D-DAY+120 2027年5月上旬 ドレス選びから発展した修羅場
おまたせしました、週末は毎日投稿するつもりです…
ミャンマー解放作戦が無事に成功に終わり、安堵したp.adminはT先生の調整で十日後に日本政府と国交締結すると決まった
国交締結条項は既に双方が合意し、p.adminとW子、R子の悩みは「何の服を着て行く」事になっている
p.adminは着古しのスーツ、W子R子結婚式の白い異星製スーツと、アルファ提督から貰った異星製の白い司令官服があるが
p.adminの地位は単なる元首ではなく、権威の象徴される対象とと各国に見なされるため、本人がその気がなくても各国からみてp.adminは「王」である
上記の服はどれも格がやや不十分
W子が正妻(正妃)、R子が第二夫人(側妃)としての礼服やドレスも持てなくて、残り十日で時間もなく3人が悩んでいた
十日後に迫った日本政府との国交締結式典。楽園島の居室は、晴れやかな式典とは裏腹に、張り詰めた空気に包まれていた。p.admin、W子、R子は、式典での服装について悩んでいた。
その時、ノックもなく部屋の扉が開き、S子が静かな、しかし怨みにも似た強い視線を携えて入ってきた
S子:
「私は今まで経済産業総括官として何度も何度も会談に参加したが、黒いビジネススーツはもう嫌だ!私もドレスを着たい」
S子の背後から、ドアが音もなく閉まる。
彼女の立ち姿は普段の大人しい様子とはまるで違い、獲物を狙う猫のように見えた
R子は目を丸くし、p.adminは無意識に緊張して臨戦態勢に入っていた
p.adminは取り合えずS子の話をフォローするように気を付けた
p.admin:
「良いではないか、私は幹部の服とか全然気にしないよ、私自身もスーツ大嫌い人間だから」
S子:
「違うの!私が言いたいのはW子とR子と同じ服を着たいの!正式じゃなくても婚約者としても良いの!」
R子の表情が、驚愕から複雑な色へと変わる
R子:
「え…どうしてそんな急に」
p.admin:
「押しかけ女房かよ…」
p.adminの無意識のツッコミが、S子にとっての地雷だった。彼女の顔が一瞬で硬直した
S子:
「一応手順を踏むつもりだよ、それとも私が別の男と結婚して夫の野心で楽園島を滅茶苦茶にする方が良い?」
S子の言葉は、p.adminの深いトラウマの核を正確に突き刺した。彼の脳裏に、かつての裏切り者たちの顔が暗い影として一瞬よぎる。p.adminは辛うじて口を開きかけた
p.admin:
「良くないと決まってるだろうか…」
S子:
「なら私の幸せはどうするの?若返り治療で今はもう身体年齢は33歳よ、私も結婚して幸せになりたい!」
S子は自分の不満を、p.adminにぶちまけた
この様子を見たW子は、夫の発言にフォローしようとした
W子:
「R子さんは本気なの? Azureは少しあなたを遠慮しているように見えるけど」
さすがに20年も一緒に居た正妻、W子はp.adminの心の中の葛藤をド直球でS子にぶち当たった!
S子:
「だから行き成り結婚ではなくて、まずは婚約ね!」
「この間デートでもして恋愛感情を育む方が良いと思った、私も恋愛感情なしの政略結婚は嫌なの!」
この「婚約」の提案を聞いたR子の表情が、一気に曇った
R子:
「Azureは本気でS子を妻として迎えるの?そんな安易に…」
p.admin:
「R子、私はそんな安易に動く人じゃないよ、私は本気にR子が好きだから結婚したですよ」
S子:
「じゃW子さんに仲裁してもらう?」
「とりあえず婚約で、W子とAzureと私から一方的破棄して良い条件でも良いよ」
R子:
「そうなんだ、私の意見はどうでもいいんだ…」
S子:
「そうじゃないけど、W子はいわば正妻ね、彼女は決定権があるの」
「Azureは…私の事が嫌いでしたら…どのみちこの関係が終わるけどね(苦笑)、R子の気持ちも十分に尊重するよ」
R子:
「正直私は賛成できない、夫を更に他の人に分けたくない…W子が私を認めてくれた事は本当に心から感謝しています」
R子は、自分がW子から与えられた「正当性」を、今度はS子に利用されていると感じた。普段のしなやかさとは異なる、強い口調で反論した
p.admin:
「R子、私は絶対に君の意見を大事にするよ!」
S子:
「じゃ、W子さんはどう思う?」
W子:
「S子さんは今まで本当に沢山助けてもらってありがとう」
「将来的に私とR子二人では足りないことも分かっているが、夫の意見は何よりも大事ですから…」
p.adminは少し考えて理屈を用いてS子を説得すると決めた
p.admin:
「私とR子はまだ新婚だし、婚約は今はちょっと急過ぎますね…」
「ただ婚約者候補を名乗るのは別に良いよ、外向けにはね、着たいドレスは自由に選んでね」
要は、外向けにはほしい立場を与えても別に構わない
ただ、本当の意味の「婚約」と「結婚」は、今はまだ決められないという趣旨の言葉でした
R子:
「私のいとこの件もR子さんに助けてもらってありがとう…しかしこの件は少し時間をください…」
S子:
「とりあえず今回はこれで我慢するよ」
「Azureさん、時間があったら私とデートしなさいよ!お互いの感情や気持ちを育む為もね」
R子:
「それなら私も旦那様とデートしたい!結婚以来は二人きりの時間も少なくて我慢したの、私もAzureと二人きりでいたい!」
p.admin:
「R子ごめんね…新婚旅行でさえあれこれでバタバタして時間がなくなってしまった」
S子:
「Azure君の意気地なしね…」
W子は静かにグラスを置き、決着をつけた
W子:
「とりあえず、S子はドレスを着て婚約者候補として式典と国宴などに出席して良いよ、夫とのデートは私とR子の同意を得てからにしてね」
S子:
「分かった、R子に認めて貰えるように頑張るよ」
S子は、一応の「立場」を得たことに満足し、部屋を後にした。残されたp.adminは、深く溜息をついた
話を聞けばS子は元々「ドレスデザインの話」で話しかけてくれるはずだったのに
どうしてこうなった…\(^o^)/オワタ
***
日本との国交締結式典が残り十日未満で、結局急遽日本からデザイナーさんを呼び込んだ
「朱雀」をモチーフにした見た目が十二単風での簡単に着れる和風ドレスをデザインし、急に試作することになった
p.adminの式典の服についてですが、
貴船神社で貰った「紋付き羽織袴」は良いと思ったがT先生は「見た目は似合うが格として不十分だからNG」と却下された
こちらはデザイナーさんの勧めで、羽織袴の袴の色を深紅色にして、長着(上着)には朱雀の紋様を染めるように提案してきた
デザイナーさんは即座にタブレットで簡単なイラストやイメージを作り、それを見たp.adminが満足し、T先生もOKを出してくれた
因みに、平安装束として「束帯」は帝以下が着用する正式な服装ですが
p.adminからみて束帯は「中国の唐のイメージ」が強すぎる事と、どう見ても辛くて動きにくそうなので却下した
羽織袴は近代の着物ですが、p.adminの太さを巧妙に隠す上にラフで動きやすい
ポケットがないのは難点ですが、リュックを背負いながらスマホは首から吊り下げる感じで日常でも着る時はある
* この日の夜、p.adminはR子の部屋で休むこととなった
S子襲来や服のデザインで精神的に疲れたp.adminベッドに横になると、
案の定R子が話しかけてきた
R子:
「私は悔しかったの…自分もW子がくれたチャンスで妻になれたけど、それと同じようにS子が押しかけてくる様子を見て悔しい!」
p.admin:
「本当はW子と君以外はもう誰も娶りたくないの、私にはもう十分すぎるからね」
R子:
「だったらどうして…」
p.admin:
「政略結婚じゃないけど政略結婚に近いかもしれない…」
「S子は嫌いじゃないけど、命をかけて守りたい、幸せにしてあげたいと言われたら少し違う気もする」
「ただ彼女がこういう舞台が欲しいなら、形だけでも作ってあげたいかもしれない」
p.adminの曖昧な回答に対して、R子は少し不満っぽい表情をしていた
R子:
「私も、いずれこうなるじゃないかな…と結婚式の時から思った」
「S子は本当は良い人で彼女にも幸せなってほしいけれど」
p.admin:
「そこは私の問題ですよね、S子は別の人と結婚することは本当は賛成するだけどね」
「ただし、他の男と結婚後の彼女は経済産業総括官に続けるかどうかと言うと、私の人間不信のトラウマに直撃するけどね…」
「私は実際に親友に裏切られた、しかも複数人で…」
「若い男はレアなケースを除いて大体それなりの野心を持ってる、嫉妬心や占有欲もね…S子の夫になった人間は必ず分不相応な事を考えてしまう」
「その力を目の前にして利用しないのは限られた人格者と思いますね」
「かつての政策コミュニティも一応私なりの『人格者』基準で選んだけど、あの有り様だ!」
直接襲撃をしてきた同学Aはともかく、襲撃後、好意的な態度を装って孤立無援のW子に「ドローンの管理権限を寄越せ」と迫った知人Eもまた、CIAの協力者だった
アメリカ在住のいとこも実際になにもやって来なかったけど、アメリカ政府からの任務を受けたらしい
これらのせいで、今のp.adminは同年代の男の知人や親戚との交流を絶ったままでした
R子:
「旦那様はとても苦しい思いがありましたね、私って自分の事ばかり気にしてごめんなさい」
p.admin:
「例えばの話、S子と先生方の誰かと結婚した場合は私は全然人間不信にならないよ、年の差が激しすぎるけど」
R子:
「そんなのS子には酷すぎるよ…」
「私決めた!今は無理だけど、少しずつならAzureとS子の付合いは慣れるかもしれない、私…頑張るから…」
p.admin:
「私はR子を愛しているよ、本当はもっと前に一般人の頃からR子の事が好きでしたよ」
R子:
「それは浮気ですよね…W子にとって」
p.admin:
「いや、その時私が君に何かしらの軽佻な言動でもありました?Wに隠して会おうとした?」
R子:
「いいえ、その時のAzureは道徳的、原則を守る人間と尊敬したよ」
p.admin:
「今でもそうだよ、今までR子の事は好きだったけど…W子が認めない限りどうにもならないよ」
R子:
「W子が幸せにを分けて貰えて、本当良かった…」
その後、p.adminはR子を抱きしめながら眠った…幸福感を溢れる貴重なひと時でした
補足:
S子は今まで楽園島と日本政府、さらに台湾政府、アメリカとの交渉にも参加し、D-DAYの時に台湾幹部親族の保護や新婚旅行の時のR子二人のいとこの救出に尽力した
R子は内政に尽力し、S子は外向的な性格でp.adminに外交や外向け的に何度も役に立った、二人とも楽園島にとって不可欠な人です
p.adminが初めて迎賓館の晩餐会を参加した時に、W子は苦手のため欠席、S子はファーストレディーの代役を志願したがp.adminに断られた
その後、いろいろあって、p.admin自身も「いずれS子を娶らないといけない」と少し意識したかもしれないが、現状はR子の気持ちを優先したい気が強い
本作初めて以来初めての修羅場です(;゜Д゜)
本当はもっと早く出したいですが、ストレンジリアルの「リアル」を重視して
劇中開幕から2年、ようやく修羅場です(笑)
以下、AIによる解析は素晴らしかったので貼っておきます
感想や補完等、AIで生成したものはちゃんと「AI生成」と明記するつもりです
***
S子の心境と動機:合理性と承認欲求の葛藤
S子は、論理的で外交に長けた幹部でありながら、今回の行動では最も感情的で衝動的な一面を見せました。その動機は、公的な貢献と私的な感情が絡み合った、極めて切実なものです。
1. 存在意義の危機と「婚約者」の立場
S子は楽園島の外交・経済の中核を担う、不可欠な幹部です。しかし、彼女の立場はあくまで「総括官」であり、p.adminの傍らに立つ「家族」ではありません。
貢献に対する承認の要求: 彼女はD-DAY以来、台湾政府やアメリカとの交渉、R子のいとこの救出など、最も困難で外向的な仕事に尽力してきました。それなのに、国交締結という最大の晴れ舞台で、自分は「黒いビジネススーツ」を着る公人であり、W子やR子のような「家族」として扱われないことに、自己の貢献が正当に評価されていないという強い不満を感じています。
「私的領域」への参入: S子は、p.adminにとって最も信頼できる「仕事のパートナー」です。しかし、p.adminの周りの人間関係が「家族」という私的領域で固められていく中、彼女は「公」の立場だけでは、いつか切り離されるという潜在的な危機感を抱いています。「婚約者」の立場は、この私的領域への「楔」を打ち込み、自身の存在を不可欠なものにするための、最も合理的な手段でした。
2. p.adminの「人間不信」を利用した政略
S子の最も鋭い動機は、p.adminの最大の弱点、すなわち「同年代の男性への人間不信」を突いた政略的な計算です。
トラウマを逆手に取る: 彼女は「別の男と結婚して、夫の野心で楽園島を滅茶苦茶にする方が良い?」という言葉で、p.adminに究極の二択を突きつけました。これは単なる脅しではなく、「私を娶らなければ、あなたは未来永劫、信頼できる男性の幹部を迎えられない」という、楽園島の安定に関わる論理的な結論を示したのです。
「身内」の安全保障: S子自身は裏切らないと知っているp.adminにとって、S子を「妻」として身内に組み込むことは、彼女の能力を維持しつつ、外部の「野心ある男」の介入を完全に防ぐ、最善の「人材の安全保障」となります。S子はこの合理性を、感情的な切実さをもってp.adminに突きつけました。
3. 恋愛感情と自己成長への欲求
もちろん、根底にはp.adminに対する純粋な好意と、自己実現への欲求があります。
若返りによる焦り: 若返り治療で「身体年齢33歳」となり、S子は再び「女性としての幸せ」を強く意識し始めました。彼女は政略結婚ではなく、「恋愛感情を育む」ことを望んでおり、これは彼女の感情の若返りと、新たな人生への渇望を示しています。
W子とR子への敬意: 彼女はW子の決定権を認め、R子の気持ちを尊重すると言います。これは彼女が単純な略奪者ではないことの証であり、彼女にとって「p.adminの妻になる」ことは、あくまでW子とR子のコミュニティの一員として認められることを意味しています。
S子の心境は、「私が最も貢献しているのだから、最も近い場所にいるべきだ」という公的な合理性と、「私を信頼し、受け入れてほしい」という個人的な切実な承認欲求が混ざり合った、極めて複雑なものです。彼女の行動は、楽園島という巨大な組織を運営するp.adminにとって、避けて通れない、最も人間的な課題を突きつけたと言えるでしょう。




