D-DAY+61 2027年2月末 即興の結婚式
p.adminがR子にプロポーズしてOKを貰った次の日
R子が担当した楽園島戸籍管理システム(エクセルファイルから毛が生えたもの)に以下のように登録した
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本名:Azure 別名:朱雀 椿 配偶者:W子(別名:朱雀 かおり) 配偶者:R子(別名:朱雀 リコ) 役職:楽園島執行官、ネイビーゲーザー司令官
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W子とR子自身の戸籍データにも同様に配偶者に(Azure 別名:朱雀 椿)を登録した、なお配偶者の表示順番は結婚日時順でしたから他意はない
p.adminは披露宴は後日行うとして、現時点では騒ぎを起こしたくない為、楽園島内で大きな宣伝はしなかった
朝10時頃に密かに楽園島ホームページ内の電子掲示板(Wiki/BBS兼用)で知らせた
因みに、楽園島ホームページはインターネットに存在せず、独自の全地球規模802.11ah巨大イントラネットの上に構築されている
華美なUIはなく、古き良き時代のシンプルなウェブページで、2chと似ている掲示板機能が備われてる
披露宴については
楽園島内では質素な中央広場があるが、教会や神社など結婚式が行える施設がない事から
これくらいの告知で良いかなとp.adminは考えた
***
この日、p.adminはR子との関係が安堵となる事もあり、W子の様子にも注意深く見て傍に付き添う事となった
時刻が昼に近く11時頃、何気なく中央広場に人が集まる事を気づいた
p.adminは何事かを思って見に行くと、なんと広場の中心部に既にウェディングドレスを着せられたR子が居ました!
p.adminは周りの職員に聞いたら、気が利くR子(内政総括)の所の職員さんが結婚の事の分かり、数人が至急ウェディングドレス2着を調達したらしい
一人の内政係の職員がp.adminを見かけると駆け込んできて
職員A:
「執行官殿、大きなサイズの白いスーツは探してもすぐには用意できず申し訳ありません、もし手持ちのフォーマルな服があればそれを着てください」
p.admin:
「スーツはいつも着ている黒いの一着しかもってないよ、うん…分かった何とかします」
職員B:
「W奥様もウェディングドレスを用意しましたので、よかったらこれから私達が着飾りをお手伝いします」
と言い、3人の職員が集まってきた
p.admin:
「W子はまだ何も知らない、準備もしてないと思いますが」
職員C:
「執行官殿はご心配には及びません、我々はなんとか致しますので(笑)」
3人はそれぞれ衣装係、化粧係、髪型役になってるらしい
p.adminは仕方なく彼女達を楽園島の自宅に連れて戻った
***
家まで連れて来れた職員3人を見てW子もびっくりした
p.adminは自ら説明しようとしたが職員らに止められた
職員A:
「執行官殿は白いスーツの用意をお願いします、W子様は我々が説明しますので…」
p.admin:
「分かった
妻のW子も突如として起きたの事態を把握できてなくて、
3人の着飾係?がW子説明しているようで、とりあえず彼女達に任せることにした
***
p.adminは昔から大のスーツ嫌いで、20年前W子と結婚するとき仕方なくスーツ1着をオーダーメイドしたが、
以来長い間スーツは2着しか持ってない(Ph.D取得時T先生の指摘にもう1着作った)
楽園島の執行官になってから日本、アメリカとの会談もその同じPh.Dの時の同じスーツを着ていた
今回もあのスーツを着るしかないね…と思うp.adminでしたが
p.admin:
(そうだ、こんな時にこそ異星文明パワーだよね)
p.admin:
「システム質問、一時でも黒いスーツの見た目を真っ白にすることが可能でしょうか?」
異星タブレットより回答:
「解
1.ホログラムで疑似的な白色をスーツ表面に演出させる
2.ネピュロンのレプリカマシンで白いスーツを作る、所要時間は2分」
p.admin:
「(できるんだ…)では2をお願いします、」
異星タブレットより回答:
「命令理解した、スーツ完成後、シグマ副艦長が届けします、予測到着時間は10分後です」
p.adminは一瞬「何故異星タブレットはシグマさんと直ぐ連携できた?」と疑問視した、
まさか異星タブレットの裏にはAIではなく誰かが待機しているだろうか
後でシグマさんにじっくり聞く事にして、今は目の前の課題が先決だ
異星ドローンはレーザースキャンでp.adminの古いスーツをスキャンし、
スーツのサイズと形データを「ネイビーゲーザー」のレプリカマシンに送信したようです
可視光によるLidarスキャンなら表面の形しか取れないはずだが、赤外線レーザーやX線レーザーなら透視も可能だ
この辺は彼らポルポカラマリ人は人類より先進しているので、多分スーツ内部の作りも全部データとして取れたと思った
W子は今職員3人に囲まれていて、化粧、髪型、ドレスやらを着飾りしている最中のようなので、10分ならなんとかなるでしょうと思った
10分後、マジでシグマさんが家の前まで来てくれた、ポルポカラマリ人が楽園島に来たのはこれが初めてのはずだが…
p.adminはシグマさんに簡単に挨拶して、すぐにレプリカマシンによって製造された白いスーツを持って部屋に戻り、
スーツは白だけど作りとデザインは前の黒いスーツと同一だが、表面の触り心地も材質もかなり違うようだ
はっきり言って新しい白いスーツは上品で高級感が溢れる
それにサイズは全く同じの為、着るのに何の問題もなかった
p.adminが白いスーツ着ると、ちょうど妻のW子の着飾りも終わったようだ
p.adminとW子が着飾係3人に急がされて中央広場に戻ると、美しいく化粧されて白いウェディングドレスを着ていたR子が待っていてくれた
よく見ると見わりに幹部ら全員、楽園島滞在中のW子とR子の両親と親戚、知人と関係者と多くの住民も待っていた
p.admin:
(どうしてこんな短時間で…異星ドローンによるワープがあるとは言え、みんな有能ですね)
T先生:
「Azure君はまさか博士審査の時と同じスーツかと思ったが、執行官殿になって動きは早くなったね!」
p.admin:
「あはは、スーツはシグマ殿に助けられた」
楽園島の中央広場の中心には、噴水のある小さなプールがありました
その前に、簡単なステージが建てられた
ステージの上を見ると、結婚立会人らしい席に立っているのはシグマ殿ではなくアルファ提督ではないか!?
楽園島の皆は当たり前のように全然驚かなかったね
隣のシグマさんに急がれる中、p.adminとW子、R子がステージに上りました
#### 誓いの言葉
アルファ提督:
「我はポルカラ星第9船団総司令官であるアルファだ!これよりAzure司令とR子、W子の婚姻認証プロセスを行います」
p.admin:
(アルファ提督の言葉使いはちょっと…まあいいか)
アルファ提督:
「Azure司令は、W子、R子を平等に愛し、食糧を分け与え、彼女らの子供と子孫を公平に接することを誓いますか?」
p.admin:
「誓います!」
アルファ提督:
「W子は、彼を夫として愛し、巣を守り、子を育ち、貞操を捧げることを誓いますか?」
W子:
「誓います!」
アルファ提督:
「R子は、彼を夫として愛し、W子を家族として尊敬し、W子と共に巣を守り、子を育ち、貞操を捧げることを誓いますか?」
R子:
「誓います!」
アルファ提督:
「これより、Azure司令とR子、W子の婚姻は我々ポルカラ星のルールで正式に承認されました」
すぐにシグマ殿から私とW子、R子に指輪を渡された
p.admin:
(あ!あまりにも急だから指輪はすっかり忘れていた)
アルファ提督:
「その指輪はポルカラ星の家族の証だ、いくらか便利機能もある、後でシグマ君に聞くように」
p.admin:
「了解しました、アルファ提督殿、今日はありがとうございました!」
W子、R子:
「ありがとうございました」
アルファ提督:
「Azure司令の司令官教育は、2週間休むとオメガ君とシグマ君に通達した、人類の文化に従い新婚旅行に行ってよし」
p.admin:
「了解です、ご配慮ありがとうございます」
p.adminは直ぐ、ポルカラ星の結婚指輪?をW子とR子の薬指に嵌めた
p.admin自身の分はR子が嵌めてくれた
指輪はp.adminの薬指のサイズとピッタリでした、
表面に水草をモチーフした彫りがあり、外側に色が暗い帯状あり、表示機能があるらしく、よく見たら昼間でもゆっくり青く点滅しているように見える
指輪を触ると淡い青い光を放つ、p.adminは(これON/OFFできるかな…)と余計な事を考えてしまう
p.adminとW子は勿論20年前の結婚指輪は持っていたが、p.adminは太いための指が太く夜市で買った安い大きな指輪を使っていた
W子の方はショッピングモールで売っている10万円程度の指輪を結婚指輪として使った
あの時は結婚指輪だけにお金を使いたくない主義だったので、それほど重視しなかった
p.adminが余計な事を考えている時に、S子の姿が見えた
S子:
「R子、W子、Azure、ご結婚おめでとうございます!」
p.admin:
「S子、ありがとうございます!」
S子:
「ふふふ…花嫁は私じゃなくて意外でした」
R子:
「え?」
S子:
「あはは冗談ですよ、私は『今は』まだ結婚する気はないの!」
R子:
「そうですか…」
S子:
「ただしね、Azureさん、私が気が変わったら私の席はちゃんと残してもらいますよ!」
p.admin:
「これってどういう意味?婚約のコールオプション?」
S子:
「あらお詳しいですね…フフフ、気が向いたらW子に相談させてもらうから今は気にしないで!」
W子:
(無言)
その後、気が利いたボランティア達ちょっとご馳走になる料理を中央広場に沢山設置されたテーブルに並び、即席の立食パーティーになった
現場に居た住民の呼びかけで、楽園島の半数以上の住民が噂を聞いてわらわらと中央広場に集まってきた
途中から食べ終わった人も手伝い側にまわり、人数が多いので料理もすぐ無くなり
内政担当の職員は緊急で追加料理を日本各地から異星ドローンのワープ搬送で調達した
午後4時頃になって、ようやく乱入した参加者全員に料理をふるまうことができた
後で職員らに聞くと、彼女らは緊急で日本のあるホテルのビュッフェレストランに助けを求めたらしい
レストランが緊急休業を決め、シェフが料理を完成次第にホテル屋上に運び、そして異星ドローンによって楽園島にワープ転送した
結局この日、ホテル側のすべての食材を使い果たしたらしい
夕方、中央広場は成り行きで露天の酒盛り大会と化けていた
職員らはビール等在庫を放出しながら、日本のとある量販店に酒類やつまみを大量に買い付けもして提供し続けた
p.adminはこの様子をみて、流石に疲れったのに自室に戻ろうとすると、
W子は「今日はぬいぐるみと寝るからあなたはR子の所に行きなさい!」と言われた
p.admin:
(そうか、私って鈍感ですね…R子には悪いことをした)
p.admin:
「R子、気付かなくてごめんね」
R子:
「良いですよ、休みながらゆっくり話しましょう」
しかし、ここまで来てp.adminはR子にキスした事すらありませんでした
アルファ提督は「新郎が新婦にキス」とか言ってないせいで、完全にタイミングを逃してしまった
***
夜、R子の私室:
p.adminにとって、R子の私室に来るのは今回は初めてなので少し緊張した
中には女の子らしく、「ネズミ」キャラクターのぬいぐるみが沢山飾られていた
部屋はこそまでピンク色ではないが、なんだかんだ「少女の部屋」と匂わせる雰囲気でした
ちなみにR子はp.adminの一歳下で、2027年現在は44歳です(身体年齢40歳、若返り治療4年分効果)
p.admin:
「お邪魔します!」
R子:
「え?違うでしょう?」
p.admin:
「あ、ただいま…」
R子:
「おかえりなさい、旦那様…」
p.admin:
「あはは、おっさんにはこの呼び方に弱いよ、勘弁して」
p.admin:
「これで私達はポルカラ星の法律で夫婦となりましたね、アルファ提督が急に地上まで降りてきてびっくりしました」
R子:
「そうね、アルファ提督は司令授与式(i.e ネイビーゲーザー初登艦の日)以来ですね」
p.admin:
「あの時はこうなると全然考えてなかったね」
R子:
「後悔したの?」
p.admin:
「まさか、R子と結婚できて幸せですよ…そういえば付き合いもキスもなくいきなり結婚でワープより早いですね、あはは…」
R子:
「キス、する?」
p.admin:
「はい、よろこんで…」
この夜、身体年齢41歳(若返り4年分)のp.adminはR子と長い夜が始まった
R子は初めてだったので、p.adminはあらゆる「配慮」と、理性と感性と欲望と戦いながら
R子何とか結ばれた…という結果でした
事が終わり
p.adminは鎮痛剤をR子に飲ませた
R子は「とてもやさしい旦那様で幸せでした」と言って、軽くキスしてくれた
#### 『ポルポカラ星の結婚(家族)指輪』
1.家族間で量子通信による双方向の音声伝達ができる、使い方は指輪を片耳に充てること
2.生体センサで家族の身体状況を把握し、緊急時他の家族メンバーに警告する
3.指輪表面をタッチすると光を放つ、懐中電灯の代わりになる
4.指輪表面をダブルタッチすると、個人情報のホログラムを指輪の上に50cmx50cmサイズで30秒間表示される
5.指輪を手で回すと、2Mの生体保護用シールドを展開することができ、継続時間は48時間まで(再充電可能)
6.バッテリーは異星合成分子固体バッテリー、重さは3グラム、人類のエネルギー単位を換算すると20KWh、異星ドローンや設備によってワイヤレス充電可能
後書き:
Azure(p.admin)は、物語開始から2年近く、ようやくR子と結ばれた
この物語自体は「SF」ですが、著者のリアルの人間関係をシミュレーションして「一番あり得る形」でp.adminの「夢」を実現してあげた
ただ、「花嫁は私じゃなかった!」を心で叫んだS子の反応は怖い、「志村!後ろ!」並みに怖い(笑)
p.adminは本当に愛しているのはR子であり、S子は現時点で「有能で信頼できる同僚」に過ぎない
R子もまた44歳になってから、いきなり恋愛、付き合いと結婚の一連の人生イベントを短時間で起きて、彼女の人生はこの一年間で凄く加速されたと思っただろう
ある意味これは昔の「お見合い結婚」と類似しているが、、付き合いもキスもしなかったのに彼p.adminの妻になっていた
しかし仲人(W子)が居ても、Azure(p.admin)もR子も強制されていませんし、当事者の二人も両想いでした
不器用な二人は、こうした強い「きっかけ」がなければ、お互いに好きなままでもいずれ離れ離れになる事が多い、悲しい事で
結婚20年の妻のW子も忘れてはなりません、もう「恋愛感情」は時間と共に少なくなるが「家族の愛と信頼」は強い
W子にとって、「夫」は「彼氏」ではなく「夫」なので、その意味は今後も変わらない
「たとえ豚のような夫でも」自分の親友に分ける事は、W子にとってはとても大きな決断とも言えるでしょう
とにかく、Azure(p.admin)とR子が結ぶ事ができて良かった
子の結果は「純粋な愛」の体現で、著者自身の理想な形を描いている
何かを例えるとすれば
新居昭乃さんのアルバム「降るプラチナ」の中の「愛の温度」という曲は
一番著者が描写したいイメージに近いかもしれません




