D-DAY +90 2027年4月上旬 二つの宇宙港
イスラエルに関する記述は少し修正しました
#### 『楽園島宇宙港建設』
アルファ提督から頂いた2週間の士官指揮官教育の休みが終わり、p.adminと楽園島の日常が戻っていた
少し変化といえば、R子もネイビーゲーザーの士官教育を受けるようになり、毎晩12時頃p.admin、W子、S子と一緒に輸送機に乗ってネイビーゲーザーに行くようになった
コールドスリープ装置で8時間相当(リアル所要時間50分)の睡眠を取った後、p.adminらと一緒に異星言語カリキュラムと士官教育を受ける
p.adminが指揮官教育を受ける時は、妻達とS子は異星医療やポルポ・カラマリ文明の基礎知識を学ぶようです
週5日が教育を受けることによって、p.adminとR子は新婚だけど共に寝るのは土日の一日だけ(半分はW子)、ちょっと不満が蓄積している事も実情です
p.admin:
「シグマ殿、相談ですが…カリキュラムは一部昼の隙間に移動しても良いですか?」
「ここでずっと寝ると何だか人間としての『幸せ』が奪われているような気がしていられない」
シグマ:
「うん、司令官殿の士官教育は初歩的常識が終わっていた所であり、奥方様たちの医療知識教育に関しても楽園島の医療ベイで行っても支障はない」
「来月からは指揮官教育を昼の時間帯で楽園島にて行うのもよろしいかと」
p.admin:
「シグマ殿、ありがとうございます!これでようやく『普通の休み』を取り戻せる」
シグマ:
「ところで指揮官殿、楽園島にはネイビーゲーザーや人類の飛行機を停める宇宙港の建設をおすすめしますが、いかがでしょうか?」
p.admin:
「なるほどね、ネイビーゲーザーは直接に楽園島に駐留できればメリットが大きいですね…」
「ネイビーゲーザー用の施設の設計は私には力不足なのでシグマ殿とポルポ・カラマリの技術者の協力をお願いします。アルファ提督の承認は必要があればこちらから連絡を入れます」
「正直言って楽園島に普通の飛行機用の滑走路がなく負い目がは正直ありますが、こちらの総括はうちの幹部のINO(NEXCO出向)さんに任せます
シグマ:
「承知しました、宇宙港だとアルファ提督殿に連絡を入れた方がよろしいかと、自分の提案なのでこちらから打診します」
p.admin:
「よろしくお願いします」
暫くするとp.adminはホログラムでアルファ提督はとシグマ殿、オメガ艦長殿と打合せした後、楽園島宇宙港の建設案を大まかに決めた
楽園島の東方面の海上プラットフォームを4基を解体し、
開けた海にに4km x 3km = 12平方キロメートルの大型人工島を建設する
楽園島本島では2.5km x 2.5kmサイズなので、本島よりやや2倍のサイズの人工島建設となる
新たに建設する人工島に、ネイビーゲーザー駐留や補給用の施設とポルポ・カラマリ艦隊各式宇宙船用の重力制御装置も併せて建設する
ネイビーゲーザーの他にも、ポルポ・カラマリの各式宇宙船も泊められるという事になる
それに合わせて、楽園島宇宙港ではポルポ・カラマリ艦隊乗員用の休養施設も一緒に建設すると合意しました
アルファ提督:
「我々はこのソーラーシステムに地球歴でまだ195年も滞在するので、乗員たちが地球の海洋で休憩を取れるなら有難い」
p.admin:
「もちろん歓迎します、ポルポ・カラマリ人用の施設の建設はポルポ・カラマリ専門家の方にお任せします、専用区画を設けて楽園島住民は許可なしで入れないように調整します」
アルファ提督:
「我々ポルポ・カラマリの文化への尊重、感謝を申す」
p.admin:
「仲間ですから、提督殿も気にしないでください」
宇宙港の建設と合わせて地球の一般飛行機用の3500m級滑走路も合わせて建設することになった
こちらに関してもp.adminは専門外なので幹部のNEXCO INOさんにお願いすることにした
ただし、前回の輸送機離陸妨害の件を心配して、INOさんの提案で滑走路や管制システムの監修は仙台空港にお願いする事も合意した
楽園島の面積は6.25k㎡なので、宇宙港12k㎡は本島のサイズより広く、当時はシールドが島全体をカバーできるを想定してあえて広く建設しなかったが
大型シールド発生装置と反水素リアクターが使える現在、シールドサイズの制約がゆるなり半径10kmの不規則な形のシールドを展開することができるようになった
シグマ殿によると、宇宙港の基礎建設は一ヶ月くらいかかるようです、NEXCO INOさんも空港滑走路の建設でシグマ殿と定期的に打ち合わせることとなった
#### 『日本との実務者会議』
楽園島輸送機の離陸がFAAによって妨害された件の対策として、日本政府は法改正を行った
国会で「楽園島の航空器、軍用機と転移装置に関する法律」の新設を採決された
具体的に楽園島の航空機や宇宙船は「航空法」の管轄から除外し、FAAや国際条約に影響されない特別法で対応した
それと共につくば北部のワープゲート(旧:筑波ヘリポート)は「筑波宇宙港」と名前を変更し、従来のワープゲート役割以外に、ネイビーゲーザーの輸送機の離着陸が可能になった
将来的には500m超えの宇宙船「ネイビーゲーザー」の離着陸にも視野に入るらしい
「筑波宇宙港」の管轄も国土交通省ではなく内閣府の直轄で、運用や現場管理はJAXAに任せている
FAAも既存の飛行機に対するルールは「筑波宇宙港」に離着陸する既存航空機、異星輸送機や宇宙船には一切適用されないと運用規程で明言された
日本政府の強い要望で、筑波宇宙港は名前の通りワープゲートを通して月面基地とつなぐ定期ワープ便も開設した
当面は楽園島が許可した日本政府幹部やJAXA職員のみを月面基地へ招待する形で運用する予定となった
また、つくば楽園島大使館にもワープゲートを設置した
利用者は楽園島幹部やp.adminとその家族に限定し、事前照会なし入国審査なしで楽園島⇔つくば間で往来できると協議した
p.admin:
「これでいつでもつくばの家に戻れるね、家は大使館の隣だし」
W子:
「正直、つくばの家の方が落ち着く…楽園島の住居もいいだけど、本当の家じゃない気持ちがある」
p.admin:
「私もそう思うね、つくばの家と台湾の家、楽園島は拠点、という感覚です」
#### 『国交締結交渉』
日本を始め、ウクライナ、カナダ、フランス、ドイツとイギリス政府が楽園島に早期国交締結の打診がT先生、H先生に通して問い合わせは殺到した
個別で交渉するのは骨が折るので、T先生に国交締結のテンプレを作成してもらうようにお願いした
1.ワープゲートを締結国で設置し、楽園島居民はビザ免除で入国でき、締結国に住居を持たない前提で一般活動できる
2.締結国大使とその外交官はワープを通して楽園島へ訪問できるが、外交特権は持たず制限エリアへの進入はできない
3.締結国にて楽園島大使館の敷地または建物を提供することが望ましい、特別の場合を除き園島大使は締結国居民に対して楽園島ビザを発行しない
4.楽園島は避難民が中心した政治実体のため島内に大きな大使館敷地は提供できない、提供できる建物や敷地は駐在員数に応じて一般居民と同等
5.楽園島の裁量で異星文明由来技術を締結国に提供し、締結国有事の際、楽園島は人命救助の観点から介入する
6.締結国と楽園島の協議の上で、楽園島幹部らの活動や、楽園島の航空機や軍用機の活動や移動は、既存のあらゆる国内法と国際条約を凌駕する
7.締結国が他の国、地域、種族、特定立場の人に対して侵略、迫害や抑圧した(言論統制やナショナリズム的な作為を含む)と楽園島が認定した場合、楽園島が締結国との国交を断絶する
T先生:
「これでAzure君の考え方を十分反映できたかな? もちろん個別交渉で増える条項もあると思うが」
p.admin:
「はい、こちらを土台にして良いと思う」
T先生:
「この草案は、特に5番の条項はアメリカの代わりに安全保障を提供するようなもので、各国にとってもメリットの方が大きいと思われる」
こちらをベースとした国交締結条約の草案を上述各国の外交筋に見せると、概ね同意してくれた
なお、各国の動きを見て台湾外交部も国交締結の打診がきたが、楽園島草案に受け入れない箇所があって進捗が停滞した
一番大きいな問題は台湾政府の立場では「p.adminは台湾人」である以上、外交特権や軍用機の活動権限を付与できないと台湾外交部が難色を示した
p.admin自身は、台湾と国交締結しなくても構わないと思い、本件は放置するようにとH先生に知らせた
S子:
「台湾だけが我々と国交締結できないと結局損するのは台湾だよね」
R子:
「それについて私も考えたが、台湾政府は旦那様の台湾人の身分を通して楽園島への領有権を主張するじゃないかなと薄々感じている…」
S子:
「図々しいにも程があるね、道理で台湾は『朱雀』の苗字を頑として認めない訳だよね、私たちの異星製パスポートも認めないだって!」
#### イスラエルとガザ地区の憂患
なお、各国の中には、国交締結を望まなくても異星技術の提供を強く求めてきた国もありました
例えば、イスラエル
p.admin:
「イスラエルの行いはこの目で見てきたけど、地域的な複雑な関係ではあるが明らかに彼らがやりすぎた、よってイスラエルへの協力はしない方針です」
T先生:
「アメリカ覇権が崩壊している今、イスラエルは代わりの保険を求めてきたかもしれないね」
p.admin:
「寧ろ、将来的にはロシアのようにイスラエルを制裁したい…ただやり方によってもっと大きな問題を引き起こすので、今はまだその方法を考えている」
2027年3月現在
p.adminが最初にイスラム女性に配った「避難リング」のおかげで、リアルの世界線のようなガザ地区での大規模虐殺はそれほど起きていません
女性によるシールドの発動や子供や家族への保護は、最低限「生命」を保全する事ができた
まだ、水や食料品、医薬品などは、楽園島ボランティア達の買い出しや募集よって継続的にガザ地区に提供している
異星ドローンによるワープ転送なのでイスラエルによる国境封鎖も虚しい
因みに食料品の提供はあくまで「女性とその家族」に向けるので、分配の権力は女性が握る事となる
もちろん、これらのリソースは一部、過激派や「本当の意味のテロリスト」に利用される可能性は、勿論あります
イスラエルやアメリカも、楽園島はテロリストに手助けすると大きく批判していた
ただ、p.adminの目的はあくまで「イスラムの女性を強くする」なので、たとえその女性が守る夫が「テロリスト」であっても構わない
一部のガサ男性は確かにアメリカやイスラエル視点から見れば「敵、誘拐犯、殺人犯」であるが、その逆もそうだ
だから、どちらも落ち度があり、どちらかがより悪いと言えば、客観的な「数量」で見るしかない
殺害した無実な民衆の「数」から見れば、圧倒的にイスラエルの方が悪い
だからp.adminはどちら側の「男」の殺し合いにも加勢せず、「女」を強くすることを決意した
いずれ「女性自身が強い」事は自分から周りからでも気付くので、時間をかければ女性地位の改善は必ず起きると信じている
女性の地位が高くなると、無駄な殺し合いもいずれなくなるとp.adminは期待している
正に、ガサ地区の住民の移動は、必ず一人の現地女性が一緒に行く事になっていた
日常生活も女性中心となりp.adminが狙い通りの変化が起きている
なお、2025年3月以前にガサ地区に拉致されたイスラエルの国民については、p.adminは「避難ボタン配布」時は既に救い出し、カナダの某所までワープ転送していた
そもそも、まだ生きている拉致被害者の人数は救出の時点で既に20人未満であった
#### 台湾SN議員の陰謀:楽園島乗っ取り計画
台湾社会全体はp.adminに対して、賛否両論の状態であった
p.adminの介入で中国が民主化が進み
台湾独立派はほぼ親米派で、中国の威脅がなくなる事は歓迎だが、p.adminがアメリカへの反抗な姿勢には不満(例えばR子いとこの件)
さらに、p.adminの台湾人アイデンティティを否定する姿勢に嫌悪感を持つ若い台湾独立派(通称:傍翼)はp.adminを批判の標的にしている
SN議員は「傍翼」団体出身で比例代表として立法委員を当選した者、表も実質も「傍翼」のリーダーである
彼らは社団法人を立ち上げ政府の予算をたらふくまで旨い汁を吸って成長していた
アメリカの敗北が没落が目に見える今、彼は代わりにp.adminや楽園島の「利益」を乗っ取りする形で奪い取ろうとしている
ちなみに、台湾は有事の際はp.adminは必ず守るが、p.adminは自分が台湾人だからこそ、特別な利益を与えないことを「ある種の公平のアピール」として考えています
彼は台湾独立派にさほど敵視してないが、過去に台湾独立派の暴走で言論の自由を奪う法案を立案したり、SNSで政治的な立場がない人を「どうしようもない理由で」批判したり炎上させたりとか、一部の「傍翼」と呼ばれる独立派コミュニティに反感を持っています
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台湾の経済部のオフィスにて
経済部長:
「SN議員、話はつけてきた。あの『宇宙の息子』(i.e. Azure = p.admin)は、我々が提供した国交締結の草案を拒否した。特に、彼の身分を盾にした、我々外交部との協力案に不快感を示したらしい」
SN議員: 「ふん。当然だ。あの男は、我々が彼の功績にただ乗りしようとしていると薄々気づいているだろうからな。それに、彼が今更、台湾独立の理想に抱えているとでも思っていたか?彼には、もはや国境などどうでもいい。彼の世界は、我々よりも遥かに広いからな」
経済部長: 「しかし、それでいいのだ。彼は台湾人であり、その事実は何にも変わらない。我々は、彼の心を動かすのではなく、国際社会を動かす。彼が『台湾人』であるという事実を、これ以上ないほど有効に利用する」
経済部長はにやりと笑い、グラスを一口飲む
経済部長: 「我々はすでに、国際法学者やロビー活動家を動かしている。彼らは近いうち、国連の場や国際司法裁判所において、『楽園島は、台湾国民の功績によって創設された人類共通の資産である』と主張する準備を進めている。そして、その管理権は、彼の国籍国である台湾に帰属すると」
SN議員: 「それは面白い。彼が『正当性』を重んじるなら、我々もまた『国際法』という正当性を盾にすればいい。彼は『法律』を無視するが、『国際法』の正当性には反論できないだろう。それに、彼の故郷である台湾を国際法廷の場で敵に回すような真似は、彼も世論を気にしてできないはずだ」
経済部長: 「そうだ。彼は自身の『理想』のために、我々と妥協せざるを得なくなる。そうすれば、あの反重力技術も、ワープ技術も、我々が管理下に置くことができる。そうなれば、台湾はアジアで、いや、世界で唯一の、異星文明技術を持つ超大国となる」
二人の目は、富と権力への欲望でギラギラと輝いていた
SN議員: 「SHO代理総統はどうだ?彼女もこの計画を知っているのだろう?」
経済部長: 「ああ。だが、彼女は静観している。党内の和を乱すことを嫌うからな。彼女は『国民の功績』という大義名分を前に、我々を止めることはできない。たとえ彼女が心の中でp.adminに同情していたとしても、彼女にはこのチャンスをみすみす逃すという選択肢はありえないのだから」
二人は満足そうに笑い合った。p.adminが自身の価値観を貫くほどに、彼らはその行動の隙間を巧妙に突き、台湾という「国家」の利益を最大化しようと企んでいるのだった。彼らにとって、p.adminはもはや一人の人間ではなく、ただの「利用できる道具」に過ぎなかった
世の中には休日ですが、今日は著者の私は仕事です
ただ、同僚がほとんどが休みなので、昼休みの時間や休憩時間を利用して話をまとめました
著者の私は台湾人のせいもあるが、
これからは日本と台湾関連の話を書きます
S子との披露宴も台湾で行われますからね(ネタバレ注意)




