D-DAY+63 2027年2月末 新婚旅行 DAY1
アルファ提督から二週間の「お休み」を頂いたp.adminは、R子とW子を連れて新婚旅行に行く事となった
もちろん、W子とp.adminが結婚した20年前には既に新婚旅行に行ってた(しかも日本…)、今から見れば国内旅行的な感じでした
ただ、R子だけを連れて行くと正妻W子の心情には悪い影響しか出なさそうなので
R子からも「W子も一緒に新婚旅行に行こう」と自ら提案してきた
R子の部屋にて
p.admin:
「せっかくの新婚旅行なのに3人になってR子は大丈夫でしょうか?」
R子:
「自分が幸せを分けてもらえた身なので、二人きりの時間は将来いくらでもあるから、今はW子と3人で一緒にいきましょう」
「それに私とW子と旦那様は『ポルポ・カラマリ』の法律で夫婦になったから、3人とも立派な新婚ですよ」
p.admin:
「R子は周りも見てくる優しい人ですね、なぜこんな俺と結婚する前縁はなかったんだろう」
R子:
「それを言ったら怒りますよ!」
p.admin:
「はいはい、きっとこの俺と結婚するために待ってくれたですよ」
もちろん「p.adminを待っていた」という事はないですが、R子から聞いた話では周りや親戚から紹介された見合いの対象は、
仕事一筋で生活力0で常識難ありのおじさんや、仕事や外見は普通だけどモラルに難ありの人と、とにかく訳ありの男ばかりでした
R子はいつの間見合い相手達をAzure(p.admin)と比べてしまった
当時のAzureも太かったけど本当はR子はそこまで気にしない、他の面ではこれらの見合い対象は大きくAzureに負けていただろう
だからというわけではないが、楽園島に来た43歳まで独身、恋愛歴もないままでした
#### 『新婚旅行』
R子は大のネズミ(ブランド名)好き、特に東京ネズミランドと東京ネズミシーが好き、それは結婚する前にp.adminは既に分かった事
折角アルファ提督から2週間士官・指揮官教育の休みを貰えたことで、W子とR子を連れてた新婚旅行に行くことを決意した
もちろん、その間でどこかの衝突と抑圧で何人が死んだり苦しんだりかもしれないが
p.adminは救世主じゃないので休息も必要
異星ドローンの救援権限を留守番の幹部らに任せることにした
新婚旅行の事をT先生(駐日本大使)に話すと、付き合い外交官として元アメリカ日系N参議官を推薦してくれた
元アメリカ日系参議官(N君)は、楽園島とアメリカの本会議でアメリカ側のVXガス攻撃に巻き込まれ深刻な神経毒性症状に陥り、
月面基地の医療ベイで異星文明による治療をうけました
※当時は楽園島が防衛戦の最中でエネルギー反射パネルが展開されワープ不可の為、p.adminは怪我した日系参議官を月面基地にワープ転送するしかなかった
彼は約30日間の皮膚の再生や肺と気管支や血管の再生医療を受け、
その後に、月面基地のボランティア達の助けてもらい、30日間の強化リハビリ訓練と治療を受けました
2ヶ月が経った今、N君はすっかりと回復できた
アメリカに裏切られ事とp.adminに助けられたことで
彼は楽園島に亡命することを決意し、T先生に通してp.admin身回りの外交事務担当を志願した
p.adminは彼の事はT先生に任せた節もあり、
T先生が「信頼できる人物」として推薦してきたならp.adminも彼を信じようと決意した
日系参議官(N君)の登用は、1次政策コミュニティ解散以来初めて同年代の男を幹部として登用した事になる
N君には「楽園島外務1等参事官」と役職を与え、組織上はT先生の下に置くことになった
p.adminは、彼の命を救えたから恐らく裏切られる事はないでしょう、と前向きに思った
ちなみにこれはフラグではなく、以後N君はp.adminを裏切る事は一切にない
※
N君はp.adminより5歳下、祖父と祖母は日本人、父は日系一世で母は米在住ハーフ日系人、N君は日本的な外見なのに若くて出世した
アメリカに捨て駒として利用された残念な結果ですが、没落元研究者のp.adminは「N君はきっと自分よりも優秀なんだろう」と思っています
現時点で楽園島⇔日本つくば間は一日1往復のワープ便があり、
日本国民は許可なし楽園島に訪問できないが、楽園島住民は日本に住居を持たない限り自由往来できる
これは前の日本との会談で定めた旅行条約で、論理的にp.adminを始めとする楽園島幹部らも適用される
p.adminは「私的新婚旅行で自分の安全は異星ドローンとかで確保される」と思い日本政府に特に知らせる必要はないと考えたが、N君に止められた
N君:
「日本政府の体裁とメンツもあるので、最低限の事前告知が必要でしょう、なお、国家の体面や品格の為にワープゲートではなくポルポカラマリの輸送機で行ってください」
p.admin:
「分かった、これらの交渉はN君に任せます、ただ私的旅行なので日本政府側の付合い人は最小限にしてほしい、なんやら有力者なり著名人なりが湧いてきて妻たちの機嫌を損なうと直ぐ戻る可能性がある事を日本側に伝えて欲しい」
N君:
「了解しました、お任せください」
後ほど日本政府からの連絡があり、「要人との面会はない」と約束されたが、ネズミシーは一般客が大勢いる関係で貸し切りは難しく
警護の理由から二日後の午後4時からスケジュールしてほしいと言われた
p.adminは「これでOK」とN君を通して軽く返事した
しかしこれでは明日の旅行初日はどこに行くかと悩む事となり、一応大阪に映画スタジオの大型遊園地もあるが二日連続は何だか違うと思い、
疲れすぎず3人とも楽しめる為京都で散策することを選んだ
#### 『京都貴船山の由緒高き竜神の社』
p.admin、W子R子、N君とSP代わりの楽園島のウクライナ元軍人幹部2人がシグマ(ポルカラ星人)が操縦するネイビーゲーザーの輸送機に乗り、で大阪の伊丹空港に移動した
楽園島から大阪までは普通のジェット機並みの速度で飛行なら十数時間もかかるため、輸送機は大阪湾の海岸線24カイリ外までワープで移動し、そこから通常飛行で伊丹空港に着陸した
シグマ殿はこのままネイビーゲーザーに戻るらしく、旅行日程が終わったらまだ迎いにくれるようです
日本国内での移動は新幹線を使く事と日本政府と合意した
輸送機が朝8時過ぎで伊丹空港に着陸した
冬の朝だからか、朝の霧も少し残っていて空港は朝方特有の雰囲気が漂った
日本側は二人が輸送機外で待っていた
会談で顔見知りの外務省事務次官と、前回アメリカ本会議で参加した自衛隊幹部がいた、自衛隊幹部がSP代わりを務めることとなった
「知らない黒服のSPよりも、命を救られた自衛隊幹部の方が信頼するだろう」とN君が日本政府と交渉してくれたようです
※自衛隊幹部は前のアメリカの襲撃直後にp.adminが彼らを内閣府屋上まで返送した経緯があった
p.admin一行は外交使節として礼遇され、N君がちょっと何かしら手続きしただけで異星パスポートを入国審査官に見せる事もなかった
一行は特設されたルートで入国審査なしで直接に到着ロビーに案内された
伊丹空港から貸し切りの特別運航列車に乗り
p.adminらは朝ご飯も食べてなかったので列車内で日本側が用意したやや豪華な懐石弁当を食べた(推定5000-7000円程度)
列車はJR線に京阪電車路線まで直通運転したため、直通運転で京阪電車の終点である出町柳駅まで1時間程で到着した
そこから貸し切りの叡山電鉄に乗り、貴船口まで乗りました
* 一行が目指すところは、貴船神社
p.adminは高校生時代からは大の京都好き、日本在住までに十数回も京都に訪ねた事があった
特に京都の貴船神社の独特な清々しい雰囲気に惹かれ、「神」自体は信じないがより寛容的な日本神道の「自然信仰」は寧ろ好感を持っていた
貴船口駅で、黒塗りのマイクロバスが待っていた
p.adminは「せっかくなので途中の風景も見たい、自分の足で歩こう」と言おうとした時に、W子に注意された
R子はまだ少し歩き難い状態であることを思い出した
途中の店や川床の景色をゆっくり見えないと少し残念だが、R子の体調を最優先にした
p.admin:
「なんかごめん…」
p.admin:
「大丈夫ですよ、気にしないで」
バス内、外務省次官が一つのカメラを渡してくれた
この前Azure(p.admin)とニコンと約束したカメラレビューの件で「メカニカルシャッターを搭載したZ9試作機」を思い出した
渡されたZ9のカメラボディに「テクニカルサンプル」を書いたシールがテープでボディーに張られて、
明らかに「売り物」じゃない様子はカメラ出所を思わせる、レンズは「NIKKOR Z 24-120mm f/4」が装着された
因みに今回もp.adminも自分のお金で買ったCanon R1とレンズ「RF24-105mm F4 L IS USM」を持ってきた
流石に大型カメラ2台同時を使うわけではないので、Canon R1はN君に簡単な操作方法を教え、彼に任せる事にした
バスは貴船神社の鳥居まで到着した一行はバスから降り、名物の灯篭階段に上った
p.admin:
「R子大丈夫?」
R子:
「これくらい平気よ、Azureは過保護だよ」
W子:
「こいつ最初は駅からここまで歩くつもりでしたよ、酷くない?」
p.admin:
「ごめん、その時は気づかなくて…」
※貴船口駅から貴船神社までの距離は2kmあった
境内は神職と神社側のスタッフ以外に誰もおらず、「ここも貸し切りか」と思いp.adminはちょっと申し訳なさを感じた
p.adminは新たに貰ったNikon Z9であちこちを撮影した後に、3人は簡単に参拝した後に名物の水占いみくじを引いた
結果、三人とも大吉でした
「まさか工作されか?」と遂に思ってしまうがそうでもなかったらしい
おみくじを引いた後に
「神社の拝殿で祈祷式はいかがでしょうか?」を神職の宮司さんに聞かれ、神社側も折角用意しただろうと思いp.adminは同意した
巫女さん:
「簡単な衣装を用意させていただきましたので、よろしければお着替えをなさいますか?」
因みに、p.adminはポロシャツと運動用のパンツ、W子とR子はちょっとお洒落な洋服を着ていた
R子:「え?着替え?」
すると、即席の結婚式を思わせる展開が再来した
6人の巫女がやってきて、それぞれW子とR子の髪型係、化粧係、衣装係に与えられたらしい
神社側は妻達の着物として白無垢や色打掛それぞれ2着を用意し、神社の舞殿に展示された
p.admin:
「薄々予測したとは言え、ちょっと強引だな(笑)」
W子:
「私はこの紅葉色の色打掛にする、R子は白無垢にしましょう?」
R子:
「そんなの恥ずかしいよもう無垢じゃなくなったもの、私もこの青い色打掛にしますよ」
その様子を神社の神楽女(見た目は巫女と似てる)が見て、
白無垢の本来の意味を説明し「白無垢は必ずしも処女である必要はない」の事も説明された
その結果、R子はW子に強く勧められたまま白無垢を着ることとなり、
神楽女と巫女達に併せて6人は彼女達を社務所に連れ込み、ハイスピードで仕上げていくらしい
男のp.adminの衣装は「相撲サイズの紋付き羽織袴」が与えられた
着用は宮司さんが着用を少し手伝って貰った、化粧と髪型は特に何もない
カメラを首にぶら下がるのは無理なので、社務所に保管してもらった
凡そ15分後、明らかに花嫁姿のW子とR子が拝殿に現れた
p.admin:
「どこか祈祷式かよ、もう成り行きでいいや」と苦笑いした
W子は紅葉をモチーフした赤とオレンジを交えた着物で、R子は白無垢を着用した
彼女達は顔は舞子のように真っ白ではなく、普通の化粧よりやや強めの白を付けた程度でしたが、口紅は鮮やかでとても目立つ感じでした
そして祈祷が始まり、神様へ「祝詞」を述べた宮司と共に雷の音がして、今まで曇り時々晴れの天気は一気ににわか雨となった
祝詞が終わり神主が「大幣」を3人の頭の上振り払い鈴を鳴らす頃には、雨が止み雲の隙間から光が漏れ、とても幻想的な景色となった
神主に「たかおかみのかみ」のご顕現と言われ、p.adminは「そう思わないけど雰囲気を壊さないていこう」と思い、形式的に軽く頷いた
祈祷式?の後、宮司さんは申し訳ない表情で言った
宮司さん
「本来は一番古き社で奥宮への参拝も望ましいですが、連日の雨で道路に巨石が落ちたせいで、車で奥宮に行くとかなり遠回りしないといけない」
p.admin:
「落石なら簡単に退きますよ、お手伝いしましょうか」
と返事したら、宮司は電話で当地の役所関係と連絡し、しばらくしたらOKを貰った
p.adminとW子R子は着物のままでマイクロバスに乗り、バスが暫く走ると細い道をほぼ完全に塞ぐ巨石が目の前に鎮座していた
右側からかろうじて人と自転車が通れる幅があって、現地住民はそれで往来していた
宮司さんと駆けつけてくれた現地役所の人達が簡単な交通整理をしてもらい、p.adminはドローンに巨石を退けるように命令した
p.admin:
「折角貴船山の石、このままもらいましょうか…」
「システム命令、目の前の巨石を周囲にダメージをつけないように持ち上げ、上空200M程度上昇したうちにワープで楽園島の海上プラットフォームの空きスペースに転送しろ!」
するとあっという間に巨石が完全に退けられ、若干ダメージを受けた路面と土が残されたが車が通行できる状態となった
宮司:
「すばらしい…この方こそイザナギ様の現身ではないのか?」
現地の人々も、驚愕の表情を隠せませんでした
***
その後、p.admin一行は貴船神社の奥宮に参拝したのちに、本殿社務所で化粧を落として衣装を返すつもりだが、
宮司さん:
「衣装は巨石除去の代わりというかなんというか、奥様方が貰っていただければ我々の光栄です」
と言ってプレゼントとしてもらって欲しいと言ってきた
p.adminは色々悩んだが、結局受け入れることとなった
色々あって時間は昼となり、一行は神社近くの料亭の川床で、名物の鍋と鮎の塩焼きを頂いた
午後は京都市内に戻り、四条河原町と千斗町と花見小路で散策した
R子:
「ここで歩くなら色打掛を選べばよかったね、白無垢は一回しか着れないし…」
N君:
「R子奥様、着物はW子奥様とR子奥様に、色打掛と白無垢を2着ずつ拝領いたしました」
R子:
「え?そうなの?ちょっと申し訳ない…」
p.admin:
「またやられたかよ、貴船神社は恐らく政治的な意図はないだろうけど」
夕暮れの時、p.adminは四条大橋から北の方を見ながら、感慨深い気持ちとなり
最後にここにきたのはAIST出張の時で凡そ10年前、色々変わりましたね
夜、日本側が用意したホテルに戻り、リビングルームと部屋三つ備えたVIPフロアが提供された
皆疲れたのでレストランに行く気が起きなくてルームサービスで簡単なご飯を食べた
p.admin:
「N君、私達は私的旅行なので日本政府に費用を負担させてはいけない、ホテル代は後で清算して日本政府に渡すように」
N君:
「執行官殿、了解しました」
就寝時、p.adminはどの部屋に寝るべきが全然思いつかなくて、素直にW子とR子と相談した
p.admin:
「正直わからないので聞きます、今夜俺はどこに寝れば良いんだ?」
R子:
「まだ本調子じゃないので今日はW子と寝た方がいいかな?」
W子:
「まだ新婚旅行初夜ですよ、あなたはR子の傍にいなさい」
R子:
「W子さん…」
p.admin:
「じゃ3人で寝れば?」
W子:
「それはちょっと…」
p.admin:
「じゃR子が寝たまでに俺はR子の傍にいるよ、夜中におしっこで起きる癖があるのでその時でまだ部屋を変えるよ」
p.adminはまずR子の部屋に行き、今日の出来事を話しながら眠気が起きそのまま眠りについた
夜中、トイレに行く時に時計を見たら朝4時となり、p.adminは静かにW子の部屋に移動してW子の傍で横になった
途中少し啜り声がして、p.adminはW子の目の下に軽く触ると、W子は泣いていた事が分かった
p.adminはティッシュを取りW子の涙を拭き、彼女を抱きしめるように再度夢に落ちた




