品』として扱ったことへの謝罪だ」
ヤマモト: 「…それは、確かに。再招聘の同期からさっき連絡が来たよ。『あの時、予算の出所なんて言われなければ、俺はまだ研究を続けていたかもしれない』って…結局、金の使い道が、優秀な人材の未来を潰していたんだ」
サトウ:
「そういうことだ。朱雀は『ポスドク研究員や派遣職員は、消耗品でも言っているのか!?』と、俺たちが長年飲み込んできた屈辱を、あそこまでストレートに批判した。彼のあの過去のSNS発言が、今や聖典になっているんだからな」
イシダ:
「朱雀椿、私利私欲と正義が同居している…でも、私個人としては、自分の未来を救ってくれた彼に、一研究者として、最高の業績で応えたいです」
ヤマモト: 「そうだな。我々はもう『不安定な任期』という言い訳は使えない。この最高の待遇と安定は、彼が望む『理系社会』の成果を出す義務を負わせた。よし、俺も住宅ローン組んで、研究に集中するぞ」
3人は、安堵と、研究者としての新しい責任感、そしてp.adminへの複雑な思いを胸に、コーヒーカップを握りしめた
#### 『若返り治療の波紋』
ポルポ・カラマリ文明の医療技術は2025年時点の人類よりかなり進歩している、
アンチエイジングやDNA修復による若返り治療、ガンの根本治療、および臓器の再生やクローンも可能
ただ遺伝子への改造はある種の抵抗感があり、命に及ぼす難病じゃない限り遺伝子改造による治療は行わない
アンチエイジングや若返り治療では、遺伝子テロメアを修復や細胞の再生を助けるアミノ酸をコードする命令等、遺伝子改造なしで高レベルな再生医療技術をもっている
楽園島の幹部らは概ね若返り治療を受けている、週1回に透明のクリスタル医療ベイに入り1時間程の非侵襲的治療を受けることで
週あたりに約半年間の生体年齢が若くなるが、グラデーション的な変化で直ぐに別人になるわけではなく、それでも数ヶ月でもなると見た目から違いが出る
若返り治療による外観への影響はは個人差と男女差があり、女性の方が皮膚のアンチエイジング効果が顕著に表す傾向がある
例えばS子では臓器や心血管の生体年齢では32歳に戻ったが、皮膚の状態や外観では30台未満で、p.adminの主観では20代後半に見える
R子は目立たない服と化粧が控え目が原因かもしれないが、普段着では年相応の30歳に見える
p.admin自身はおじさん顔が少し若くなったくらいで、言わなければ違和感はない程度でした
その中にLee先生の変化が一番激しく、元々70代の気品のある老婦人に見えたが、今は40代後半の美女に見える
現時点で若返り治療を受けている人は
実際年齢44歳→生体年齢30歳組(治療135日で若返り完了間近):p.admin、W子,R子、S子
実際年齢70-80歳→生体年齢50歳組(治療135日継続中、効果は11歳若返り相当):T先生、H先生、Riu先生、K先生(予定)
実際年齢70歳→生体年齢40歳組(治療135日継続中、効果は11歳若返り相当):Lee先生
実際年齢80-95歳→生体年齢60歳組(治療2週間、継続中、効果は1-2歳若返り相当):上皇様、上皇后様、アウンサンスーチー氏
日本と国交締結式典の晩餐会に出席した時にはR子S子の姿は巷では議論され、しかし、もっと世の中に衝撃を齎したのはドレス姿のLee先生でした
Lee先生はD-DAYの時楽園島の幹部に加わり、その事自体は秘密としないため、当時の姿は目立つ程ではないがメディアに報道されていた
しかし晩餐会でドレス姿のLee先生がメディアに大々的報道され、元の写真と誰が見ても若返りした姿で世の中に衝撃を与えた
すでに表でもプライベートでも「楽園島は若返りの技術を持っている」と信じる人が多い
実際、宮内庁から上皇様、上皇后様の若返りの打診もLee先生の若々しい姿がきっかけでした
もちろん、若返り打診は宮内庁だけではなかった
Lee先生宛てを始め、次第にT先生、H先生さらに妻のR子とS子の元までも沢山の連絡が来ました
大物女優、資産家の妻や家族、引退した政治家等の関係者から打診が相次ぎ
これまでは幹部ら個別判断で断ったように処理したが、やがて支障が出る程の量になりそうなので、表向きの統一見解を示した
「ポルポ・カラマリ文明ではボディケアや美容の技術はあるが、人命救助と関連性が薄いので現時点で公開・提供する予定はない」
つまり、若返りの事をボディケアと美容と誤魔化したが、若返り技術は持ってないと言ってなくて厳密にこの声明は嘘ではない
いずれ徹底的バレるだろうけど、現状はこれで誤魔化すしかないとp.adminは考えた
p.admin:
「一応若返り権は俺の給料として扱うだから、世界平和のためだけに限定されるとかもない、例えばR子とS子のご両親にも使いますよ」
S子:
「ガン等の病気ならポルポ・カラマリ医療を受けさせたいが、お母さんの若返りはちょっと考えさせて…」
R子:
「うちの両親はまだ健康なので、若返りするとお隣さんから不審と思われやすいので、しばらくはこのままで良いと思います」
W子:
「お母さんは聞かれたら若返りたいの可能性もあるが、母からお願いして来た時は兎も角、私から聞くのはちょっとあれので現状はこのまま」
結局、妻達も自分の両親の若返りも躊躇している
p.adminは密かに自分が好きな歌手、声優や女優などを若返りしたいが、妻たちの両親も使わない今この事を言う勇気はなかった
歌手や声優を若返りさせると、妻たちは「新婚早々浮気する気なの?」と疑われる可能性もあって、それはどうしても避けたい
ただ逆に「見返りは求めなくてただ憧れの人を若返りさせる」と言ったら、何か変の上に大義名分もない気もする
p.adminが気に入った人間にだけ若返りは不公平といえば不公平だが、そもそもp.adminの「給料」なのでどう使うのも自分の自由と考えた時もある
本件はいずれN君とこっそりと相談するとp.adminが決意した
補足:
「見返りは求めなくてただ憧れの人を若返りさせる」例として、Lee先生は正に当てはまるですね
Lee先生はp.adminが高専時代で憧れの女性教師で、優雅な所作と善良で優しい性格はp.adminも含め多くの生徒から好かれた
楽園島幹部になる前にLee先生は定年退職で今は70代、年上の夫と死別、子供は独立して孫も居ない為今まではリタイヤ生活
T先生H先生とRiu先生が軒並みに50台に若返りする中に、p.adminの強い勧めでLee先生だけが40台に若返りする事となった(若返り治療の経験則的に女性の身体年齢が40歳に戻ったら外観はもっと若返る傾向がある、例えば30から35歳程度)
それはLee先生は楽園島幹部であり、しかも女性の為、大義名分はあった
p.adminは別にLee先生を妻にしたい等の分不相応な考えは持ってないが、癒しを求めて先生の元に甘やかしたいとか、密かに妄想した事はある
Lee先生もp.adminが自分の事を好意を持っているを承知しているが、実年齢がp.adminよりずっと上の為「やや子供扱いで」本気に男として意識することはない
ただし生体年齢が40台、さらに30台に若返りすると身体の状況は考え方にも影響すると思われ、Leeせんせいも何れ自分の幸福を求める時期が出てくるかもしれない
恋愛と結婚は完全に個人自由だが、p.adminはLee先生がRiu先生に結ばれることを暗に期待している(Riu先生も妻と死別、国家権力に対して反逆的な性格でp.adminと似ている面がある)
平たく言えば、p.adminはLee先生に抱きしめられたい、頭をなでなでされたい、しかしこれ以上の事(キス等)は求めないし、逆にされたら罪悪感も感じるかもしれない
ポスドクの話を書いていると、著者はリアルで泣いた
現実では決して報われない思いは、現実逃避的に、自分が創作したSFファンタジーでしか実現しなかった
著者の私の現在の年収は、ポスドク時代から余裕に2倍を超えた
それでも、当時の不安定の身分で苦しまれた「自分」、クレジットカードリボ払い残高で産総研の900円の定食も食えなかった「自分」
「夢」の中でも、救われた形を切実に見たかった
小さな頃、親に買ってもらえなかったゲーム機みたいに、大人になっていくら買っても当時の自分への贖罪にならない
タイムマシンでも乗って、当時の幼い自分へ当時欲しかったゲーム機やゲームをプレゼントした方が、物語としては最高ではないか?




