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D-DAY+2 2026年12月下旬 アメリカの出方

#### PM 13:00-18:00 青空国会の議程


中正紀念堂の国家音楽庁と国家戯劇院が挟まった広場の中央に、避難者が囲まれながら立法委員ら青空国会が開かれた

総議席数113のうち与党野党議員を含め80名が出席し(野党65人、与党15人)


最初に表決案で、再発令された緊急命令を廃止した(同意73人、不同意1人、棄権6人)

緊急命令の廃止に連れて検察官や憲兵隊の逮捕活動の法の根拠がなくなり、それでも逮捕活動の停止命令がないまま、憲兵隊の司令官も「法の根拠」を総統府に求めた

一方、同時刻ではL総統の辞任に対して与党幹部が混乱し、SHO代理総統は頑張っているものの、多くの閣僚が海外逃亡か音信不通となり政権運営もままならなかった

やがって憲兵隊の司令官の判断より、憲兵隊が中正紀念堂の周囲から撤収された


ただ、青空国会の議案は緊急命令の廃止だけではなく、今回の緊急命令の乱用に対して緊急命令法と戒厳法、刑事訴訟法の修正を行う

台湾の国会は読会制(3読制)を採用している

1読が速攻採決されても2読、3読には少なくても日を改める必要がある

例え三日後3読成立した改正案を行政院に交付しても、行政院から10日内に覆議権を行使されたら、国会は再採決しないと法案は成立しない

例え法案は成立しても総統は10日内で形式的に公表しないといけなくなり、

もし総統が頑として公表しない場合は重大な憲法トラブルとなる(この場合、どうなるかは誰も知らない…)


つまり、青空国会が緊急命令法と戒厳法を修正しても発効までは凡そ一ヶ月かかる見通しである

野党議員らもこれを承知して、同時に総統副総統罷免案(1/4委員で提案、2/3委員で採決)を同時に進めた

この日は65委員賛成で罷免提案を速やかに採決され、罷免の本採決は緊急命令法と戒厳法修正案3読見込み後の3日後を決定していた

つまり、もし行政手続的に緊急命令法と戒厳法の修正を拒むであれば、後で構えているのは総統の罷免案という構図であった


与党立法委員は党の政策に忠実の比例代表と地方派の国会議員がいる、この辺は台湾は日本と似ている

与党とは言え、地方派議員は地方の利益を代表する性質上

必ずしも与党中央と同調する保証はなく、正に中正紀念堂に集まった与党委員15人中の13人は地方派でした

もし地方派が10人離反すれば、罷免案本採決の2/3委員数の75人を満たせる

その後に、国民投票が実施され、半数以上の国民が罷免案を同意すれば現職の総統は失職となる

L総統の任期は2026年末時点で既に1年半未満で今回の騒動で再選の見込みも低く、

罷免案が成立しても国民投票までの時間も掛かる事からやや象徴的な「処罰」になりがち


夕方、総統の戒厳・緊急命令権限を大きく制限しようとした緊急命令法と戒厳法、刑事訴訟法の修正案の1読が採決された

緊急命令は「政治犯罪、人権、言論の自由、逮捕」等に関しては現行法を従うように修正した、まだ、「如何なる状況であっても立法委員は逮捕してはならない」と定めた

さらに、「たとえ戦時中でも言論統制せず言論の自由を守るように」戒厳法や緊急命令法を修正した

p.admin関連では、彼の知人・関係者まだは親族だけで逮捕まだは尋問はできなくなり、まだ例え容疑者であってもの他国への移送は禁止された

p.admin自身の内乱罪、外患罪への除罪化に関しては翌日に修正案を練る予定と議長がH大使に伝えた


H先生とR子、S子の尽力により、中正紀念堂内の食料品と飲用水が充実していた、p.admin関係者や政治的迫害を受けた避難民と立法委員や彼の助手が殆どなので

彼らによって自発的に秩序の維持が行われさほどトラブルはなかった

シールド外の周辺はたくさんのK野党支持者とD与党支持派の民衆が集まったが、概ね秩序を守った

これも台湾式民主主義の体現の一角に見える

なお、憲兵隊が撤退した今、シールド内外の自由移動が許された。周辺の店で食事をする委員らも見られた

ただ要保護対象者らは引き続き中正紀念堂を拠点にして、家または職場に帰ることはなかった


#### PM 13:00-18:00同時刻 p.adminの憂慮


台湾の政治騒動やp.adminの知人関係者の逮捕問題は緊急命令の廃止により解決されつつ今

p.adminは米軍はこれで諦めるわけではないを危惧し、さらなるシミュレーションを行った


最大の問題は「米軍空母艦隊は何のために台湾に寄港」に対する懸念であった

大量の海兵隊上陸による台湾政府へのクーデターやp.admin関係者のアメリカ移送はもちろん考えるが

それだったら輸送艦を使えば良い話だし、わざわざ空母艦隊を二つも出動する必要もない

空母艦隊は空母と護衛艦、駆逐艦、偵察艦や潜水艦も含まれ、

今回の寄港はドローンの捜査により潜水艦も合わせて4隻同行したが浮上して寄港することはなかった


p.admin:

「米軍の次の一手は一体何を考えている!?空母と輸送艦の違いは主に艦載機、護衛艦駆逐艦にはミサイルはあるが港で台湾に発射してもアメリカに対してメリットがない上に反撃されやすい」


T先生:

「その質問、海上自衛隊に意見を求めてはいかがでしょうか?」


p.admin:

「T先生ありがとう、自衛隊はついに我々に協力してくれるようになったですね」


と言いながら、p.adminはひらめいた


p.admin:

「そうか!アメリカは強引に米台安保を成立させ、空母艦載機と海兵隊はそのまま急造の米軍基地で駐留させるつもりですね」


H先生:

「なるほど、言われてみればこれは一番合理な動きですね」


T先生:

「日本人として言うのかあれですが現時点の米台安保はよろしくない、Azure君にとってはのぎが背中に刺さっているようなものになる」


p.admin:

「では今すぐ米軍艦隊をワープでアメリカ周辺に送還するか?」


T先生:

「米軍は台湾に直接攻撃をしてない今はこの手は強引すぎる、アメリカの出方次第で動きましょう」


H先生:

「私もそう思う、青空国会のように台湾政府の自浄作用に任せるほうが賢明」


p.admin:

「了解です、米軍は強引な行動を出ない限り私達もこれ以上の事を控えよう」


R子:

「保護対象者は全員調査済み、楽園島または中正紀念堂への避難が完了した。遠慮した人にもシールドを任意発動可能な避難リングを渡した」


S子:

「しかし自称『要保護』の無関係の人も現れた、ドローンによるポリグラフテストで大半は除外したが、彼らの反発は強かったわ、正直自意識過剰で面倒くさいよ」


H先生:

「ところで、台湾対策チームの人手が限界で、Riu先生が回復したらチームに参加すること共に、君にも親しいLee先生もチームに加えたいと彼女から申し出があった」


Lee先生はp.adminが高専時代で憧れの女性教師で、優雅な所作と善良で優しい性格は多くの生徒から好かれた

H先生の話によるとLee先生は既に定年退職で現在は凡そ70代(聞くのが失礼な為、正確な年齢は不明)、子供は独立して孫もいなく今はリタイヤ生活を堪能し仕事はしてないらしい


p.admin:

「Lee先生は年も取ったね、H先生T先生もそうだし、今回の騒動が落ち着いたら先生達は異星文明のアンチエイジング治療を受けましょう!」

「体力だけではなく見た目も若く見えるよ、体力=対応力ですから私益ではなく楽園島の幹部の在り方として正当性もありますよ」


p.adminの本心では、若く美しい昔のLee先生の姿をもう一度みたいという思いはありました


H先生:

「あはは、それは考えないといけませんね」


T先生:

「せっかく大使になれたし、あと20年くらいは働きたいと思わなくもないね」


p.admin:

「了解です、とりあえずLee先生は台湾対策チームに加えましょう、詳細はH先生に任せます、Lee先生にもドローン10機の非殺傷命令権を与えます」


H先生:

「任せてください!」


p.adminは連日の疲労で、米軍が動くまで対策は先生達に任せしばし仮眠を取った

現状への復習ですが、p.adminは月面基地からホログラムを通して、H先生T先生を始め楽園島幹部らとやり取りしていた

台湾の為に色々動いていたが、実際には誰にも物理的台湾に移動してなかった


#### PM 20:00 L総統の辞任の公表


夜8時、p.adminはH先生に起された


台湾のニュースで、台湾滞在中の米国務次官補は米台同盟安保を提唱し、演説もライブで中継されました

大事なのは「台湾政府との共同声明ではなくアメリカ一方的な宣伝」

つまり台湾政府は今混乱しているとH先生とp.adminが推測した

米国務次官補の演S説内容をまとめると

「p.adminをはじめとする楽園島勢力の批判やテロリスト組織を認定し、台湾政府はアメリカと協力して対抗すべき」

なお、台湾の緊急命令について「台湾政府の緊急時の対応について理解する」と肯定的な発言もあった


ほぼ同時時刻で、L総統の辞任も総統府によって公表された

後任のSHO副総統はかつて駐米代表(大使相当)を務めた女性であった

SHO代理総統は就任会見で、検察官や憲兵隊による逮捕をやめさせ、一連の騒動について国民に対して謝罪した

一方与党の親米派幹部らは数十人程度で職務放棄し彼らの家族とともに既にアメリカへ避難した、

このせいで閣僚は一定数補欠が出て次官が職務を代理することになった


就任したばかりのSHO代理総統は「米台同盟安保は台湾政府内で慎重に議論し、必要であれば国民投票で決めたい」と会見で声明した

アメリカの提案である「米台同盟安保」を実質棚上げにした


p.adminのテロリスト認定についても「国際盟友と事実関係を確認した上に改めて判断する」と言い、p.adminへの逮捕命令も取り消した

一般的副総統は親米派と見られるが、彼女はアメリカの提案を実質拒絶するように決断した


それに対して米国務次官補は「台湾はアメリカの戦略に賛同できなくて残念だ!今後台湾へ軍事支援は大幅縮小させる可能性がある」と返事し、以降沈黙を守った


翌日、トランプは台湾に対して100%の関税を追徴すると発表した

まだ、台湾政府が購入を合意した軍事設備を出荷を止めた

台湾空軍では、Link16を装備したF-16Vがシステム起動できないトラブルが起き、

台湾空軍の技師がアップグレードした通信モジュールを外したら戦闘機はあっさりと起動できたとの報告があった

元々Link 16を装備してないF-16/ABとIDF、Mirage 2000は影響を受けなかった

PAC-3を始めとする防衛用対空ミサイルは現時点で影響は受けてないのようでした


それに対して台湾陸海空軍は、高雄港や花蓮港付近で万が一の場合を備えて一定な準備を進んでいた


#### 米軍空母の動き


CICメンバー(ホログラム):

「p.admin殿、米軍艦隊通信の傍受により、どうやら動きがあるようです」

「異星ドローンから映像では、花蓮港に寄港中の空母『ロナルド・レーガン』から、どうやら艦載機が発進準備に入ったらしい…我々は専門家ではなくあくまで推測ですが…」


p.admin:

「分かった、すぐ対策します!情報収集感謝致します」


p.admin:

「システム命令!花蓮港や高雄港に寄港中の米空母の艦載機の上から、機体質量の1倍の重力を付加せよ」


p.adminが何かしたというと、まるで見えない手で艦載機の上から機体を空母甲板に押し付けるようなもの

艦載機のF-35の計器表示は2Gとなり、ペイロード状態も「Over Weight」と表示されて、実質機体重量が2倍になることで艦載機は離陸不可能になっていた

米軍空母は直ぐに異変を気付き、暫くあれこれ試したら艦載機の離陸を諦めたらしい


次に、p.adminは「空母船団をゆっくり港から外洋へ押し出す」と異星ドローンに命じた


平均的な重力場でゆっくり空母を押し出して、空母船体への損傷はないと海上自衛隊からアドバイスをもらった

空港や護衛艦などが港から2kmまで押し出した時点で、彼らがようやくあきらめて自ら舵を切って太平洋方面に向けて台湾から離れた


#### 空母「ロナルド・レーガン」艦橋:不可解な事態


場所:空母「ロナルド・レーガン」艦橋 CIC


司令官と航空管制官、そして作戦士官がモニターを囲んでいる。艦載機の離陸準備が進む中、予期せぬトラブルが発生した


航空管制官(通信):

「司令官、発進準備中のF-35全機から、離陸不可能の報告が入りました。計器のGメーターが異常な数値を…まるで、見えない力で押し付けられているようです!」


司令官:

「馬鹿な!計器の故障か?それともシステムの問題か?全機、離陸準備を中止させろ!すぐに原因を特定しろ!」


作戦士官:

「司令官、確認しました。F-35のペイロード計器が『Over Weight』と表示されています。しかし、ペイロードは正常…これは、機体そのものに何らかの異常な重力がかかっているとしか考えられません!」


司令官は眉をひそめた。これまでの常識では考えられない現象だ。p.adminが何か仕掛けてきたことは明らかだった


***


離陸準備を終えたパイロットは、計器の異常な表示に戸惑っていた。


F-35パイロット:

「管制塔、こちらスネークアイ。機体が異常なほど重い。計器は2Gを示しています。アフターバーナーを使っても、滑走を始めることすらできません!一体どうなっているんだ?!」


航空管制官(通信):

「スネークアイ、了解。離陸は不可能と判断。すぐに機体を停止させろ!全機、離陸中止だ!」


パイロットは、計器を何度か確認したが、数値は変わらない。まるで、見えない巨大な手が機体を押さえつけているようだった


艦載機の離陸を諦め、原因究明に当たっていたその時、新たな異変が起きた。空母全体が、まるで巨大なパントマイムのようにゆっくりと港から押し出され始めたのだ。


作戦士官:

「司令官!空母が動き出しました!エンジンは停止、舵も切っていません!まるで、誰かに…いや、何かに押されているようです!」


司令官:

「なんだと…!港湾管制塔に連絡しろ!我々の船が勝手に動いている!…いや、待て。これは…」


司令官は、p.adminの存在を思い出した。彼が、軍事力ではなく、異星文明の力でこの事態を引き起こしていることを悟った


司令官:

「…もうやめだ。これ以上、無駄な抵抗はやめろ。航海士、艦隊を台湾から離れさせろ。p.adminの要求通り、太平洋へ向かう」


彼は、圧倒的な技術の前に、自らの軍事力が無力であるという現実を突きつけられた。屈辱と無力感が、彼の心を支配していた。


***


補足:物語中のワープおよび重力操作の補足


物語中のワープと重力操作は、おおむねスタートレックベースと想定していたが、

この物語中のポルポ・カラマリ文明の重力操作技術がスタートレック中に人類および「バルカン人」より先進したため、

惑星中でも光速1倍までの低速ワープや重力場操作による移動は実用化された


ワープは瞬間移動ではないので、途中に大きな障害物があれば衝突が起きるが、

ワープ中にワープフィールドはシールド相当の効果があるため、

人類文明の構造物程度ではワープ中の人と物にダメージを与えることはできない

なお、ワープ先は直線上ではない場合は、途中で複数地点(Node)で再ワープする必要はある


ポルポ・カラマリ文明の重力場操作およびワープ技術(前方重力場収縮と後方重力場膨張)は重力子を用いて達成する、物語中の米軍は元素記号115の同位体を利用する反重力技術原理とは違う

重力子はペアで4次元空間に存在し、外部重力の影響を受けない上にペア間の3次元相対位置は一定であった

重力子を3次元空間で移動させるには特殊の干渉手法が必要、この重力子操作技術こそがポルポ・カラマリとかつてアメリカに現れたUFO達と決定的な差でもある


立体ホログラム技術もまた重力子の応用であり、光子を重力子と「量子もつれ」状態になると「重力光子」となる

3次元の人間が2次元の紙の任意の位置から描くことがができるように、

「重力光子」は物理の伝導経路がなくても任意の空中位置に出現させることができる

「重力光子」が3次元の時空に表すと「光子」と変わり、人間の目で見える光となる


また、重力子にエネルギーを与えることでもう一つ片方の重力子が重力場を生成する(収縮まだは膨張)、具体的な方法は異星文明の要素技術のためp.adminに共有されない

など、ドローンが重力場を生成するにはエネルギー源は必要、主に反水素による対消滅の放出エネルギーを利用している、なお、異星文明のは大気中の水素原子をローコストで反水素に変換する技術を持っている

L総統辞任、米台安保棚上げ、空母艦隊艦隊が強制的退場させたことでアメリカが台湾にかけた政治作戦は全部失敗した

台湾篇はここで大体終了、次の話から新章に突入します

良ければ評価やブックマークをお願いします

自分は気にしないと言いつつ常に評価点数をチェックするのは不思議な人間心理ですね

だから正直になる、評価欲しいです、ブックマークも欲しいです!

安直なチート物が飽きた「大人の読者達」よ、大人の俺が精一杯物語を書きますので

投げ銭くれとは言いません、評価やブックマークをお願いします!

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