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地球の管理者:異星文明に選ばれた元研究者  作者: azureimf
恒星間航行級フリゲート艦「ネイビーゲーザー」 準司令 篇
67/120

D-DAY+67-75 2027年3月上旬 横田空域の返還の余波

#### 慣習と正当性の衝突


p.adminとK総理のつくば市役所会談後、総理らは内閣府に戻り反省会を開いた

千葉県警と国土交通省幹部はともかく、外務大臣は決して優柔不断なリーダーではなかったが

それでもp.adminの強烈な追及において、長年間外交の交渉現場に立つベテランでも彼の気迫に圧倒された

外交の場には暗黙のルールや決まった手順はありますが、

p.adminはそれを従う人間ではないのは外務大臣は最初から承知しています

それでも「利益ではなく、正当性を最優先で妥協を一切許さない」姿勢は、外務大臣はショックを受けて瞬時に反応できなかった

外務大臣は自分の手によって更迭された次官を思い出し、少し彼の事を同情した

言い訳としては、p.adminは流暢な日本語をしゃべる上に、日本の官僚システムを熟知している

今まで通訳を介した外国との会談とは情報伝達の速度と「決断に迫るまでの猶予」は全然違う

K総理は外務大臣の立場的な難しい所は理解しつつも、

今後は古いルールや慣習に縛られずにp.adminとスムーズにやっていけるようにと閣僚達と検討しようとした


***


内閣府の厳粛な会議室。窓から見える皇居の森は、この日の出来事を静かに見守っている。会議室の空気は、先ほどまでの市役所のそれとは全く異なり、重く張りつめていた。K総理は椅子に深く腰掛け、両手を組んで黙り込んでいる。外務大臣は、自分の手で更迭した次官を思い出し、複雑な表情で窓の外を見つめていた


K総理: 「…今日の朱雀閣下との会談、君たちはどう感じた?」


総理の問いかけに、真っ先に口を開いたのは外務大臣だった


外務大臣: 「総理…正直に申し上げますと、私は彼の気迫に圧倒されました。長年、国際交渉の場に身を置いてきましたが、彼の『正当性』を一点の曇りもなく貫こうとする姿勢は、私の想像を遥かに超えていました」


大臣は自嘲気味に続ける


外務大臣: 「外交には、互いの面子を保ち、落としどころを探るという暗黙のルールがあります。しかし彼は、そのルールを一切無視した。私たちが『実情』を訴えれば、彼は『それが正しいことか』と問いかけ、私たちが『配慮』を求めれば、彼は『なぜ正しいことをしないのか』と詰める。まるで、論理を武器に戦う騎士のようでした」


防衛大臣が深く頷く


防衛大臣: 「私も同感です。横田空域の件も、我々にとっては長年の懸案事項でした。彼が示した解決策は、あまりにも常識外れでしたが、我々が長年できなかったことを、彼はたったの一週間で成し遂げようとした。彼の言葉は、我々が『形式』に囚われ、『正しいこと』を見失っていたことを突きつけられたようで…胸が痛みます」


K総理は、外務大臣に視線を向ける。


K総理: 「君の気持ちはよくわかる。君は、自分の手で更迭した次官を思い出したのではないか?」


外務大臣: 「…はい。私は彼を、時代の変化に対応できない昭和の人間だと切り捨てましたが、今思えば、私自身も彼と大差なかったのかもしれません。彼の流暢な日本語は、通訳を介した外交とは情報の速度が全く違う。決断を迫る猶予を一切与えませんでした」


K総理: 「そうだ。我々はもはや、従来のやり方では彼と付き合っていけない。彼の価値観を理解し、彼が求める『正当性』を我々自身が追求するしか、彼との信頼関係を築く道はない」


総理はテーブルに広げられた資料を一つにまとめ、閣僚たちを見渡す


K総理: 「今日の反省を活かし、新しいルールを検討しよう。もはや、古い慣習やしがらみは通用しない。彼が示した力と、彼の持つ哲学。その両方を理解し、新しい時代の日本と楽園島の関係を築いていく。それが、これからの我々に課せられた最大の使命だ。」


会議室には、新しい時代への挑戦を予感させる、重くも確かな決意が満ちていた


#### 国土交通省の憂鬱


国土交通省の大臣室:


国土交通大臣は、机に両手をつき、鋭い目で目の前の幹部を睨みつけている。幹部の顔は青ざめ、額には脂汗がにじんでいた


大臣:

「君の報告は聞いた。朱雀元首がとんでもない男だということは理解した。だがな、どうしてあの時、楽園島の輸送機を離陸させなかった!」


幹部: 「大臣!それは…FAA(アメリカ連邦航空局)の調査が入るとなれば、成田空港の航空管制も止まりかねません。運営が麻痺すれば、国際問題にも発展します。現場の判断として、止めるより他なかったのです!」


幹部は必死に反論する。彼の頭の中では、航空管制塔からの緊迫した無線と、米国側の高圧的な態度がフラッシュバックしていた。自分は組織を守るために最善を尽くしたつもりだった。しかし、大臣の言葉は冷たい


大臣: 「現場の判断だと?君は『ルール』を口実に、最も重要な客を追い返したんだ!彼は『正当性』を重んじる男だ。ならば、その『正当性』をもって、彼らの輸送機を離陸させるためのルールの抜け道を探すべきだっただろう!」


幹部: 「しかし、彼は…我々現場の苦労も、アメリカの圧力も何も理解していません!ただ自分の主張が正しいと信じて、横暴な振る舞いを繰り返すだけです!」


幹部の抗議は、日頃から抱えていたp.adminへの不満が爆発したかのようだった。彼の目には、p.adminがただの傲慢な「チート野郎」にしか映っていなかった。


大臣: 「…甘いな。君は彼の行動原理を全く理解していない。彼が求めるのは、お情けや配慮ではない。『正しいこと』を貫く勇気だ。我々がそれを実行できなければ、彼は我々を信用しない。そして、我々の存在価値そのものを否定するだろう…」


大臣は言葉を切り、深い溜息をついた


大臣: 「上からの意向がある。二度とこのような事態にならないよう、つくばに宇宙港を開設する計画が進んでいる。だがな、驚くべきことに、その管轄は我々国交省ではなく、内閣府とJAXAの直轄になるそうだ…」


幹部は愕然とする。国土交通省の権限が、未来の最重要インフラから外される。それは、彼らの省庁が時代に取り残され、用済みだと宣告されたことを意味していた。


大臣: 「これからは、宇宙との往来が当たり前になる時代だ。そこで主導権を握るのは、もはや我々ではない。あの宇宙船が、君の目の前で輸送機を吊り上げて去って行った。我々のメンツは丸潰れだ。すべて、あなたのせいだ!」


大臣の怒りの声が、重いドアの向こうにまで響いた。幹部はただ、膝から崩れ落ちそうになるのを堪えた。彼の行動は、国土交通省の未来を、そして彼自身のキャリアを、一夜にして暗転させてしまったのだ。


#### FAAの形式的介入の敗北


アメリカはp.admin一家が新婚旅行で日本へ訪問する事は、ほぼリアルタイムで把握していた

関西空港からFAAに共有されたリアルタイムフライトデータでは

「Air Force One of Paradise Island」ときちんと記載されていたから

アメリカ政府としての立場は、今回のチャンスを利用してポルポ・カラマリ人とリアルで接触して交渉を持ち込む事であった

しかしNSAの無茶な「手紙」という行動はアメリカ政府の計画を台無しした上にp.adminの警戒心を最大限に引き起こしてしまった


それでも米軍の強硬派の指示で

形式的に横田基地からFAAに「楽園島輸送機が横田空域に侵入」と告発→FAAが輸送機の離陸を阻止→FAAが輸送機を現地調査→ポルポ・カラマリ人と接触

という、米軍が絵に描いたシナリオを強行した

実際に現地調査のFAA職員の半分は、アメリカ政府が仕込んだ異星文明と交渉する専門家だ


しかし楽園島の大型宇宙船が現れた事で、輸送機を釣り上げて去っていき

アメリカ側のすべての計画が失敗した


***


ペンタゴンの厳重に警備された一室。壁には世界各地の軍事拠点を示すデジタルマップが映し出されている。部屋の中央には、米軍の制服を着た将校たちと、民間スーツを着たFAAの専門家たちが集まっている。彼らは一様に、厳しい表情でモニターを見つめていた


海兵隊大佐: 「情報通り、奴らはつくば市役所での日本政府との会談に臨んでいる。今がチャンスだ。FAA、準備はいいか?」


FAA幹部: 「はい、大佐。成田空港にいる我々のチームは、いつでも行動に移せる。形式上は『横田空域侵入の疑い』で、機体の離陸を阻止します。同時に、我々の異星文明交渉チームが接触を図ります」


海兵隊大佐: 「よし。覚えておけ、今回の作戦は、単なる機体の調査ではない。あの『ポルポ・カラマリの使者』と直接交渉し、我々アメリカが彼らのパートナーとして最も相応しいことを示す絶好の機会だ。今度こそ我々が主導権を握る」


部屋に緊張感が走る。全員が成功を確信しているようだった


その時、一人のFAA職員が慌てて部屋に入ってきた


FAA職員: 「大佐、大変です!成田の管制塔から緊急報告が入りました!」


海兵隊大佐: 「落ち着け。何か問題でも起きたか?」


FAA職員: 「それが…楽園島の輸送機が、管制塔の離陸許可を待たずに上昇しています!いや…離陸というより、何かに釣り上げられています!」


モニターに、成田空港のリアルタイム映像が映し出される。画面には、輸送機が青い光に包まれ、まるで無重力のようにふわりと上昇していく、信じられない光景が映し出されていた。そして、その輸送機を釣り上げているのは、はるか上空に突如として現れた、巨大な黒い影だった


FAA幹部: 「なんだ…あれは…!?」


海兵隊大佐: 「ばかな…!奴らは…あんなものまで持っていたのか!」


大佐の顔が蒼白になる。彼の脳裏には、計画が完全に崩壊していく様が鮮明に映し出されていた


FAA幹部: 「大佐…我々の交渉チームがパニックに陥っています。あの宇宙船が現れた時点で、もはや『調査』も『交渉』も不可能です!彼らは、我々のルールを完全に無視しました!」


海兵隊大佐: 「くそ…!なぜだ…なぜ奴らはこんな無茶なことを…!我々はただ、形式的な手続きを踏んで接触しようとしただけだ!」


彼は机を叩き、激しい怒りを露わにした


FAA職員: 「それが…現地の報告によると、どうやら朱雀殿は、昨日ホテルで起きたNSAの件で、我々に強い不信感を抱いているようです…」


大佐は、自らが主導した横田空域の「形式的な」手続きが、実はp.adminの信頼をさらに損ない、結果としてこの圧倒的な力の行使を招いたことを悟った。NSAの無謀な行動が、彼らの精緻な計画を台無しにし、アメリカは、ポルポ・カラマリ人との接触という「金の卵」を、自らの手で割ってしまったのだ


部屋には、巨大な宇宙船が輸送機を飲み込むように格納していく映像と、将校たちの絶望的な沈黙だけが残されていた。


#### アメリカから横田空域返還の舞台裏


おさらいになりますが、

先日のp.adminはドローンに命令で、日本各地の米軍基地の上空3000Mまで1.1倍の重力場を加え、横田基地では1.3倍の重力場を加えることとなった

さらに、重力場は24時間毎に0.1倍を加算する

つまり米軍基地では今の100kgのものが110kgに、24時間後は120kgになると意味する

これは人間にはほぼ無害ですが、飛行機では数日後自重で離陸できなくなると予想される


p.adminはホログラム声明で:

「10日以内で横田空域を日本政府に返還すれば米軍基地の重力場は一時解除する」を米軍基地向けに声明を出した

アメリカインド太平洋軍司令は最初は緊急会見で「テロリストのはったりに屈しない」と声明を出したが

数日後、米軍横田基地に停留している航空機は重力増加の為にトラブルが発生した

1.5倍重力の時はタイヤバーストが起き、2倍重力の時にランディングギアも自重を耐えられなくて変形した

凡そ一週間後、在日米軍司令官により、横田空域の日本返還を声明した

p.adminは米軍基地へ重力場の「罰」を解除し、数日後米軍基地の米軍機は次々と日本から撤退した


#### 重力という名の屈服


横田基地の司令部。司令官のオフィスでは、在日米軍司令官とインド太平洋軍司令官が、緊急テレビ会議の画面越しに厳しい顔で言葉を交わしていた。画面には、変形した航空機のランディングギアと、ひび割れた滑走路の映像が映し出されている


在日米軍司令官: 「司令官、このままでは、すべての航空機が離陸不能になります。地上でのメンテナンスもままなりません。重力場は24時間ごとに増しており、すでに我々の通常業務は麻痺しています。滑走路のコンクリートもひび割れ始め、格納庫の骨組みにも歪みが見られます」


在日米軍司令官は、疲労と焦りで声を震わせる


インド太平洋軍司令官: 「馬鹿な!『テロリストのはったり』だと声明を出したはずだ!こんな不可解な現象に、我々が屈するわけにはいかない!奴らがどうやってこんなことをしているのか、解析班はどう報告している?」


在日米軍司令官: 「それが…解析班は何も見つけられません。レーダーにも、衛星画像にも、異常を示すデータは一切ありません。しかし、現象は確実に起きています。1.5倍の重力でC-130のタイヤがバーストし、今朝はF-16のランディングギアが自重に耐えられず曲がりました!まるで、神の力が働いているかのようです!」


彼は絶望的な表情で報告する


インド太平洋軍司令官: 「くそ…!奴らは、我々が最も信頼する科学と技術を、まるで玩具のように弄んでいる…!我々のプライドを弄ぶことが、奴らの目的だ!」


インド太平洋軍司令官は机を拳で叩きつける。彼らは、p.adminの声明を「ハッタリ」と断定し、強硬な姿勢を貫くことで、国際社会におけるアメリカの威信を守ろうとしていた。しかし、現実に次々と発生する機体のトラブルは、そのプライドを打ち砕くに十分だった


在日米軍司令官: 「このままでは、基地全体が崩壊します!兵士たちにも動揺が広がり、士気は地に落ちています。我々には、この重力場を止める手段がありません。奴らの要求を呑むしか、この状況を打開する道はないかと…」


在日米軍司令官は、屈辱に満ちた表情で提案する


インド太平洋軍司令官は、しばらく沈黙した後、深い溜息をついた


インド太平洋軍司令官: 「…わかった。これ以上の犠牲は、我々の威信をさらに傷つけるだけだ。日本政府と連絡を取り、横田空域の返還を声明しろ。そして、奴らに重力場の解除を要求しろ」


その言葉は、アメリカが超常的な力を持つp.adminという存在の前に、初めて公に屈服した瞬間だった。数時間後、在日米軍司令官は、顔をこわばらせながら緊急記者会見を開き、横田空域の日本への返還を正式に発表した。p.adminの「罰」は、武力衝突を伴うことなく、長年アメリカが握ってきた日本の主権を、完全に奪い返すことに成功したのである

W子R子との新婚旅行編はこれで終わります

後半でアメリカへの「罰」はp.adminの怒りを表しています(笑)

p.adminは本当の意味で容赦しない人で、ただその代わりに彼は自分に対しては異常な程厳格です

彼は常に「正当性」を気にして、少しでもグレーゾーンに入る行為ですら避けていた

道徳的な弱みが全くなく、まるで純白です

ただそれは「法を守る」ではなく、彼の厳しい道徳基準で自律しており法律と関係ありません

たとえば「重婚」については彼の価値観には道徳な問題はない

たとえある国が「犬に話を掛けたら死刑」という理不尽な法律があっても、彼は守らないと思います 

例えば兄弟姉妹間の結婚でも、彼の価値観的にはお互いに同意するなら問題ないと考えています


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