D-DAY+4 2026/12下旬 「日常」と名付けられた「宝物」
米軍第七艦隊の空母二隻が台湾から離れた次の日、トランプによって台湾向けも100%関税が発表された
そして、台湾の株式市場は暴落した
ただ、こればかりはアメリカの合法的な権限であってp.adminは静観を選んだ
一方、p.adminはT先生H先生を通してアメリカの大手テック企業に「カナダに転移してほしい」と打診した
台湾とゆかりがあるNVIDIAとAMDは、前向きに検討するが時間はかかると返答し、p.adminは「転移を決めるなら建物と工場などの設備の物理移転を支援」と約束した
一方、IntelとFacebook、AmazonとGoogleは、カナダへ転移を拒否した
なお、某EV大手は、新中国での製造を拡大したいと述べた
中正紀念堂で行われる青空国会では、緊急命令法と戒厳法、刑事訴訟法の修正案の2読が採決され
SHO代理総統は「立法委員の職権行使に尊重するので立法院に戻してほしい」と交渉したが、
議長らは3読通過して覆議権が行使されないを確認できない限りでは通常の会議場所(立法院議場)に戻らないと回答した
こんな時に、日本外務省経由で「アメリカ側が停戦の交渉をしたい」と知らされた
#### 『アメリカ捕虜の処置』
楽園島を始め日本、台湾の情勢はD-DAY+3の時点で小康状態となった
現在楽園島では楽園島防衛戦で凡そアメリカ海軍の捕虜を1000人拘束し、ウクライナ元軍人50人で構成された管理組織で日常管理をしている
尋問して海軍の口が堅く、刑罰も「楽園島は現時点で法律は存在しないから」恣意的になるので、
アメリカと交渉して捕虜を解放しアメリカに送還したいとp.adminは考えています
この事についてT先生と相談すると、日本政府に仲介させた方が良いとアドバイスされ、交渉はT先生に一任することとなった
日本の仲裁の下で行われたアメリカと楽園島の停戦交渉会議は、日本外務省で行われた
今回は日本政府は積極に関与し、アメリカに圧力をかけるように働いた
米側では米大使、国防長官、海軍作戦部長が参加
楽園島側はp.admin、T先生が参加
日本側は外務大臣、官房長官、海上自衛隊海上幕僚長が参加
p.adminは「有利な停戦条件」よりもアメリカに「今後の戦闘や覇権への執着」をやめさせたい
そして1000人の捕虜は面倒くさいので返したい、T先生はより戦略的な考え方でコマは安易に捨てないとp.adminに補佐、助言する立場になった
また、アメリカ大使館の襲撃の再来を防ぐため、楽園島側は最初から最後までホログラムを通して交渉した
途中は概ね順調に進み、大型タンカー船や通常動力潜水艦の返還などは言及されなかった
亡くなった米軍の156人についても言及されなかった
日本EU新中国などの主要国はある程度戦闘の実情を把握しているが、
楽園島周辺の戦闘に関するのニュースでは世界中に一切報じられず、
アメリカにとってもよほど都合が悪いでしょう
後日、日本の仲裁の下で
「アメリカと楽園島間は1年間お互いに戦闘行動を行わない」を条件に米軍捕虜1000人を日本政府の指定地点にワープで送還した
#### 無益なゲーム
場所:日本外務省 特別会議室
会議室は、三つの陣営が向かい合う形で配置されていた。中央には日本の外務大臣と官房長官、右側には米軍関係者、そして左側にはp.adminらがホログラムで登場している
日本外務大臣:
「では、これより、日本国を仲介とする、アメリカ合衆国と楽園島の停戦交渉会議を開始します。双方、まずは現状の認識からお願いできますでしょうか?」
米国務長官:
「…まず、我々アメリカは、今回の件がp.admin殿の、いや、楽園島の持つ未知の技術によって引き起こされたことを認めます。我々は、楽園島が平和的な目的で活動することを望んでおり、不必要な軍事行動を避けるため、1年間の停戦を提案します。」
米国の言葉に、会議室全体に緊張が走った。彼らは、自らの敗北を認めたのだ。
p.admin:
「感謝します。しかし、我々は停戦だけを望んでいるわけではありません。我々の目的は、無益な争いをやめさせることです。今回の戦闘で、貴国の軍人とは言え156人の命が失われました。彼らの命は、アメリカの覇権への執着のために失われたのです」
米海軍作戦部長:
「p.admin殿、我々は多くの犠牲者を出しました。しかし、彼らは国家の命令に従ったまでです。あなた方が我が国の兵士1000人を捕虜としている以上、我々は…」
T先生:
「作戦部長、お待ちください。彼らが捕虜となったのは、p.admin殿が彼らの命を救おうとしたからです。もし、p.admin殿が本気で彼らを無力化しようとすれば、彼らは皆、海兵隊員と同様に…」
T先生の言葉に、米側の顔色が変わった。彼らは、p.adminの力の真髄を理解し始めていた。
官房長官:
「では、本題に入りましょう。楽園島側は、米軍捕虜について、どのようなご意向でしょうか?」
p.admin:
「我々は、彼らを無条件で解放します。彼らは、ただの兵士です。我々の戦いは、彼ら個人に対するものではありません。ただし、解放には条件があります」
米大使:
「…条件だと?いったい何を要求するつもりだ?」
p.admin:
「要求は二つです。一つ、今後一切、核兵器や放射能爆弾の製造を試みないこと。そして二つ目、今後一切、他国の内政に軍事力をもって介入しないこと。これらが受け入れられれば、我々は直ちに捕虜を解放し、彼らの無事を保障します」
米側は、p.adminの予想外の要求に沈黙した。彼らが求めていたのは、捕虜の解放と停戦という「駒の交換」だったが、p.adminが突きつけてきたのは、アメリカの国家戦略そのものの変更だった
米大使:
「それは…我々が決定できることではありません」
p.admin:
「我々の答えは変わらない。捕虜は面倒なので返したい、しかし、彼らの命を無駄にしないためにも、アメリカの『無益なゲーム』をやめさせてほしい。これは、あなた方と我々、そして世界の未来のためです」
T先生:
「p.admin殿、一つ補足させてください。アメリカ側の皆さんも、ご承知の通り、p.admin殿の技術は、環境問題、食料問題、そしてエネルギー問題など、人類が直面するあらゆる課題を解決する可能性を秘めています。我々は、この技術を、覇権争いのためではなく、人類全体の幸福のために使いたいのです。捕虜の解放は、その意思表示です」
米側は、T先生の言葉に、p.adminの行動の真の意図を理解した。彼は、単なる技術者ではなく、新しい世界の秩序を築こうとする「革命家」だったのだ
米海軍作戦部長:
「…わかりました。我々はこの場で結論を出すことはできませんが、p.admin殿の意向は、必ず本国に持ち帰ります」
p.adminは静かに頷いた。交渉は、彼の勝利に終わったのだ。彼は、捕虜という「駒」を使い、アメリカの国家戦略という「盤面」そのものをひっくり返そうとしていた
#### 楽園島への帰還
アメリカとの停戦を結んだ日の夕方、p.adminは月面基地からワープで楽園島に帰還した
楽園島の周りにある12基?の海上プラットフォームの灯台により周囲の真っ暗な海面を薄っすらと照らしている
外ではまだ夕暮れなのに、シールド内は防衛用のエネルギー吸収(反射)パネルの為に真っ暗です
3階建ての建物の上にはちょっとした鉄塔があって、一番上には灯台になっている
これは所謂「ここより先は楽園島だから入っちゃうだめだよ」と、飛行機が間違って侵入することを知らせる為の物であった
p.adminは海上プラットフォームに立ち、エネルギー吸収(反射)パネルをシステム命令で自動収納させた
p.admin:
「システム命令!エネルギー吸収(反射)パネルの設置を全部解除し、収納コンテナに戻せよ」
シールド内周にぎっしり埋め尽くされたパネルは次々と剥がれて、空中で折り畳みながら上に開けたコンテナの中に入った
20分後、夕暮れとは言え楽園島には「光」が戻った
アメリカとの停戦を結んだ時点でp.adminは直ぐにR子に知らせて、住民の地下避難も合わせて解除された
p.adminは楽園島本島に戻ると、妻W子とR子が迎えてくれた
実際に会うのはただの一週間ぶりなのに、ずっと長い時間会ってなかったのような
ホログラムでも出会えるけど、「本物」を見るとはやり何が違って、そこに実在した、生きているような強烈な感情が浮ぶ
p.adminはW子そっと抱きしめた
p.admin:
「ごめん、またせた…これでようやく『家』に帰れるようになった」
p.adminはふとR子の方を見ると、R子は控えめにも嬉しく、真摯な表情をしていた
R子:
「Azureさん、お帰りなさい!そして、おつかれさまでした…」
妻のW子は何かを考えてp.adminに向かって言った
W子:
「あなた、R子のことも抱きしめてあげて、彼女は島を守る為に一番苦労したのよ」
R子は少し照れくさそうに、そして謙虚に首を振った。
R子:
「え?W子…そんなの恥ずかしいよ、Azureも無理はしないで…私は大丈夫です」
p.adminは躊躇した
しかし、R子はそんな彼の両手をそっと握った
その瞬間、p.adminの心に何かが深く響き、やがて抑えきれない感情となってあふれ出した
気づけば、彼の目からは自然と涙がこぼれていた
p.admin:
「みんなが無事で、本当に…本当によかった」
彼の言葉とともに、涙は号泣へと変わり、その場に崩れ落ちた
W子とR子は、p.adminの頭や肩をそっと撫でた。
R子:
「Azureさん…もう大丈夫だから…私もW子も大丈夫だから…落ち着いて!私は…私は…」
R子の目からも、一筋の涙がこぼれ落ちていた
W子は何も言わなかった。ただ静かに、p.adminの頭を撫で続けた
十分ほど経ち、3人はW子とp.adminの居室に戻った
R子が入れてくれた温かい紅茶を口にして、p.adminは少しずつ落ち着きを取り戻していった
ようやく、「家」に帰れたのだ
***
その後、p.adminは楽園島の主要メンバーと一通り挨拶と感謝を述べた後に、
約1000人のアメリカの捕虜を世話しているウクライナの元軍人達と面会し、
感謝の意を述べた共に「給料として年10万ドル相当」を支払いすることを約束した
楽園島の初歩的軍事組織として彼ら約50人のウクライナの元軍人を雇入れ、
中隊長歴がある1人をリーダー(隊長)として任命し、小隊長歴のある3人を副隊長として任命した
また、軍事アドバイザーとして台湾のD元国防部長を招聘したいとH先生(大使)に伝え、交渉は先生に任せることにした
#### W子の決意
p.adminが仕事のため、執務室を出ていった後、居室にはW子とR子だけが残された。部屋は静かで、先ほどの感動的な再会の余韻がまだ残っている。R子は、カップに入った紅茶を両手で包みながら、静かに座っていた。
W子:
「R子、少し話があるの」
W子の声は穏やかだが、どこか真剣な響きがあった。R子は少し緊張した面持ちで、顔を上げた
R子:
「はい、W子。なんでしょうか?」
W子:
「あなた、Azureさんのことを…どう思っている?」
R子は、W子の問いに言葉を詰まらせた。彼女がp.adminに抱く感情は、誰にも言えない、しかし確かなものだった
R子:
「え…?私は…彼のことを、とても尊敬しています。そして…彼を守りたい、と思っています」
W子は微笑んだ。彼女は、R子の気持ちをすべて見抜いていた
W子:
「…そう。私はね、彼と出会ってからずっと、彼を守ってあげたいと思ってきた。でも、今回のことで分かったの。彼を守るには、私だけの力じゃ足りないって。彼は、私たちの想像をはるかに超える重いものを背負っている。一人で背負うには、あまりにも重すぎる」
R子は、W子の言葉を静かに聞いていた。
W子:
「あなたは、彼がこの島で一番信頼している人。誰よりも彼のことを理解している。そして、誰よりも彼を助けたいと思っている。…だから、R子」
W子は、R子の手を取った
W子:
「もしよかったら、彼の二番目の妻になってくれないかしら?一緒に、彼を守って、支えてあげてほしいの。これは、私からのお願いよ」
R子は、驚きで言葉を失った。しかし、喜びよりも先に、畏れと遠慮がこみ上げてきた。自分のような者が、あの『p.admin』の隣に立つなど、おこがましいのではないか
R子:
「W子…私は…そんな、おこがましい。私は…彼にとって、ただのサポートメンバーです。それに、私なんて…」
R子は、どもりながら言葉を続けた。自分とW子との間にある、埋められないような差を感じていた
W子:
「そんなことない。彼は、あなたの存在にどれほど助けられているか、きっと分かっているわ。…それに、これからの世界では、一夫多妻制が普通になるかもしれないって、彼も言っていたわ。そして、彼はもうこの国の『王』だから、私の人見知りな性格では外で彼を支えてあげられない」
W子からの驚くべき提案に、R子は言葉を失っていた。彼女の心の中では、長年の想いが報われる喜びと、W子の優しさと、p.adminの傍にいたいという自身の本心、そしてそれに甘えていいものかという遠慮が、激しくせめぎ合っていた
W子:
「…R子、どうしたの?無理にとは言わないのよ。ただ、私の本心なの。彼には、私だけじゃなくて、あなたみたいな支えが絶対に必要だから…」
R子:
「W子…その、お気持ちは、本当に、心から感謝しています。まさか、そんなことを言っていただけるなんて…。私、嬉しいです。本当に…」
R子の目には、再び涙が滲んでいた。しかし、それは先ほどの安堵の涙とは少し違っていた。
R子:
「でも…でも、私には、まだ…その、W子の優しさに甘えていいものか、わかりません。それに、Azureさんは、まだ何も知らないわけで…」
彼女は、p.adminの妻であるW子から直接この話が出たことに、大きな戸惑いを覚えていた。p.admin本人の意思も確認しないまま、このような重大な決断を下すことは、彼女の倫理観に反していた
W子:
「彼はきっと大丈夫よ。それに、彼の負担を少しでも軽くすることが、今の私たちの役目なんだから」
R子:
「W子…お気持ちは、本当に嬉しいんです。でも、もしよろしければ、この話は…一旦保留にしていただけませんか?私は、このことを、直接Azureさんご本人と、ちゃんと話し合ってから…お返事をしたいのです」
R子の言葉には、W子の提案への敬意と、p.adminへの誠実さ、そして何よりも自分自身の気持ちに正直でありたいという強い意志が込められていた
W子:
「…わかったわ。無理にとは言わない。あなたの気持ちを尊重するわ」
p.adminは二番目の妻を迎える「合法な権利」を手に入れた
しかし、彼はまだこの事実は知らない
追記:2025/9/12 AM7:00
最後にW子R子の会話を少し加筆修正しました
元々の終わり方はちょっと強引しすぎたから
R子は本当にAzure(p.admin)の嫁さんになりたいのに、
正妻であるW子の許しを得ても遠慮するタイプですよね
でも近いうち彼女とp.adminは報われますが
正妻であるW子が「夫」を他の女性に分け合う覚悟も無視してはいけない
もしp.adminが以前のような一般人だったら、彼女も一般的な「幸せ」を丸ごと享受できるであろう
p.adminの責任が大きくに連れて、W子にとってAzureをプライベートでも公でも他の人と共有しなといけなくなる
本当はW子にとっては少し理不尽です
::




