D-DAY+65 2027年3月上旬 正当性と自己責任のジレンマ その1
朝7時30分、戒厳態勢で殆ど眠れなかったp.adminは外務省次官を部屋まで呼び出して、R子に渡された不審な紙を見せ当時の状況を説明した
外務省次官:
「大変申し訳ございません!本件は直ぐ対応させていただきます!」
p.admin:
「日本政府が用意したホテルは我々に危害を加わる輩が居た直接的な証拠ですね、VIPフロアは借りられずわざと私とR子を別屋はにした事も計算された事でしょうかね…」
「残念ながら今日を含め、今後のスケジュールは日本政府側に共有しない事を決めた、次官殿もこれからの同行も控えてください!」
外務省次官:
「本当に申し訳ございません!ただし同行の件だけはどうかお許していただけないでしょうか?」
p.admin:
「なら日本政府はどう調査しますか?VIPフロアを事前に抑えた人の名簿を見せられますか?ホテル内の防犯カメラを全部確認して容疑者の写真映像を全部提供してもらえますか?」
外務省次官:
「それは…状況を持ち帰って警察の方と協議する必要がありまして…私の一存では…」
p.admin:
「これくらいもやってくれないならどの口で『このような状況は絶対に起きないと日本政府が保障いたします!』言うのかよ!」
外務省次官:
「本当に、本当に申し訳ございません!!」
怒りを収めないp.adminはロビーに降りて、ホテルの総支配人を呼び出した
慌ててやっきたホテルの総支配人に、p.adminは昨夜の件を無表情で説明した
総支配人:
「朱雀様、リコ様、当ホテルでご不快な思いをさせてしまいして申し訳ございません!」
p.admin:
「表面的な謝罪は不要だ!昨夜VIPフロアを借りた人の名簿やR子部屋を通る廊下の監視カメラ映像を提供して貰えますか?」
総支配人:
「申し上げ難いですが、これらは個人情報なので裁判所の命令でなかれば我々はこれらの情報を見せることはできません」
p.admin:
「あらそう、なら私楽園島元首として、今後は全世界のネズミグループに対して一切の協力関係を持たない、従業員とその家族の医療提供もしない事をここで宣言します」
総支配人:
「!!朱雀様!そこはどうか考えなおしてください、VIPフロアやカメラの件はできる範囲内でなんとかしますので何卒…」
総支配人は大急ぎででホテルの各部署に確認していく
暫くして、総支配人の説明でいつかの事が分かった
1.昨日VIPフロアには予約が入ってなかった、システムの間違いで外務省の予約が取れなかった事
2.昨夜、R子W子部屋を通じる廊下のカメラ映像データは存在しなかった、セキュリティカメラのデータベースは何者によって全削除されたようです
これを聞いたp.adminの怒りは収まる事はなく、ホテルのIT担当のスタッフにも呼び出す事となった
IT担当のスタッフは30代の、ちょっとぽっちゃりな日本人男性でややオタク的な見た目でした、ホテルの制服ではなくアニメ系のTシャツを着ていた
p.admin自身も情報系研究者しかもネットワーク関係には詳しい
さっそくIT担当に質問攻めにして、彼の説明によると、カメラ映像保存用のRaid5のディスクシステムが全部破壊されたようです
p.admin:
「普通なら誤魔化せるけど私には誤魔化せないよ、はっきり言って私は同業者ですから、HDDが現存しているならフォーマットされてもFATがないだけで簡単で復元できるからね」
IT担当:
「それは…HDDが何故か交換された形跡がありまして…」
p.admin:
「うそ?たまたま犯人がサーバールームに侵入して、たまたま現行のRaid5構成と合致したHDD4枚を持ち込んで、たまたまNAS管理ID/パスワードも知って管理UIでRaid5をリビルドしたというですか?」
IT担当:
「それは…」
p.admin:
「サーバールームには入室システムもありますね、そこまでできる人間は部外者とは考えられないから今日休んだ同僚でもいたのか?」
総支配人:
「いいえ、ホテルのIT関係を管理していたのは彼一人だけ…サーバールームの入室ログは早急にチェックします!」
総支配人:
「おい、HR管理部の人を直ぐ呼んでくれ!」
その時、ホテルのIT担当が顔を歪み、コソコソで何を言った後に急にホテルの入口に向けて走り出した
p.adminはこの様子を見て「あいつを確保して!」を叫んだ後に、楽園島SPらは「承知!」と返事し、走り出して直ぐホテルのIT担当を確保した
「さすがに生死の境を乗り越えた元ウクライナ軍人、並のオタクはとても敵わないね」とp.adminは思った
p.admin:
「あららどうして逃げるですか、何か不都合な事でもあるでしょうか?アメリカのエージェントさん?」
その時
ホテルのIT担当が苦虫を噛み潰したような顔して、いや、本当に何かを噛み潰したように見えた
p.admin:
「毒か!?今時毒入り義歯は古いね、日本の方々は見ましたか?君らがスケジュールを調整した結果はこれさ!」
「どうする?彼が死ぬまで高みの見物でもしますか?救って尋問しますか?」
外務省次官:
「我々は決定する権限はありません…とりあえず救急車を呼ぶしか…」
次第にIT担当表情が苦しさから痙攣となり、体も手足も変な方向に伸びるようになった
p.admin:
「我々楽園島の技術なら彼を救えます、どうしますか?外務省次官さん?」
外務省次官:
「私は…私は決められません!お許しください!!私…私は…知らなかった!!」
IT担当:
「苦しい…死にたくない…助けて…!」
混乱する現場を見て嘆いたp.adminは自衛隊SPに問いかけた
p.admin:
「ただいま、緊急避難を援用して応急手当を当てます、証人になってもらえますか?」
自衛隊SP:
「朱雀殿、了解しました!小官は責任を持って経過を証言いたします!」
p.admin:
「システム命令、あいつが飲み込んだ毒をなんとかして!方法は不問!」
p.adminの周りに居た3台の異星ドローンが光学ステルスモードを解除し、複数のロボットアームを伸ばして、IT担当を装った米エージェントの口をこじ開け
ロボットアームの先端のホースから乳白色の液体をかなり深い所まで注入した
数分後、異星ドローンから掃除機みたいな音がして乳白色の液体がピンク色となり抽出された
異星ドローン:
「応急処置完了、対象者の上呼吸器にはやけどを確認、毒のサンプルから『ジキタリス』成分を検出した」
隣に、横にになり強く咳してる米エージェントがいた
妻のW子R子は、この様子を離れた場所からただ見るしかできなかった
暫くすると警察と救急車が駆けつけてきた
IT担当(米エージェント)は病院に運ばれ、p.adminと現場にいたN君は警察官の事情聴取を応じた
異星ドローンによって採集された毒物サンプルもガラス瓶に入り警察官に渡し、自衛隊SPも「朱雀(p.admin)殿の説明に偽りなし」と証言してくれた
N君は自衛隊SP二人でスマホで録画したビデオもあり、警察官はp.adminの話を全面的に信頼するようになった
本来は警察署に行き事情聴取となるはずだが、p.adminは国賓で外交特権があるため、必要であればビデオ会議かメールで質問する対応となった
新婚旅行は元々あと二日で、明日の午後から成田空港でシグマ殿が操縦したネイビーゲーザーの輸送機に乗る予定でした
p.adminは今でもワープで妻達を連れて楽園島に戻ろうとしたが
R子のいとこに絡みまだ未解決の事が沢山いたからこのまま帰っても解決にならない
T先生とその部下がつくばの楽園島駐日大使館にいる事を知り
p.adminはつくば自宅の隣にある楽園島駐日大使館に行く事と決め、R子の身辺対策を取る事になった
p.admin:
「もう完全に日本政府を信用できないですから、自衛隊方のせいではないが、これからは自由行動させてもらう」
自衛隊SP:
「朱雀様、お待ちください!」
ホテルのロビーから正門に出る際に、頭が下に向き自暴自棄していた外務省次官の様子を見かけた
ホテルの前の広場から、楽園島一行の6人がドローンによるワープでつくばの楽園島大使館へ移動した
p.admin:
「N君、勢いにまかせて色々やってしまったけど、これで良かったのか?」
N君:
「私の命もこうやって救えてもらえたから、何も言う立場はありません…」
「ただ相手はエージェントと分かった以上、深追いせず裏で対策した方がよろしいかと…」
p.admin:
「これは半分は私の性格ですね、『得理不饒人』と言って、理を得て人を赦さずって中国語のことわざだよ」
R子:
「その、アメリカのスパイ?さんは大丈夫のか?」
p.admin:
「もともと自らが死を選んだのに、喉のやけど位に留まった事は緩すぎますね、多分尋問しても何も出ないでしょうけど」
「それよりも、やっとつくばに戻れるね、R子のいとこの件はまだ残っているだけど」
R子:
「心配して貰ってごめんなさい!」
W子:
「R子大丈夫よ、もうつくばに戻るからそこにT先生もいますし、家に戻ろう!」
W子とp.adminにとって、つくばの家に戻るのは年末年始から二ヶ月ぶりとなります
その日の夜、ネズミホテルの事件が日本のニュースにも報じられた
IT担当が心因性ショックで搬送されたと報じられ、喉のやけどと毒物はニュースには言及されなかった
ネットでは「豚の王様はパワハラ野郎かよ!」と批判が起き、アメリカ国務省からも批判的な声明を出した
なお、p.adminを接待する外務省次官もその日の内に辞任した、原因は体調不良とニュースで報じられた
#### 外務省での厳しい追及を受けた外務省次官
自暴自棄になった外務省次官が外務省に戻り、外務大臣からかつてないほどの叱りを受けた
「アメリカのスパイは防げようがないだとして、どうして現場での優柔不断っでp.adminの不興を買った?」と
「どうして茶屋遊びとか、彼の性格を事前調査さえすれば適宜じゃないスケジュールを組んだ?」とか色々叱責した
それに対して外務省次官の本心では、p.adminの私的な訪問を利用して出世したいという
彼は昭和的な考えの持ち主で、男に喜ぶような「接待」をすればきっとp.adminの歓心を勝ち取れると思い込んだ
さらに彼は「接待だけ」を注力して、p.adminの安全警備には最低限しか配慮しなかった
***
外務省の重厚な執務室。窓の外には冷たい雨が降っている。外務大臣はデスクに座り、自責の念と疲労でやつれた外務省次官を冷徹な目で見据えている。
外務大臣: 「…いいか、私は君に、楽園島の朱雀元首との関係を強化する、外交上の『金の卵』を託したつもりだった。彼は我々の国益を左右する存在だ。それなのに、君が持ち帰ってきたのは一体何だ?『パワハラ野郎』だの、『自衛隊の信頼は得た』だの…」
外務大臣は声を荒げる
外務大臣: 「なぜホテルでアメリカのスパイを防げなかった!いや、それは百歩譲って仕方ないとしてもだ、なぜ現場で躊躇した?君の優柔不断が、彼に不信感を抱かせた最大の原因だ!我々がすべきは、彼に感謝され、信頼されることだ。なのに君は、その場で彼に命を救われるという、屈辱的な立場に身を置いた。彼は救世主であり、君は無能な役人として世界に晒されたんだぞ!」
次官は顔を上げられない。彼の脳裏には、毒に苦しむIT担当、そして冷静にドローンを操るp.adminの姿が蘇る。あの時、彼は何をすべきか分からなかった。自らのキャリア、そして国の体裁。すべてが頭の中でぐるぐると回り、行動を麻痺させた
外務大臣:
「そして、これだ」
大臣はテーブルの上のファイルに手を叩きつける。それは、p.admin一行の京都での予定スケジュール表だった。
外務大臣: 「茶屋遊び…舞妓さん…芸妓さん…君は彼の性格をどれほど理解していたんだ?彼は自分の妻たちを尊重し、不要な女性関係を避けている。彼が京都の文化に興味があると言ったから、風情ある『接待』をすれば喜ぶとでも思ったのか?昭和の接待ゴルフと勘違いするな!彼は古い価値観の男を軽蔑する。それが分からなかったのか!」
次官はついに絞り出すように本音を漏らす
外務省次官:
「大臣…申し訳ございません。しかし、自分は…自分が彼をうまく接待すれば、出世できると考えていた…」
大臣はため息をつき、椅子に深く腰掛ける
外務大臣: 「…君の個人的な野心など、どうでもいい。我々が求めるのは、国家の利益だ。君は自分の出世と引き換えに、国家の威信を傷つけた。いや、それどころか、最も重要なパートナーに敵意を抱かせた。彼が我々を、アメリカと同じくらい信用できない存在だと見なしたらどうする?」
大臣の言葉は次官の心に深く突き刺さる。彼はただ、男性に喜ばれる「接待」をすればp.adminの歓心を勝ち取れると安易に考えていた。p.adminが求めるのは、そのような見せかけのサービスではなく、「誠実さ」だったのだ。そして彼は、p.adminの安全確保という最も重要な任務を疎かにしていた
外務大臣: 「朱雀元首の不信感を払拭するため、私は君を更迭する。それが彼への最大の謝罪だ。日本国民からの信頼も失墜している。君は外務省を去り、今後の人生で、今回の失敗を心に刻んで生きていくことだ」
次官は震える声で答える。
外務省次官: 「…はい。この度は…本当に申し訳ございませんでした」
彼は深々と頭を下げた。外務大臣は、その姿に一切の同情を寄せなかった。この出来事は、日本政府にとって、楽園島という新たな勢力との向き合い方を根本から見直す、痛恨の教訓となったのである
#### 世論と外交の波紋
ホテルの事件がニュースで報じられると、日本中、そして世界中で瞬く間にその情報は拡散された
『豚の王様はパワハラ野郎かよ!』
日本のネット掲示板2chでは、この見出しがトレンドになっ
警察が発表した「心因性ショックで搬送」という表向きの理由だけが報じられたため、事の真相を知らない人々は、p.adminがホテルのIT担当を精神的に追い詰めた結果だと解釈した
一般人から見れば、単なる横暴な権力者の振る舞いに映ったのだ
「朱雀とか名乗るエセ日本人が、偉そうに何様だ!」
「やっぱりチート能力を手に入れたら、人間はああなるんだな…」
という罵詈雑言が溢れた。多くの人々は、楽園島がもたらす技術や富を羨望する一方で、p.adminという人間が倫理的に自分たちと異なる存在であることを、本能的に嫌悪した。
* アメリカ国務省からの声明
事件の数時間後、アメリカ国務省は公式声明を発表した
「我々は、楽園島の執行官である朱雀椿氏が、日本のホテルで従業員に対し不当な威圧行為を行ったとの報道を深く憂慮している。このような行為は、国際社会における文明的な行動規範から逸脱するものであり、我々はこれを強く非難する。平和と安定を希求するならば、個人が持つ力を、他者への威嚇や支配のために用いるべきではない」
声明は、p.adminの行動を「不当な威圧行為」と断定し、彼が持つ異星の力を、人権を侵害する危険なものとして描写した。これは、今回の事件がNSAの仕業であったとしても、アメリカがp.adminを「正当な理由」をもって非難できる絶好の機会と捉えたことを示している。彼らはp.adminの行動を冷静に分析し、世論を味方につけるためのプロパガンダに利用したのだ
この声明は、日本政府に対し「p.adminの行動を容認するのか?」という暗黙の圧力をかける役割も果たした
著者の私は、京都の「お茶屋」文化に対して軽蔑していません
ただ、そこの本質は「大人の遊び」である以上、著者の私もp.adminの性格からすれば、たとえ権力と富を手に入れても行かないと思う
著者の自分は決して偉い人間ではなかったが、それでも2,3度くらいは当時の取引先から「キャバクラ」に招待されそうだったが、きっぱりと断った経緯がありました
だから現実の著者も、サラリーマン時代では出世しなかったね(笑)




