DAY 1YR+287 クリスマス・デー 白昼灯籠 (アメリカ本会議まで1日)
#### 現状確認とアメリカの意図とp.adminの立ち位置
p.adminは月面基地に到着後、ボランティア達に現状を説明した後にの管制室に籠り、対決前に一旦状況を整理する事に
* 今回の作戦で使われる異星技術
1.ワープ:
(対象:複数の人または物体、範囲は半径1kmの球体内に収まる物、重量は関係ないただし目的地までの物理空間内に障害物があれば衝突の可能性ある)
2.重力場操作:
非殺傷攻撃は浮遊、押し出し、 殺傷攻撃は切断、押し潰し、引っ張って切り破る等が可能、範囲限界は展開始点から半径1km圏内
3.エネルギー吸収(反射)パネル:
吸収モード:
爆発、熱線、レーザーやEMP、マイクロ波攻撃などのエネルギー攻撃を吸収
反射モード:エネルギー攻撃を元方向に反射(対角線ではなく、原理不明)、ただし反射後の拡散係数は波性質のまま、よってレーザー攻撃は反射による反撃は可能、マイクロ波攻撃は拡散の為威力が弱まる
物理爆発や衝撃を受けた際の挙動:
重力場をパネル内でねじれ逆転させる(≒反射)、弾丸がパネルの重力場範囲に接触した瞬間に一旦内部の圧縮時空に入ってすぐさまに元のエネルギーを以て逆方向へ噴出される
4.ホログラム:
両側のドローン経由の量子通信で遠隔地で表示する立体ディスプレイ、実像ではなく空中発光の半透明表示なので一目で判別可能
5.重力ミラー:
両側のドローン経由の重力場操作で、ローカルの一部の物理反応と実像が遠隔地に反映されるホログラムの上位技術、ただし、ローカルまたは遠隔地の一方でシールドを張る場合は二重重力場操作の為不安定となる(都市規模のシールドなら利用可能ですが、小規模の防護用シールドなら干渉可能性あり)
また、量子通信ではなくローカルと遠隔地を直接に繋ぐ重力操作の為、両側を繋ぐ直線上大きな障害物が存在しないのが前提
※重力ミラーの制限により、本会議で重力ミラーで参加する場合はp.adminは月面基地から利用するのが条件(月面基地から日本アメリカ大使館まで障害物がない)
* 楽園島勢力の拠点
1.楽園島:
重力シールドとエネルギー吸収(反射)パネルで防衛、楽園島の幹部全員や避難民8000人が地下避難スペースに避難済
2.月面基地: 現時点で滞在者数が100人未満(主に治療を受けている善人達とボランティア達)、シールドは随時展開可能(非アクティブモード)、米軍の軍事衛星はすべて撃墜された今、想定した外部攻撃は弾道ミサイルと地面からのレーザー攻撃だけ(大気圏があるのでレーザー攻撃の威力は限られる)
3.つくば拠点(家と大使館予定地と建設予定の工業団地):
家はシールドで保護済、他はまだ何も出来てないから現時点で問題ない、台湾・日本の親戚や知人への保護は要対策(現状関東広域にドローン100機)
* アメリカから防衛または反撃ができる人
ドローンで救助またはシールド展開権限を部分的に委ねた人:
R子(10機)
S子(10機)
T先生(関東広域100機)
H先生(100機)
CICメンバー(5機)
ボランティア達(1機)
反撃できる人(異星技術による攻撃):
p.adminのみ(異星文明から正式にコーディネーターに依頼されたのはp.admin一人のため、彼は反撃に対して全責任を背負う)
* アメリカの作戦プラン(p.adminの推測)
楽園島に対する攻撃の想定
1.レーザー攻撃:
前回は限定的だがシールド内まで届いて実際に楽園島の住人を殺傷できた為
→大型タンカー船または飛行機によるレーザー攻撃を予想
2.マイクロ波兵器:
楽園島全体を電子レンジのように水分子を加熱しすべての人間を殺す算段
→大型タンカー船に想定、専用の原子炉まであるとp.adminは見る
3.毒ガス:
大気中の空気がシールド内に流れると米軍が想定し、毒ガスで一部の人を殺す算段、アメリカ大使館で使う可能性、大型タンカー船からの放出も考えられる
4.重力場破壊装置:
米軍が1940年代からの研究成果を応用し、シールドを一時無効化する算段
→アメリカ大使館で使われるおよび潜水艦の魚雷に搭載される可能性
p.admin:
「じゃデコイ潜水艦は何のため?レーダー攪乱だけでは意味薄いなのでは?何かしらの切り札?重力妨害装置?」
「デコイは無人だから開戦前から排除した方が良いかも」
* 台湾側の米軍活動疑念
1.二つの空母戦闘群による台湾政府への武力介入、最悪クーデターを想定、クーデター後はp.adminと関連性のあるすべての人の拘束→昔の友達、同窓、元同僚、先生や上司、親戚や顔見知りまで人数が多すぎてp.adminも覚えてない、どうやって防ぐ?
→台湾で行動中の米工作員はドローンでは把握不可能(顔に工作員と書いてないから)そして多分既に動いている
2.FBI/CIAは前の会談で相互不干渉を合意したけど、アメリカ政府から直接な命令があった場合は?どこまで信頼できる?
p.adminはこれを気づいた直後に、すぐさまに現在AITにいる人間、台湾の陸軍と憲兵、警察・検察組織と現在国家安全機関の建物内にいる人間すべてに生体判別用のマーカーをつけるようにドローンに命じた、なお、p.admin出身地の台北広域にドローン1000機を配置したが、ただし既に活動中の各勢力エージェントはもう把握できないことも気づいた
救済策として、台湾の把握済の警察や司法機関による逮捕以外のすべて「拉致に当たる行為」と判定して阻止する手もある。
なお、米軍やAIT関係者による拉致行為即刻阻止するとドローンに命じた。また、AITや空母艦隊から大量の人員移動や上陸もp.adminや幹部らに知らせるにとドローンに命令した
このような結構あいまいな命令で、ドローンはどこまで遂行できるかは心配だが現時点ではこれが次善の救済策とp.adminは考えた
ただし既に活動中のエージェントはもう把握できない、楽園島は現場での偵察部署がない事も反省し、今後の作戦プランは100歩先まで考えないと弱点がアメリカ見抜く可能性は高い
* 結局p.adminは何をすべき?
1.戦争したいと人員殺傷したい訳ではなく、根本的な衝突原因を無くすのが目的、しかしそれを達成するには「実力」を示して屈服させる以外の道は現時点で出てこない
2.今はよくても50年後?100年後?200年後は?異星文明からの介入は長期的(100年単位)とは考えづらい、米軍との衝突を片づけると改めて異星文明と交渉は必要、たとえある期間を過ぎたらすべてのp.admin権力が異星文明に回収されれば、世界からの報復が予想される
3.異星文明は調和と平和好きだが彼らも武器はちゃんと持ってる、歴史から他の文明からの侵略も受けて反撃もしたはず。彼らは国ではなく「惑星単位」「種族として」団結しているようだが、そもそも「種族ってなに?遺伝子?見た目?」攻撃されたら自衛による反撃は異星文明も理解を示しているから過剰な配慮は要らなさそう
4.p.adminは王国を建てるつもりではなく、コーディネーターとそれを実行する為の組織だけは必要、ただ、100年も続けば実質一人王様の小国との違いは何なんだ?
***
長い思考と反省に時間を費やしたp.adminは万全のために、T先生とH先生と最後の打合せを行う
CICによる報告:
「大型タンカー船は約45キロ(24海里)付近で停泊し、潜水艦とデコイ計16隻は45キロから100キロ範囲で待機中」
T先生:
「Azure君は既に色々準備してると思いますのでもうこれ以上あれこれ言うつもりはない、君がやってる事は正しい、胸を張ってそれを完成したまえ!」
H先生:
「Azure君は色々抱えてすぎた、周りは君と同じ志を目指してる事を忘れないように、学生時代で頑張っていた君をまた見ているように先生は誇らしいです!」
p.admin:
「T先生、H先生、ありがとうございました!日本と台湾の方の臨機応変は先生方に頼みます!」
異星文明から託されたドローンの総数は100万機、現在の通信リレーと中東女性保護目的などで使われたドローンの数は20万機未満
p.adminはドローンのフル活用を決意し、過剰まであらゆる事態を想定し、白昼灯籠の体現を自ら世の中に見せてやる!
まず、T先生とその教え子3人は関東対策チームを立ち上げ、H先生R子S子と妻のW子は皆台湾出身のため台湾対策チームを結成した
日本対策チームはT先生とp.admin関係者の保護と万が一日本政府と協力することも考えられ、ドローンの運用と意思決定はT先生に任せた
台湾対策チームもH先生と妻W子と親友2人のR子とS子が担当し、p.adminの身辺親族保護、H先生は台湾政府との交渉、協力もしくは事態の悪化を阻止する事にも想定される
各自の個人の目的で指揮できるドローンは昨日のプランの通りだが、対策チームの目的遂行の為でドローンを1000機を台湾・日本対策チームに委ねた
CIC全体にも、同様にドローンを1000機の利用を認めた
さらに「目標の人と物を拘束、浮遊と押し出すができる非殺傷のドローン攻撃権限」を権限を全員に付与した
p.adminはさらに、アメリカ内外の各米軍基地(例えば、ノーフォーク海軍基地)と海外拠点に、総計10万機のドローンを待機させた
さらにアメリカの各大都市周辺にドローン総計1万機を待機させた
これらのドローンは攻撃目的ではなく、空中ホログラムによる戦場ライブ配信、日本在住日系中華系住民への保護にも想定された
都市部に待機させた異星ドローンは「明日昼12時以降、市民と それ以外の軍人、連邦職員との武装衝突を阻止する」と命令した、
異星ドローンはどうやって連邦職員を判別することはp.adminは気にしないようにした
さらに、米軍はワープを物理的に妨害する可能性があるとp.adminは考え、ワープする時にでもシールドを展開するようにドローンに通達したが
異星タブレットからは「ワープ転送時、重力フィールド内部はシールド相当の防御力があるからシールドの二重展開が不可能」と返答した
焦る余りにp.adminは自分の不勉強を反省した
ドローンは水面下作戦もできる事なので、楽園島の付近海域を20キロと40キロの二つの防衛圏を作り、ドローン群を海面下に立体的に上下左右100M間隔で
10万機を配置し、潜水艦の無殺傷確保とデコイ船の破壊を目指している
いざの時で物理的な防壁も必要と考えるため、南極上空にもドローンを1000体待機させた
楽園島以外の場所でレーザー攻撃や砲弾、ミサイル攻撃が起きた場合は、シールドの即時展開の他に、これらを防げる程度の氷の壁を南極から切り出して、現場へワープして防壁として使うように命じた
これらの一連の命令に対して、p.adminが持っていた異星タブレットからは「コマンド了解しました」とだけ返事があった
これでドローン総数100万機の中で、凡そ半分くらいが利用された
本日二回目の投稿です
いよいよ明日は決戦です、会議と戦闘指揮への両立に不安なp.adminはかなり焦慮していた
p.adminは、全権限を自分一人に集中させています。異星文明から託された「コーディネーター」という役割は、彼に絶大な力を与える一方で、その力の行使に伴うすべての結果の責任を彼一人に負わせます
福島原発の作業、楽園島の避難完了、そして米軍の動向監視。わずか数日の間に、p.adminは休む間もなく動き続けています。物理的な疲労はもちろんのこと、精神的な疲労は限界に達しているでしょう




