D-DAY+1 2026/12下旬 青空国会と正義の国々 (楽園島戦闘翌日)
現状、台湾の野党らは半数以上の議席数を持ちである為、
「緊急命令」の発令に応じて野党はすぐ緊急国会を開き、「緊急命令」は深夜の11時過ぎに過半数の否決により解除された
それに応じてL総統は直ぐに緊急命令を再発令と同時に、叛國罪(国家反逆罪)容疑として野党議員らを逮捕するように憲兵隊に指示した
この状況を見てH先生は一旦立法院議場内にホログラムで出現し、議員らの中正紀念堂への避難を呼びかけた
### AM 1:00
内政部警政署の指揮下に置く憲兵隊は、台北市にある立法院建物をハエ一匹も逃がさないように包囲していた
ちなみに台湾の重要な省庁は大体総統府の周りに集まっており、立法院や外交部なども例外ではなかった
H先生:
「立法委員の皆さん、立法院建物外には憲兵に包囲されています、p.admin執行官殿は皆様の安全な場所に移動する用意はありますので希望の方は手をあげてください」
与党委員:
「テロリスト組織の話は信用できない!憲兵は憲法を守る存在だ野党委員らは反逆容疑だ!大人しく出頭しなさい!」
HAN議長(野党):
「国会の警察権を無視した行動は許さない!憲兵直ぐに建物敷地外に退去せよ!」
野党委員:
「楽園島などの海外避難は我々が議員として職權を行使しないと困る!」
H先生:
「避難先はここから1kmも離れてない中正紀念堂、そこにはシールドで保護されていますのでご安心ください」
野党委員:
「議長も同行すれば我々は異議はありません」
HAN議長(野党):
「よし皆様、中正紀念堂で国会をやりましょう!H大使よろしくお願いします」
野党議員は全員H先生の提案を受け入れ、与党議員は殆ど拒絶したが中には5名程の離反者が出て野党議員とともに中正紀念堂に避難した
H先生の尽力により、立法院総議席数113のうち、議長を含めた65名の立法委員(国会議員)が中正紀念堂へ避難した
議員らは立法院建物の屋上に上り、そこから目視できる中正紀念堂の一角(転送予備エリア)にワープした
HAN議長:
「H大使!お願いがあります、明日ここ中正紀念堂で国会召集の宣言をしたいけど、
メディアは政府に封じられた可能性がり、ホログラムを通して全国に告知してほしい」
H先生:
「安い御用です、任せてください」
しばらくして、約1000機のドローンは台湾の各地で立法院長(議長)の声明をホログラムで伝えた
内容は以下の通り簡潔でした
HAN議長:
「明日12時中正紀念堂で臨時国会を召集する、立法委員であれば与党野党を問わずに一人の助手を連れて入る事を許す
、なお、中正紀念堂境内は臨時国会の開催地として立法院長が指定し、この中の出来事は院長が警察権を使わない限り誰も介入できない」
中立なニュース達はHAN議長の呼びかけをリアルタイムで放送しましたが、
政府系と与党寄りのニュース番組は「中正紀念堂は立法院議場ではないから違法開催だ!」と批判した
なお、台湾の憲法も行政法では国会の物理場所を指定してなく、今まで変更したことはないが職務的に立法院長が指定できると思われる
中正紀念堂外は、多くの市民が自発的に集まり憲兵隊と対峙していたが、幸い台湾の憲兵も30代以下の志願役の若者が中心で、民主主義的な思考持ち主が殆どであり
命令があれば動くしかないが、命令外の抗議活動には取り締まりもせず、両サイドに大規模な衝突は起きなかった
H先生:
「今日はもうこれ以上の事は起きないでしょう、Azure君は休んでください、あとは先生がやります」
p.admin:
「いいえ、私が全責任を追わないといけないので、休みが必要のは自分も承知しているが、何があったら必ず起こしてください」
p.adminは、月面基地の管制室のオフィスチェアに倒れて少し休むことにした
無意識にスマホを取り出して「あ月面基地に信号ないが」と思ったが、なんとWifiに繋げてネットもできた
いつのまに月面基地⇔地球のリレーネットワークも構築されていて、遅延はありますが避難民は少しでも文化的な生活ができるようにR子は裏で頑張ってくれたらしい
#### AM 4:00
H先生:
「Azure君、休みを邪魔してすまないがちょっと相談がありまして…」
p.admin:
「いいえ、H先生どうしたでしょうか?」
H先生:
「先生は高専時代の君の先生達の安否確認をしているな、既に定年退職した先生も多く、中にはRiu先生もいました」
「Riu先生は今87歳ってね、伝手で家族と連絡を取れたが、末期がんで今は安寧病室で今夜が山場だと医者さんが家族に伝えたらしい」
p.admin:
「山場ってiu先生は亡くなるの?」
H先生:
「それが相談事だが、異星文明の力でRiu先生を何とか救えませんか?病室まで検事もやってきたがRiu先生の様子を見てそのまま去ったらしい」
Riu先生は、p.adminの高専時代で敬重した先生で、お茶目な性格でありながら自分の信念は決して曲がれない正義な先生です
しかも台湾の威權体制時代から生きていた為政府に対して基本的に不信である。年の差があるがp.adminと共通している所は意外と多かった
p.admin:
「了解です、Riu先生をすぐにワープで月面基地の医療ベイに搬送し、がん治療および異星文明の延命処置を致しましょう!」
H先生:
「恩に着る、家族に事情を説明し『Riu先生は最後は家で過ごしたい』と病院側に説明してもらい、空が見えてワープできる時点で月面基地に転送します」
p.admin:
「よろしくお願いします、わたしも月面基地の受け入れ体制を準備します」
#### AM 6:00
Riu先生は月面基地にワープされ、避難民とドローンの協力で医療ベイに搬送され、異星テクノロジーベースのがん治療とDNAベースの延命治療を受けることになった
H先生及びR子S子と妻のW子の働きにより、小中高+高専の先生達、親戚、知人と一部の元同僚の避難が完了した、親戚と知人らの半数は避難を遠慮したが
H先生は彼らに中東アジアの女性救助の為に製造した「シールド発動リング」を与え、リングのボタンを押せば周辺のドローンにより当人から2M範囲のシールドが生成し
当人と当人が許した同行者をシールド内で保護され、さらにシールドが発動した情報もドローンを通してH先生の所に知らせる
#### AM 7:00
p.adminはふと日本の様子を気になってT先生をはじめとする日本対策チームに聞いてみると
今の所は不穏な動きはないのことです
なお、T先生の情報によると日本政府、特に自衛隊はこっち側(楽園島)に倒す公算が大きいとも聞いた
聞けば、陸上自衛隊の応援部隊はあらゆる名目を使い米軍基地周辺に布陣し、緩やかな対峙をしているようでした
なお、日本政府を説得する為、T先生は楽園嶋で行われた実際の戦闘情報と一部映像を日本政府側や自衛隊側に見せたのことです
#### AM 9:00
台湾総統府は中正紀念堂で行われた緊急国会は「違法」と宣言し、「代償顧みず阻止する」と強硬な声明を出した
しかし、D与党内でやや中立的な地方議員の10数名は「憲法に与えられた責務を優先する」と言い、単身で中正紀念堂に向く事がニュースで報じられた
同時に、アメリカが楽園島への攻撃やアメリカの敗戦が明るみに出て
世界中の国々は駐日アメリカ大使館の襲撃、楽園島周辺の戦闘及び台湾の出来事に対して次々と声明を出した
多くの国がp.adminの楽園島を支持、同情してくれたが
最初にp.adminに賛同したのは、p.adminが最初に手伝ったウクライナ政府である
ウクライナ政府: 「p.adminは正義を貫き、人命の尊厳を守った調停者であり、我々はアメリカを譴責し、台湾の独裁体制化に反対します、我々ウクライナはp.adminの仲間だ!」
EU理事会:
「駐日米大使館および楽園島周辺の出来事にアメリカの姿勢に大変遺憾、これからNATOとEU防衛の在り方も一度再検討する必要があると我々が認めた」
「台湾政局の困難はEU全体は望ましくない、台湾政府は民主主義の権力と責任を尊重すべきと我々が勧告する」
日本:
「我が国のアメリカ大使館で衝突事件が起きて大変遺憾である、日本国の外交官まで危険を及ぼした事は正式にアメリカに抗議する」
「友好国台湾(※前話で既に国交締結済)の出来事は日本は憂慮し、民主主義に従い会話的な解決は望ましい」
「また、日本国はp.adminが元首の楽園島と国交締結する意向が閣議決定した、台湾側に日本の友好国の元首であるp.adminおよび行政組織の要人について配慮をお願い申し上げます」
中国:
「中華民国台湾は我々中国と共通した歴史と文化を共有し、一歩進んで民主化した同胞です、中華民国台湾政府の混乱は我々は望まない。p.admin殿は我が国の改革に尽力し、我が国はp.adminによる台湾の行動および改革を支持する」
その他カナダ、フランス、イギリス、韓国、スイスからもp.adminを支持する声明を発表した
なお、イスラエル、サウジアラビア、ニュージーランドはアメリカを支持する声明を発表した
ニュージーランドは米軍基地(この世界線で存在)が楽園島に攻撃した事実から、やむ得なくアメリカの肩を持つ形となった
#### AM 12:00
中正紀念堂の国家音楽庁と国家戯劇院が挟まった広場の中央に、避難者に囲まれながら青空国会が開かれた
総議席数113のうち与党野党議員を含め80名が出席し(野党65人、与党15人)
前夜、再発令された緊急命令を廃止した(同意73人、不同意1人、棄権6人)
台湾の世論は圧倒的にp.adminやHan議長が主導した採決を支持したが
親与党のメディアは緊急命令廃止のニュースを報じず、
与党支持者らは混乱に陥り、まるで烏合の衆のようでした
さらに、SNSで政府の一部高官らは既にアメリカに亡命したとの噂が流された
各国政府の声明に対して台湾の外交部は「誤解だ!」と声明したが、行政院長およびL総統の姿は会見で現れなかった
なお、異星ドローンの監視で確かに2機の台湾政府の行政専用機が時間を開けてアメリカに向けて飛行中という事実を裏付けられた
#### K総理の決断:新たな友好国
* 同日AM 7:00
p.adminが月面基地から日本の様子を気にかけ、T先生に連絡を入れた時、T先生はすでに動いていました
彼は、p.adminが送った楽園島周辺での戦闘記録映像を、日本政府の関係者に見せ、日本の外交方針を揺さぶろうとしていたのです
場所:東京都内、某高級ホテルの一室
T先生は、外務省の北米局長と海上自衛隊幹部(前日の会議でワープ転送された二人)と向かい合っていました
部屋には、異星ドローンが撮影したホログラム映像が映し出されています
北米局長:
「…信じられん。我々が大使館で襲撃を受けた後に、楽園島ではこんな戦いが繰り広げられていたとは…」
海上自衛隊幹部:
「これが、米軍の極超音速ミサイル『ダークイーグル』…わずか数秒で無力化された。しかも、あの『白い円盤』が、スクリューを切り裂き、潜水艦を後退させている。これは、反重力…いや、重力操作そのものだ」
ホログラム映像は、デコイ潜水艦が切り裂かれる瞬間、原潜が爆発する様子、そして大型タンカー船が空中に吊り上げられる様子を鮮明に映し出していました
T先生:
「ご覧の通り、これが我が執行官であるp.admin殿の、いや、楽園島の『実力』です。米軍の最新鋭兵器も、彼らの技術の前には無力でした。そして、彼らが攻撃を続ければ、米軍は一方的な敗北を喫するでしょう。それでも、彼らは自衛の範囲を超えた攻撃はしていません。これは、p.admin殿の『抑制』です」
T先生は、p.adminの倫理観と、彼が戦争を望んでいないことを強調しました。
北米局長:
「…わかった。映像は我々が責任を持って政府に伝える。だが、一つだけ確認させてほしい。p.admin殿は…なぜ、我々を助けたのだ?我々は、彼をアメリカに売り渡そうとしたようなものなのに」
T先生:
「あなた方を助けたのは、p.admin殿が『正義』を信じているからです。そして、彼は、日本がまだ、正義を信じている国だと信じています。それが、彼があなた方を危険に晒してまで、情報を共有しようとした理由です」
* 場所:内閣府 閣議室
閣議室では、北米局長と海上自衛隊幹部からの報告を受けて、緊急会議が開かれていました。
K総理:
「…信じがたいことだが、すべて真実らしい。アメリカは、我々を裏切った。彼らが言った『同盟』は、もはや意味をなさない」
防衛大臣:
「総理、陸上自衛隊はすでに米軍基地周辺で警戒態勢に入っています。米軍が在日米軍基地を拠点に、p.admin殿の知り合い達へ攻撃や拉致事件などを仕掛ける可能性を考慮し、我々は米軍基地の前に緩やかな対峙を続けている模様です。自衛隊の幹部たちも、この映像を見て、アメリカはもはや信用できないと判断しました」
外務大臣:
「総理、これが最後のチャンスです。p.admin殿は、我々に『新しい同盟』の道を示してくれています。アメリカという古い秩序から脱却し、p.admin殿が目指す、より公正な国際秩序の一員となるべきです」
K総理は、深く頷きました。彼は、楽園島で行われた作戦の映像を見て、アメリカの「張り子の虎」としての虚飾が剥がれ落ちたことを確信していました
K総理:
「よし、わかった。閣議決定する。我が日本政府はp.adminが元首を務める楽園島と、国交を樹立する。そして、p.admin殿に全面的な協力を申し出る。我々日本は、p.admin殿が目指す『青空』の下で、新たな未来を歩む。これは、国として、そして人間として、正義に殉じるための決断だ」
この決定は、日本の外交方針を根本から覆すものであり、p.adminの行動が、日本をアメリカの軛から解放し、独自の道を歩ませるきっかけとなった瞬間でした。
前話が途中で切られてしまい気持ち悪いので頑張って仕上げて投稿しました(苦笑)
来週から仕事が忙しいので間が少し長くなるかもしれません
この作品は自己満足の為に書いているのでこのまま続けたいです
良ければ評価やブックマークをもらえば創作の原動力になります!
著者視点:
敵側の考え方、葛藤よび決断とそれを反抗しようとした人々の思いはもちろん描写したいが、それを書くとなんとなく「リアリティ」が減ると危惧していた
根本的に著者である私は「悪の結果と手段」はシミュレーションできるが「悪の正義」を描くとどうしても安直になりがちだからです
例えばT先生など著者がリアルでよくわかる人ならその考え方は「シミュレーション」できるが、そうじゃない人は「出方」しか想像できない




