D-DAY+2 2026/12下旬 それぞれ国のアイデンティティ
台湾政府は、習近平政権下の中国と長く対峙していた
台湾内部にも台湾独立派(主にD与党)と中国融和派(K野党)が長く意見が分かれています、ただし、民主自由体制の現中華民国体制には両方とも支持していた
台湾独立派の一部は「中華民国を諦め、台湾共和国として独立すべき」と唱えてきたが、中国の侵攻が最大のリスクの他に、同盟国で軍事依存関係のアメリカもこれを許さなかった
中華民国の憲法では、現在中国の大部分のエリアの所有権を主張していた
かつてのアメリカは、いざ中国が崩壊したら台湾の「中華民国体制」をうまく利用して中国全土の掌握を打算していた
だからこそ、台湾独立志向のD党が政権を握る時にもその「中華民国体制」を捨てる事はアメリカも許さなかった
逆に、K党がかつて総統選挙を勝ち政権を握った頃にも、アメリカの警告で中国への接近はかなり制限された
結果的に、台湾は独立も中国との融和も叶わず宙ぶらりんの状態でした
Azureがp.adminになる前には、どちらかというと台湾独立支持派だったが、
これはあくまで結論であって、現在のD党支持者とは価値観も出発点もかなり違った
p.adminは習近平を「棺」に入れて、胡錦濤を次期指導者に「指定」した事で、
台湾内外の国際関係は大きく変化した
胡錦濤が「中華民国台湾」と協力して民主化を進むと宣言し、香港にも中華民国の代理統治下に入った
2026年には香港人による香港市長選も行われた
台湾にとって中国は敵国ではなくなり、アメリカにとってもアジアのパワーバランスが大幅変化していた
長く台湾独立を志したD与党にとっては大きなジレンマで、中国の武力脅威こそが消えたが、中国への実質な融合はどうしても避けたかった
例えば中国民主化の過程で、台湾の中華民国体制で公務員、警察や軍隊をたくさん中国本土に送ったらどうなるか?
都合の良い視点なら「台湾は中国を教育している」に見えるが、
逆の視点だと、台湾のこの過程で自然に中国に融合され、いずれ新しい中国が「中華民国体制」を受け入れたら、
中華民国台湾の政治的なアイデンティティは消滅してしまう
だからこそD与党は、中国の民主化は歓迎するものの、民主化への協力は限定的に、今まで通り「別の国」として扱いたかった
アメリカにとっても、中国は独裁であろうか民主であろうか最大のライバルであり敵であるから、今まで通りは台湾と同盟関係を維持し支援もしてきた
もし中国と台湾は友好国関係となった場合、
中国はさらに「中華民国体制を利用して中国を中華民国化」という流れが起きれば、アメリカにとっては都合が悪い未来でもある
これは現政権のトランプと関係なく、アメリカの国益であるから
アメリカによる楽園島襲撃の凡そ一週間前、H先生(大使)は台湾政府に米軍の二つの空母艦隊の接近を知らせた
台湾政府もp.adminの楽園島勢はアメリカとの事前会談がほぼ決裂した形になってしまったk事自体は把握していた
アメリカはAITを通してp.adminの処遇について台湾政府と打診し、事情を知った与党政権の一部関係者に決断を迫った
アメリカの要求は単純明快:「p.adminおよび楽園島幹部の拘束および米軍への引き渡し」を台湾政府に要求した
事情を知った検察長官と司法院院長は大きく反発し、これらは台湾の国内法に明らかに違反していたから
※台湾の閣僚は行政院長が指定することで、閣僚自身は国会議員と与党党員である必要性はない
ただ、アメリカの最後通告により、協力しなければ「F-16VやPAC3などの武器を即座に利用停止させる」とした上に、
与党高官のアメリカ滞在中の家族の安全も保障できないと脅した
まだ、ぶら下がっている人参として「p.adminのパワーは長く続かない持って数年、数年後の台湾の立場を考えるとアメリカと協力すべき」と説得し、
台湾が協力すればアメリカは「Formosa台湾共和国」として独立することを支援すると約束した
この「人参」に釣られて、アメリカがL総統を始めたD与党上層部を動かすことができた
もしL総統が「緊急命令」を宣言すれば、緊急命令指揮官が発令した行政命令は現行法より高い位階を持つとなり、現行法違反でも強引に物事を進める
つまりp.adminの関係者らを無理矢理に逮捕し米軍に移送できる
緊急命令は戒厳程のパワーはないが、現行法をすり抜ける為の最高のツールになりえることを与党は確信し、楽園島襲撃の数日間前からひそかに準備してきた
もちろん、D与党もp.adminが福島第一原発での処理水や原子炉の除去活動も把握していたが、
彼らがp.adminの絶大なパワーを把握できても一旦進んた道から戻す選択肢はなかった
D与党上層部は「p.adminは臆病な人間で、法律名目があれば介入できない」と見て、
さらに上層部の弱みがアメリカ側に握られている現実があって、アメリカに従うことを選んだ
ただしD-DAY当日、物事の進み方はD与党の予想から大きく外れた
日本やEUの衛星情報により、台湾は一方的に無力化された米軍を確認できた、戦闘がただの数時間で楽園島の圧勝となった
楽園島とアメリカとの本会議の様子も生放送され、アメリカの無茶な暗殺行動が露見され世界中に非難された
しかし背に腹はかえられない台湾は、国防部長はアメリア空母艦隊の寄港を許してしまった
ただD与党もアメリカによる「物理的なクーデター」を危惧して海兵隊の大規模上陸は認めなかった
クーデターになったら、自分の命すら保証されないだからだ
代わりにL総統は「かならずp.adminや楽園島幹部の関係者全員を逮捕する」とアメリカと約束し、一刻の猶予を得た
その後、台湾政府がp.admin関係者の確保は次々と失敗し、一回目の緊急命令も野党多勢の国会で否決されました
L総統は意を決して二回目の緊急命令を発令し、野党議員の逮捕に踏み込んだ
L総統は自分が「法的に間違っている」を自覚していたが、台湾独立こそは「もっと大きいな正義」と捉え、国会議員の逮捕を強行した
しばらくして、野党議員と与党から一部の反逆者が出て、H大使により中正紀念堂に保護され移動させた事を知らされた
次の日、世界中の主要民主主義国の政府声明により、台湾政府の行動は大きく批判され、与党と警政署や検察署内は動揺していた
実力行使もできない、世界中に批判され、さらにアメリカの敗色も濃厚の今、与党の一部は自らの選択を間違えた事を気づいた
また、現場の検察官や憲兵隊に対して、
台湾の多くの銀行や大手通信会社、さらにネットショッピングサイトからも「これらの人には今後取引しない」と声明を出した
つまり違法行為を幇助した憲兵隊は罪に問われなくても、今後携帯も契約できず、口座が解約されローンも通れないというデメリットになる可能性が出てきた
それで一部の検察官は離反し、憲兵隊は軍法に縛られて離反者はいないが、消極的な命令実行というスタンスを取った
与党内の一部高官は、理由をつけて休暇を取り、さらに職務を放棄しアメリカへ避難する動きまで発展した
この動きはさらに拡大し、さらに行政専用機まで与党幹部らを載せてアメリカに避難する流れとなった
#### 検察官の葛藤
場所: 夜遅くの台北地方検察庁の廊下
検察官A:
「このままでは我々が歴史の悪者になります。p.admin関係者の逮捕は法的に無理があります。銀行や企業も我々を締め出し始めました」
検察官B:
「その通りだ。だが、上からの命令だ。従わなければ職を失う」
検察官A:
「一部の同僚は離反しています。君はどうする?」
検察官B:
「迷っている。法の番人として違法行為に加担したくないが、家族の生活もある」
検察官A:
「私は明日、辞表を出します。やはりこのやり方は間違っています」
検察官B:
「私も考え直すよ。台湾の未来のため、今が踏みとどまる時かもしれない。」
#### 憲兵の葛藤
場所: 深夜の憲兵隊の詰め所
憲兵C:
「今日も議員を逮捕しようとしたが、ドローンに阻まれた。もう無理だ」
憲兵D:
「俺たちも罪を犯している気分だ。国民の信頼を失っている。」
憲兵C:
「軍法に縛られているが、このままでは台湾が崩壊する。命令を無視はできないが、消極的に動くしかない」
憲兵D:
「そうだな。台湾を守るために入隊したのに、今はまるで政府の手先」
憲兵C:
「いつか後悔する日が来るかもしれない。だが、今は耐えるしかない」
#### アメリカの思惑
トランプは一言で「幼稚」に尽きるが、アメリカ上層部の行動は、単なる「悪」ではなく、彼らなりのの使命感から来ています
* 秩序の崩壊への恐怖:
アメリカは、第二次世界大戦後、自国の軍事力と経済力で世界の秩序を維持してきました。彼らにとって、p.adminの存在は、その秩序を根底から覆す「未知の脅威」です。国境を越え、各国政府の許可なく人命救助や軍事介入を行うp.adminは、国際法の枠組みを無視する存在です。アメリカ上層部は、p.adminの行動が世界中に拡散すれば、既存の国家主権が崩壊し、混沌とした世界になることを恐れていました。彼らは、p.adminを排除することが、世界の「平和」と「安定」を守るための「正義」だと信じていたのです。
* 「目的のためなら手段を選ばない」という悪しき正義:
彼らは、p.adminを無力化するためなら、毒ガスやワープ妨害といった非道な手段も厭いませんでした。これは、彼らがp.adminの力をそれほどまでに危険視していたことの表れです。彼らは、p.adminを倒すためなら、一時的に国際的な非難を受けることも、同盟国である日本を巻き込むことも、「必要悪」だと割り切っていました。彼らの「正義」は、目的(世界の秩序維持)のためなら手段(非道な行為)は正当化されるという、危険な信念に基づいています。
#### D-DAY+1 2026/12下旬:D党上層部の瓦解
場所:総統府執務室
深夜の執務室は、重苦しい沈黙に包まれていた。L総統は、机の上の資料を睨みつけている。隣には行政院長、そして数名の与党幹部が座っているが、誰も口を開こうとしない。彼らの顔には、憔悴と絶望の色が浮かんでいた
L総統:
「…嘘だ。アメリカが、p.adminに敗れたなどと…あり得ない。我々の情報では、p.adminはただの技術者だ。軍事力など持っていないはずだ。」
国防部長:
「総統、日本自衛隊から共有してくれた映像を見ました。米軍の最新鋭兵器が、まるで子供のおもちゃのように無力化されていました。潜水艦が切り破られ、タンカー船が空に吊り上げられ、爆撃機が墜落する映像…中山研究院の分析では偽造はあり得ないのこと、すべて真実です」
行政院長:
「世界中が我々を非難しています。日本はp.adminとの国交樹立を決定し、EUやウクライナもp.adminを支持する声明を出した。我々は…孤立しました」
L総統は、机を強く叩いた
L総統:
「我々は間違っていなかったはずだ!台湾の独立のため、国家の存続のため、アメリカの要求を受け入れた!あれほどまでに準備を進め、p.adminを捕えようとしたのに…なぜ、こんなことに…」
与党幹部B:
「我々はp.adminを過小評価していました。彼は法律の縛りを気にしない。今は彼が逆に『民主主義の守護者』のように振舞いながら民衆の支持を集め。中正紀念堂に集まった人々、そして…野党議員たち。我々はもはや、市民の支持を失いました」
行政院長:
「総統、このままでは、我々が内乱罪に問われることになります。野党議員を逮捕しようとしたことが、国際社会に知れ渡り、もはや言い逃れはできません。このままでは…。」
行政院長は、言葉を選んでL総統に切り出した。
行政院長:
「…すでに、一部の閣僚はアメリカに逃げました。我々が正しい選択をしたと信じていたのですが、もう後には引けません…」
L総統は、自分のスマートフォンを手に取り、画面を見た。SNSのタイムラインには、自分と与党幹部を非難する言葉が溢れかえっていた。さらに、彼らの家族がアメリカにいることを示唆する投稿も散見される
L総統:
「我々は…アメリカに利用された。彼らは、我々を『捨て駒』として使ったのだ。p.adminが敗北すればそれでよし、もし彼が勝てば、我々に責任を押し付け、新たな取引を始めるつもりだった…」
与党幹部A:
「総統、もう逃げるしかありません!我々の安全を保障してくれるのは、アメリカだけです。台湾独立勢力はいずれ台湾の未来を取り戻せる、今は我々の安全を最優先にすべき」
L総統は、深くため息をついた。彼が長年信じてきた「独立」の夢は、一人の男の登場によって、一夜にして崩壊した。そして、その夢を追い求めた結果、彼は祖国を裏切り、逃亡者となった
L総統:
「…分かった!すぐに連絡を取れ。アメリカに、我々を受け入れるよう…伝えろ」
その命令を下した時、彼の心には、独立という大義も、国家への責任も、もはや存在しなかった。ただ、一刻も早く、この泥沼から逃げ出したいという、個人的な安堵だけが残っていた
***
ところが、L総統のアメリカへの亡命の打診はアメリカに断れた
アメリカから見ればL総統は「碁盤上のコマ」であって、勝手に去ることを許さない
アメリカは「台湾政府の行政権放棄」を台湾政府に要求してきた
当時の同盟軍元帥であるマッカーサーが発令した「一般命令第一号」の解除により「台湾の管理権」を同盟軍に帰還する事を要求した
L総統はアメリカの要求に対して断る事も了承する事も判断する勇気がなく、自ら辞任を選んだ
副総統であるSHO氏(女性)は代理総統として就任し、アメリカの要求については、複数回の憲法改正(国会2/3同意)が必要で、しかも複数回の国民投票(2/3同意)が必要とアメリカに返答し、やんわりとアメリカの要求を拒絶した
#### D-DAY+2 2026/12下旬 L総統の辞任と代理総統の決断
L総統のアメリカへの亡命は、冷酷な拒絶という形で突きつけられた。アメリカは、彼らを「使い捨ての駒」として見做し、最後の利用価値を搾り取ろうとした。L総統は、自らの立場を悟り、屈辱的な要求と向き合う勇気もなく、辞任という形で責任を放棄した
* 総統府執務室
憔悴しきったL総統は、数名のD党幹部とSHO副総統を前に、顔を伏せていた
L総統:
「…アメリカは、我々の亡命を拒否した。彼らは、我々に台湾の行政権を放棄し、アメリカに管理権を引き渡せと…要求してきた。これは、事実上の植民地化だ。私は…こんな要求、受け入れられない」
与党幹部A:
「総統、ですが、我々はもはや後には引けません。アメリカの要求を断れば、我々は完全に孤立した」
経済部長: 「孤立?すでに我々は孤立しています!銀行や企業が検察官や憲兵を締め出し、経済が崩壊寸前です。方向転換すべきです」
与党幹部A:
「総統、今となって我々はもうアメリカに従えるしか…」
L総統:
「従えば…台湾は、独立も主権も失う。私は…そのような決断を下すことはできない」
L総統は、もはや決断する気力を失っていた。彼は、自らが信じていた「独立」という大義が、アメリカという巨悪の都合の良い道具でしかなかったことを悟った。彼は、自らの過ちの責任を誰かに押し付けたい、という思いに駆られていた。
L総統:
「…SHO副総統。私は、辞任する。あとは…君に任せる」
SHO副総統は、静かに頷いた。彼女は、L総統とは違い、常に冷静に事態を分析していた。彼女は、p.adminの力、そして台湾市民の動向を理解していた。
#### D党緊急幹部会:SHO副総統の決断
場所:総統府内の会議室
SHO副総統は、代理総統として、D党の緊急幹部会を招集した。幹部たちの顔には、不安と混乱が色濃く表れていた
SHO代理総統:
「皆さんもご存知の通り、L総統は辞任された。今後は私が代理総統として、台湾の舵を取る。そして…アメリカの要求には、『ノー』を突きつける」
与党幹部B:
「しかし、SHO様!アメリカと敵対すれば、我々は完全に孤立します!p.adminにどう対抗するのですか?」
SHO代理総統:
「アメリカの要求は、憲法改正を伴う。そして、それには国民投票で2/3の同意が必要となる。この状況で、野党議員や国民がそのような要求に同意すると思うか?憲法という『法』を盾に、彼らの要求を拒否する。そして、p.adminには…交渉を申し出る」
与党幹部たちは、SHOの決断に驚きを隠せない。L総統がアメリカの要求に怯え、辞任したのに対し、SHOは逆にその要求を外交的な武器として利用しようとしていた
SHO代理総統:
「p.adminの目的は、人命の尊重と世界の平和だ。そして、彼は『正義』を信じている。我々は、彼をテロリストとして扱ったことを謝罪し、彼の目指す『新しい秩序』に、台湾が貢献できる道を探る。そして、この騒動で失われた台湾の信用を、我々の手で取り戻す」
今日は殆ど台湾政治の回です
しかし「チートだけでは済ませないストレンジリアルの世界」では、こうした内部変化への描写も大事と私が思います
息苦しいシナリオになるかもしれませんが、希望の光は既に来ています
このような鮮烈な描写をしては、この作品は多分将来永劫、書籍化になる可能性はないですね(笑)
書籍化は元々志望してないが、もし政治的な原因で出版できない事が明らかなら、それはそれで私へのご褒美になるかもしれません(笑)




